『おかいもの!』
号泣していたさくを何とかなだめたトモコは車いすでさくに押されながら駅に来た。
改造地区なのでデパートは全て壊され、代わりにコンビニエンスデバイスなるものが自動販売機の様に路肩に置かれている。
コンビニエンスデバイスは地上デバイスから入金し、品物が地下倉庫から出てくるというものだ。
品物の種類はコンビニと同じ。
自動販売機の代わりに置かれた、小型中規模自動販売機と、漢字で書くとそんなニュアンスだ。
今回行くのは完全無人化されたそれらとは違い、人が接客している古き良き形の(デパートのような)駅だ。
この駅では映画館、プール、小型テーマパークまで内包されていて、一日中退屈せずに居れる。
そんな所に来た二人は…いや、さくは独断によりランジェリーショップに突入した。
理由は簡単、服装に無頓着なトモコの荷物を片付けるとき、(わざと)下着の入った段ボールを開けると男性用ボクサーパンツ(弟のお古も数着)が入っていたのを見て、買い物に行こうと強く説得し、トモコがあまりの剣幕に首を縦に振ったからだった。
最初に来る必要性はないと思うの。
ランジェリーについている光る装飾がキラキラしていて綺麗だな~くらいの和みの極みな表情のトモコに対して後ろのさくは飢えた狼みたいな顔をしている。
冷や汗を隠しきれていない店員が近寄らんとこ。と、距離をとるくらいヤヴァイ。
とりあえず一通り見て回ろうか~と、何とか表情を整えたさくに押され、タイツと見間違えるようなズボン型の物からどことは言わないけどさらけ出しているものまで見てから買い物かごを手に取った。
「ともちゃんは何か気に入ったデザインある?」
「( ,,`・ω・´)ン。ぁれ!」
トモコが指さしたのは軍人が着るような真っ白のパンティー。
色気もなければ興奮もしない。
かかわらんとこ。と、思いながらも見ていた店員も思わず真顔になった。
「却下。」
「「「「「コクコク」」」」」
「んえ!?」
文句ないでしょ!と、どやっていたトモコだったが、却下されてものすごくびっくりしている。
メチャかわ。
そして、驚いている間に試着室に入れられ、まるで最初から合わせていたかのように店員が色々な下着をもっていく。
スリップからキャミソール、ブラもほぼすべての種類がある。
ガーターベルトなどの足を覆うようなものは着れないが…
柄やアクセサリーも豊富で、小さなリボン付きのキュート系から腰の横で紐を結ぶセンシティブ系のもの、お腹あたりまでシルクベルトが伸び、下腹部とおへそを出しているセクシー系までそろっている。
実に2時間ほどかけて選ばれたのはやはりシンプルイズベストのミニリボンの映えるローライズ・ノンワイヤーブラのセットの色違いを数着と、パジャマの下に着るようにボーイズレッグ・カップ入りナイトウェアランジェリーのセットを三着ほど。
そして完全にさくの趣味の黒い
トモコ以外の全員の肌がつやつやだった。
あとがき
下着とか初めて調べました…
上は着ないで、下は男性用ボクサーパンツで十分でしょう…(狂気)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます