『番外編@とりくおあとりーと』
はろういーんのあとにだす!
^^^^^
咲桜gamesでは今、ハロウィン特別配信が行われていた。
長期休暇中のさくも出ているこの配信ではそれぞれがそれぞれのセンスで仮装して夕闇に染まった咲桜フリーモードサーバーのこの配信のために作られた屋台などが並ぶ妖しい雰囲気の市を練り歩く。
ラムちゃんは魔女帽子をかぶり、ルフ君はなぜかトナカイの角と赤丸鼻を着けていた。
ほんとになんで?
ガヤガヤとライバーが話す中、ショートパンツの魔女っ娘コスプレをしたさくが壇上に上がる。
さく「おっほん、全員中もーく!」
ざわついていた広場がすぐに静かになり、控えめに流れる軽快な音楽が妖しい光とマッチしている。
さく「それでは!今年もハロウィンの大感謝祭を行うよ!」
ライバー「わーい!」
さく「それでは、本日の本命!マッドちゃんの御登場です!」
さすが
職権乱用でマッドちゃんを宣伝するらしい。
白い煙がステージを覆い隠し、シルエットだけが映る。
さくの横にトテテテと小走りで寄るのはマッドだろう。
…横に広い。
さく「ご刮目あれ~!」
ボフ!っと、煙が消える。
つま先の丸い白いブーツ。
金髪に映える純白のカチューシャ。
ニーハイの白靴下に、膝下までの長いスカート。
いや、ワンピースだ。
全身が白で統一されたマッドの顔には口裂けマスクではなく、のっぺりとした白マスクがつけられ、背中には着け翼がつけられている。
手には籠とミニ看板を持っており、ミニ看板にはひらがなで“とりっくおあとりーと”と書かれている。
マッドちゃん自らが書いたらしく、ところどころ文字が歪んでいる。
さく「う゛」
さく は しんぞうほっさ で たおれた !
^^^^^
ドナドナ唄いながらさくを回収し、代わりに音頭を取った一期生は褒めていいと思うの。
ライバーが自分で用意した屋台以外はスタッフが配置され、りんご飴からミニタルトまで幅広い食べ物が、そして、射的からゲルテレス(ゲルルスというちっこいドラゴンを戦わせる遊び。ゲルルスは喧嘩のとき、相撲の様に相手を転ばせようとする。めっちゃ平和でかわいい)まで多くの遊びが出ていた。
従獣と従魔を従えて、マッドはテッテコテッテコ歩いて回っている。
屋台前を通り過ぎれば(事故の詳細を知っているスタッフが多いため)ちょっとセンチな顔をされながら小さい籠にお菓子を入れられ、頭をなでなでされていた。
あっという間に籠が満杯になり、ルフが加えたランチバケットくらいの籠がなければもらいきれなかっただろう。
イリル「ワギャアアアア!」
なにしてんの?
ラムのことをつついていたイリルだったが、いつの間にか逆につつき返されていた。
ぷにぷにが少女特有のやわこそうな肌をモチモチモチモチ!と、ツッツキまわしている。
やめなよ~と言っていたリセは横でオロオロしていた。
マッド「( ,,`・ω・´)ンン…」
触手的なものを伸ばして威嚇しながらプニるラムを後ろから抱きかかえると、伸びた触手を絡めとるようにもっちりもっちりと手で練っていくマッド。
マッド「( ,,`・ω・´)ン。」
楕円形に戻ったラムを抱えるとプルプルしながらワギャァァァ…と哀愁漂う声を出すイリルの胸に押し付けた。
マッド「( ,,`・ω・´)ン。」
イリル「?」
リセ「…」オロオロ
びみょうな くうき が ながれた!
^^^^^
所も時間も変わって開会宣言をした広場。
自由行動後のビンゴ大会も終わり、スクショタイムに突入した。
ワギャはマッドに抱かせてもらったラムが気に入ったのか、ずっと持ってる。
マッドもさくや一~五期生までと写真を撮り、寝そべったルフの背中を預けてニコニコしている。
さく「マッドちゃん、どうだった?」
マッド「…たの、し、し、いよ?」
いつもとどこか違うほほえみを浮かべたマッドがさくと話す。
頭を伏せて目を閉じて、ルフは聞こえないふりだ。
マッド「あし、な、く、くくなったと、きに、にに、はね?うん…」
少し表情を曇らせる。
でも、それはほんの少しの間だけで、顔を上げれば満面の笑みだった。
目の色だけが別物で。
マッド「それこそ、世界が唐突に消えたり、次元が映り替わったり、はたまた世界の時間が止まったりする不安定な世界なの。」
さく「?、なにか言った?」
マッド「…?」
目の色は戻っていた。
マッド「( ,,`・ω・´)ン、たのいよ!って、い、った!」
さく「そっか、じゃあ、誘ってよかったね。」
妖しい光の踊る中、大きくつくられた協会の屋根に刺さった十字架の上から飛び去って行ったカラスに、誰も気が付かなかった。
あとがき
はい、きのう(10/31)に書ききれなかったのでサックリ諦めました。
1000字くらいでサックリ書き終えようとしたらイリルちゃんがラムちゃんを突っついてたからつい…
次話はショッピングさく&ともこ
その次は取り残された獣王とルフの会話の予定です。
お楽しみにん~
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます