『王と忘れられていた人』
マッドが寝落ちするまで続いたレベリングは、主人のマッドにも経験値が入るらしく、マッドもラムもかなりのレベルアップがなされた。
以下の通りだ。
^^^^^
~name=マッド=ディガルド~
~gender=女性~
~occupation=獣士~
~level=4~
~status=20~
~strength=21~
~defense=3~
~speed=32~
~dexterity=14~
~metabolism=2~
^^^^^
^^^^^
~name=ラム~
~gender=女性型無性~
~race=ブラッドナイトスライム~
~level=12~
~status=40~
~strength=5~
~defense=34~
~speed=6~
~dexterity=3~
~metabolism=41~
^^^^^
マッドは神子特性でステータスの伸びが早く、攻撃力とスピードに多くの経験値が蓄積した。
そしてそんな主人とバランスを保つかのようにラムは防御力と抵抗力が上がった。
ちなみにルフは戦闘に参加していないので全く上がっていない。
元から体が大きくてそれに比例して筋肉量もあるから今のラムの数倍くらいの速度と攻撃力はあるんだけどね。
さて、今日も今日とて配信配信!なマッドさんは今日のデザート、プリンをモニュ!っと食べてスッと配信を始めた。
ガッツリ今日の予定を忘れて。
本日の予定!
さくちゃんと11:00からお買い物!
現在時刻!
7:12!
あと3時間強以内に思い出してアセンドできるかどうか…
それは神もわからない(ちなみに私も流れで書いてるからわからない)
^^^^^
ふんふふんふーん!と、今日は公開されている歌ではない鼻歌を歌いながらルフに乗って森の奥へ。
ちなみに下水道に行かないのは入れないルフがスネたから。
地下に黒鼠がいたんだから、森に行けば黒動物くらいいるでしょ?と、安易な考えで森を突っ切る。
森に入って約数分。
かなり陽の光が遮られてきたところでガサガサと茂みがゆれる…
120センチほどの身長…
黒い肌に剥げた頭…
横に長い口から除く牙と頭についている小さな角…
折れた枝を持って現れたのは…
「ウォフ!」ガブグシャァ!
ゴブ…
リンだった肉塊です。
(´・ω・`)
レベルアップ〜
^^^^^
~name=マッド=ディガルド~
~gender=女性~
~occupation=獣士~
~level=6~
~status=30~
~strength=21~
~defense=3~
~speed=32~
~dexterity=14~
~metabolism=2~
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^^^^^
~name=ルフ~
~gender=男児的無性~
~race=大狼(特殊個体)〜
~level=2~
~status=12~
~strength=42~
~defense=18~
~speed=63~
~dexterity=6〜
~metabolism=2~
^^^^^
ルフがバリ!とゴブさんがたをモグモグしている丁度その時、
「んア?」
「( ,,`・ω・´)ンンン?」
「キャヒン!?」
全身剛毛で覆われたおそらく全裸の女性が出てきた。
ぴんと立ったのと前と後ろに伏せられた6個3対の丸形、三角形、角ばった形の耳。
顔はライオンに少し似ているが、少し大きめの鼻と緩い温厚に見える目、少し横に広く少し間抜けに開いている口から発達した八重歯がニョッキリ顔を出している。
スタイルはびっくりするくらいのないすばでーで、2メートルを超えているだろう身長に釣り合うようにか、胸部・臀部装甲の大きさは人の頭ほど大きい。
逆立つ尻尾は7本あり、モッフモフなもの、ライオンのようなしなやかなもの、狼のようにモフモフでもスラッとしてるもの、毛の生えていない太いもの、ロバのように先にだけ毛が生えたもの、馬のように薄い毛で覆われているもの、鞭剣のように骨のような白い機械的なものが生えている。
「ヤッベ、ママに怒られル…」
うわぁ…と見てはいけないものを見たような反応をする彼女の前にぱ!とルフが進み出ると、コロリとお腹を見せてふくじゅぅぽーずをする。
「ンァ、…なるほド。ソーなんだ。…ヘェ。」
「もふ!」
目で通じ合っている二匹をガン無視して眼の前に広がるルフのお腹にダイブするマッド。
全身でモッフリモッフリすれば執事服は毛まみれになる。
「ンン、よかったヨ。シあわせそうデ。」
「クゥン…」もふもふもふもふ!
コメント欄は大混乱である。
だが、気にしない!それが、マッドクオリティ!
「ン…えっと、チョットだけ止まってもらえるカナ?」
「( ,,`・ω・´)ンンン?」
「こんにちは。マッドちゃん、デ、いいのカナ?」
「( ,,`・ω・´)ン。まど、で、すすす…す!」
「ン、
童は獣王の使う一人称です。
獣王は簡単な自己紹介をした後はずっとマッドが触れるルフのお腹を見ていた。
モフモフである…
あ、ちゃうや。
そのモフモフを撫でるマッドの手を見ていた。
マッドの撫で方は、毛の流れに逆らわずに流すように撫でる。
人間でいうところの全裸で絹の布団にくるまり、二度寝を貪る様なモノ。
とある状態が永続しているマッドは相手のことを気遣える(見た目も中身も)ロリ紳士狂人なのだ。
そして、「胎動する世界」でも言っていたようにこの獣王、撫でられるのが大好きなのだ。
結果は簡単。
ポフンと薄い毛が飛び、獣王はルフと同じくらいの大きさのリスになると、小さなあんよでマッドの手を包み、自分の頭に乗っけた。
「ギュウ!」(撫でて!)
