『マッドのストーリーモード直前体験』
5時間初配信の後、疲れたのかマッドは突然アセンドし、ヘッドセットを付けたままぐっすり寝た。
12時間の熟睡の後、目覚めたトモコを待っていたのは普通に心配していたさくだった。
最初の面会の時並みに泣いて抱き着くさくを心因性麻痺の残る手で不器用に撫でるトモコ。
トモコが事故にあってからすっかりトモコのことでは情緒不安定になったさく。
しょうがないネ。
数分で回復したさくは少し赤い目を隠しながら元気にふるまう。
「じゃ、じゃあ今日は、QDAのストーリーモードをやっていただきます!」
「( ,,`・ω・´)ンンン?」←マジお気に入り
「ともちゃん、もう行ける?」
「う!ご、ごご、ご飯食べた、ししし、し、行けるよ、よ。」
「じゃあ、行ってみよう!ログインしたらプライベートルームで少し待って、私が配信開始したよってチャットしたらカメラに向かって挨拶してね。今日はストーリーモードをやりますって言って、モード選択でストーリーモードを選んでね。」
「う!」
ピピピ、とコンソールを起動してヘッドセットを接続するいそいそと一人でベッドに置かれたヘッドセットをスチャッと頭に装着するトモコ。
そのまま寝っ転がって目を閉じる。
「ともちゃん、は、準備万端か。なら、行くよ!3,2,1ログイン!」
トモコの視界がスパークするとともにカクリと、トモコの体から力が抜ける。
モニターを確認していたさくとスタッフは気が付かない、トモコの体が視界と共に薄くスパークするように発光していたことに。
^^^^^
アセンドしたカスタムワールドでログインしたマッドは、ん!ん!とプライベートルームにテレポートする。
女の子座りでジッとチャットを見つめて合図を待つマッド。
カメラがスポーンしたことに気が付かないまま、少し左右に揺れながらチャットを待つ。
:wktk
:たのしみ
:マッド大先生のストーリーモードと聞いて
:スライムどうするんだろ?
:食うんじゃね?www
:全裸待機中()
チャットで配信開始とさくから伝えられたマッドはキョロキョロとカメラを見つけ、テコテコ近寄るとガチ恋距離でん!と、カメラを覗き込む。
:()
:待機画面が終わったら目の前にロリがいてあ
:かわいい
:ガチ恋距離w
:きれいだ…
「こ、ん、に、ち、は?は?えっと、ととと、マッド・でい、か、る、ど、どど、です!えへへ、」
:えへへたすかる
:でいかるどさんかわいい
:よく見ると瞳孔怖!
:狩られる!?
「す、すと、とと、ストーリ、りーモード?を、や、やや、っていき、ききき、ます。」
:がんばえー
:ああ、お顔が…
:カッコイイとこ見れるのかな?
ん!ん!と、いちいち声を上げてウィンドウを操作するマッドを微笑ましげに見つめるコメ欄。
他のVより少しだけ時間がかかった操作の後、マッドはテレポートした。
^^^^^
広い、広い草原。
外国でしか見ないような草原に、草のない道ができていた。
道の先と思われる遠き場所にマーカーが自己主張するように点滅していた。
さくちゃんにVtubarにしてもらってから2日。
自分の体が言うことを聞かなくなってからしばらく。
現実では足がないことに、そして、この世界では幼い子供として扱われるとこにも慣れた。
ま、それは後にして今はストーリーモードをやろう。
とりあえずはマークに向かって進む。
歩くだけの間に頭に流れるのは前に聞いていたAD〇さんのうっせ〇わ。
もちろん、頭の中だけじゃなくて口からも流れ出る。
「~♪」
ふふふふーん、ふふふふーん。
「キュエエエエエェェェェ!」
「( ,,`・ω・´)ンンン?」
なんか出てきた…
スライム?
「キュ!」
あ、どうもどうも。
頭(?)を下げるスライムにお辞儀する。
ネバーンネバーンと動くスライムをジッと見つめてると、なぜかすごくかわいく見えてくる。
…スライムは酸性っていうけど、触っても大丈夫かな?
ソロリソロリと近寄って、エイッと抱き着いてみる。
おお!ひんやりねばねばで気持ちいい…
「んん~♪」
「キュ!?キュウウ…」
ネバリンチョ、ネバリンチョ。
おお!?少しづつ固くなってく!
スライムゼリーっぽい感じ?
ひんやりねばねばからひんやりぷにぷにで楕円形に変化したスライムが気に入ったからそのまま持ち上げる。
スライムよ、悪いが私はマークに移動しなければいけないのだ、君も来てもらうゾ!
「~♪」
「~♪」
私の鼻歌に合わせてスライムも一緒に歌う。
合唱だ~♪
^^^^^
丘?を登りきるとNPC風の人がいた。
私を見つけると物凄い形相で抜剣してきた。
「貴様!そのスライムをどうするつもりだ!?」
???
ラムちゃんのことかな?
「( ,,`・ω・´)ンンン?と、とと、友達?」
「質問の答えになっていないぞ!怪物を所有することは禁じられている!貴様、名を名乗れ!」
「名前?ええ?ま、マッド、ど、ま、まま、マッド・ディカルド!」
「マッド・ディカルド…?………!?貴様…ホラを吹く気か!?」
うわあ!危な!
かする所だったじゃん!
「( ,,`・ω・´)ンンン…」
正当防衛ってこの場合、成立するかな…
バトルモードでは相手が銃を持ってたから成立するだろうけど…
「ぬう…避けるな!」
いや、避けるでしょ。
ってか、剣速遅!
全身鎧で如何にも騎士ですって感じなのに、これで大丈夫なの?
うーん、まあ、この場合、正当防衛になるのかな?
「や、やや、やめて」
「危険は排除する!それが私、イステ・ロイツが騎士道!」
やっぱり騎士なんだ。
ってか、騎士なら単身で居ちゃダメでしょ
お仲間さんはどうしたんだろ?
「ぬう…!なぜ避けられる!私の剣速はクゥンロル随一だぞ!?」
くぅんろる?
国の名前かな?
まあいいや、やっちゃえ!
「あが…」
「な!?」
「う!」
避けたタイミングで首筋をガブリ!
バトルモードだと手加減して嚙んだけど、騎士って言ってたし、ラノベだと胸を貫かれながらも相手の首を飛ばす騎士とかいるし、本気で噛む!
「ぐが…」
「んふー!」
ブチン!と、ふえええ!?
ふ、普通に首ちぎれちゃった!?
おええ…血の味がするぅ…
(マッド本人は体だけがバグってるように考えてるけど、理性の部分もかなりバグっていて、その証拠に人の首を噛むときに抵抗がないのと、首を飛ばしてもわー、グローいくらいしか考えない)
ゲームだからなんかこう…補正とかついてるのかな?
「キュエエ」
「( ,,`・ω・´)ンンン?」
ラムちゃんが震えてる…怖かったのかな?
うわあ!ラムちゃん?
「キュウウ」
力の抜けた騎士の死体を…食べてるのかな?
まあ、スライムだし、特に変だとは思わないけど…
って、ええ!?ラムちゃん赤くなった!
パイヨエーンパイヨエーンって戻ってくるけど…あ、はい、抱きかかえさせていただきますネ。
うーん…ま、いっか。
定位置(非公式)でキュウキュウ歌うラムちゃんをそのままに、マークに向かってゴー!
^^^^^
森のそばまで来ました。
狼っぽいのと犬っぽいのが争ってました。
ホエーって見てるとラムちゃんが加勢しに行きました。
犬っぽいのが溶けました。
狼になつかれました
ドシテコウナタ?!
「も、もも、モフモフ~♪」
「クゥン…」
「キュウウ!」
私と一緒にルフくんのモフモフにもふもふしてるラムちゃんが可愛い!
ルフくんもラムちゃんの弾力に目を細めてるし…は!閃いた!
「もッふもふ~ぷにぷに~に~」
・・・
・・・
・・・
は!そうだ、マークに向かってかないと…
あ、配信時間1時間経ってる…
かくなる上は…
ルフくんにライドオン!
ラムちゃんを私の胸にオン!
「る、るる、フくん、む、向こう!」
「バウ!アオーン!」
「キュウウウウウウ!」
「ゴー!」
タタラッタタラッタタラと、走るルフくんに乗って、マークまで行きました♪
^^^^^
その後、街に着いたマッドはがっつり検問で止められ、ルフとラムを処理されそうになるが、めっちゃ抵抗した。
町で暴れている怪物がいるということで街長にまで話が行き、結局そのあと5時間生配信になったのだが、ルフによる非殺生無双とラムの物理攻撃耐性によるごり押しが放送され、他のVと全く違う!と、話題になるが、お話あった後すぐに寝たマッドことトモコはそれを知る由もなかった。
あとがき
皆様、お久しぶりです…
言い訳無用で単刀直入に言うと、pcのバッテリーがいかれていました…
修理に出したら数週間かかるということで、更新できずにいました…
一応スマホでも執筆できたのですが、設定を書いたメモを1tUSBに入れていたせいで確認できず、執筆が滞ってしまいました。
ですが、もちろん、何もしていなかったわけではなく、れんれんとは別の世界線のお話を3作品ほど執筆(1話だけ)し、帰ってきたパソコンで細部を整え、今作の狂Vが落ち着いた後、れんれんをしばらく執筆したさらに後になりますが、投稿作品と並行して書きだめたぶんを投稿するつもりです!
追加、高熱の風邪を引きました。
一週間ほど熱が引かず、pcが帰ってきた後、この後の一話を途中まで書いてそこで止まっている状況です。
OS-1がぶ飲み(摂取量内)して薬飲んで寝て治ったら再開します…(すぐ治るはずです( ;∀;))
このような駄作を読んでいただけているだけでありがたく思います!
突然の更新停止、まことに申し訳ございませんでした!
…一応、
また壊れるかもしれませんが…その時はご容赦を…ご容赦ヲ!
更に追記、少し編集してマッドちゃんの最後の大乱闘剣線よけを消しました。この理由はまた後ほど…
間違えて下書きに戻した( ;∀;)
リディクュ・ルェメント
あ、次回は掲示板回です
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