「!?、も、ふもふもふ!」
毛量と相まってマッドの手は幸福な感触に包まれる。
左手はルフのさらっとしたモフモフ感で、右手は獣王のゴワッとしながらも綺麗なもふもふ。
さらっと出てきたラムもルフのお腹にダイブしてその場は森の憩いの場にしばらく
の間なったのだった。
^^^^^追記 ここで切ればよかったじゃん(´・ω・`)
「…( ,,`・ω・´)ン!」
気が付けばマッドは毛だらけだった。
撫で始めてからずっとその場でモフッてたので、抜け毛がすんごい。
ラムがモフりながら吸収しても、小さな山くらいはある。
もうアレルギー体質の人が居たら幸せそうに吐血して倒れるくらいにも毛が舞っている。
それぐらい獣王の毛は手入れされていなかったということでもある。
体についた毛をラムに食べてもらってキレイになったマッドはつやつやになり、少し細くなったように見える獣王の近寄る。
「( ,,`・ω・´)ンン、べ、べりんぐ、ん、んんん…」
「ギュゥ…」(ア…ア…シアワセ…)
「( ※`・ω・´)ン…」
呆ける獣王の横腹に容赦のないロリキックが突き刺さる!
「グエ!」(グエエェ!)
メリィ!とかなりめり込んだ幼女キックは脱力していたことも相まってか、かなりの痛みを獣王に感じさせたらしい。
ちょっとひくくらいのたうち回ってる。
さすがにかわいい…じゃなくて可哀想だ。
「( ,,`・ω・´)ンンン、れべ、り、んぐ、て、だ、だだ、だ!って!ん!」
「ギュワ?」(る、ルフちゃん、ご主人様は何だって?)
「オン!」(ワオウ!)
「ギュウ…」(なるほど…)
「ギュウゥワ!」(おねーさんに任せなさいな!)
↑二回続けての「」は同一人物からの台詞だよ。
「( ,,`・ω・´)ンンン?」
胸を張る獣王の膝に、容赦のないろりきっく!が突き刺さるぅ!
マッドの言ったことは(命令を聞けるように)ルフが理解できるが、ルフの言ったことはマッドが理解することはできない。
似たような意味合いで獣王atビーストモードの言葉もわからない。
そして脳筋だから人型にならずに肉体言語で何とか意思表示しようとして容赦のないロリキックが炸裂→悶絶というサイクルが7回ほど行われたとか。
…蹴るのはやめてあげな?
^^^^^追記 ここでも切れた(´・ω・`)
人型になった獣王とマッドが意思疎通できるまでにかかった時間はマッドが蹴り始めてから人型になるまでの1/8の時間で十分だった。
ルフの背にマッドと人型獣王が乗り、森の中を突き進む。
レベルが上がったルフはマッド(視点)が乗っているだけも見ごたえのある躍動感と黒ゴブリンの集団を高速度で一網打尽にすることでの爽快感があり、コメント欄も楽しそうにしている。
もちろん、倒せば倒すほどルフのレベルも上がり、それに乗じてマッドのレベルも上がる。
ルフが倒せないほどの所謂エリアボスがいるかもしれなかったので、仲間に入れていた獣王だったが、どうやらいらなかったみたい…
「…。」もふもふもふもふ
あ、ルフの背中の毛は風に流れるためにつるつるだもんね。
もふもふ要員が欲しかったよね。
うん。
まあ、なんかこう…
ピーーーーーーー!
という電気音と共にマッドの配信画面は暗転した。
コメント欄は一瞬理解が追い付かずに停滞気味になったが、すぐにマッドの身を案じるコメントであふれた。
現実世界の体に何らかの影響があった以外でフルダイブシステムが緊急停止することなどないからだ。
…実際の理由は、
「…かなしいなぁ」
「あ、」
「(´・ω・`)かなしいなぁ」
「ご、ごごご、めんね?」
「( ;∀;)がなじいなあ…」
「( (;;`・ω・´;)ン」
はい、現在時刻13:03。
配信がいきなり切れた理由はガッツリ自分との約束を忘れて配信しているマッドのことをめちゃくちゃ微笑まし気に見てたくせに、ガチ泣きしている少女ことさくによるヘッドセット取り外しが原因だ。
人型の獣王をもふったことへの嫉妬が原因です。
あとがき
まさか10月後半になってからの方が忙しくなるとは思ってなかった人です…
お待たせ(´・ω・`)
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