狂人VはHDMMORPGで暴れる!

リディクュ・ルェメント

ぷろろろーぐ!

『気狂いVのマッドさん』⋆


 とある戦場にて。


 鉛玉だけでなく爆発物や矢ですら飛び交っているその戦場に似つかわしくない120センチほどの少女が立っていた。


 射線を切る、物陰に隠れる、武器を持つ、これらすべてを行わず、周りのプレイヤーからほぼ集中砲火と言っても間違えではないほどにダメージをぶち込まれている。


 少し前に現れた異世界からの帰還者によってもたらされた魔法と科学の融合した、《フルダイブ技術》により作られたこのMMORPG内にあるFPSモードはストーリーモードと違い発展途上ということもあり、ペインアブソーバ(ゲームでの痛みを現実よりも軽減するよ!って技術)などという高等テクノロジは存在しない。


 あまりにも小さな少女に打ち込まれた弾丸はそのまま彼女の脳に激痛としてのパルスを通信している。


 ゲーム、と先ほど言った通りこの戦場のプレイヤー全員にそれぞれのHPバーがある。


 全員一律100HPのソレは、各プレイヤーの死へのカウントダウンだ。


 少女のHPは残り30、20、10、と減っていき、残りが一桁になる。


 と同時に。



「えへ、えへへへへッ!」



 狂った絶叫を上げた後、少女…いや、は最も近くにいた敵プレイヤーに向かって走り寄る。


 動かなかった少女が突如動いたことによりAIM(攻撃する位置を敵に合わせること…だと思う)がぶれる。


 慌てて撃ちながら狙いを定めるプレイヤーだが、銃弾が詰まったのか弾丸が出なくなり…


 さらに慌ててもう一つの武器に持ち替えようとしている間にプレイヤーと少女の距離はほぼゼロになった。


 フルダイブのゲームでは現実と同じで全員の運動能力には個人差が出る。


 同じような体格体重でも、運動神経の差で走る速度や飛び降りられる距離なども変わる。


 全員が所有しているダメージ30固定の近接攻撃ナイフで応戦しようとしたプレイヤーだったが、少女はナイフそれすら持たずにプレイヤーに体当たりをかまし一緒に倒れ、プレイヤーの首にかみついた。


 赤いダメージエフェクトが噴き出す血のように輝き、噛まれたプレイヤーのHPをすごい勢いで減らしていく。


 一瞬でHP0になったプレイヤーは所有物を撒き散らしながらリザルトルームに消えていった。


 ダウンアタックジャッジメント判定を受けたことで蘇生不可になり、更には少女のHPが全部回復し(100になり)、少女は別の獲物プレイヤーのもとに走っていった。


 と、この光景は三人称視点で配信されていて、数万人の人が彼女を見ていた。


;うわぁ…相手さんどんまい、狂人マッドに見つかったのが敗因だよ

;てめぇはマッドを怒らせた!

;ダメエフェヤバ!俺もジャッジメント入れるとき、首に過密子かな

;FPSなのに武器拾わんの?

;↑お?初見か?いらっしゃい

;狂気の世界日ようこそ!

;うわぁまたやったよ

;んで撃たれながらジャッジメントいれれんだ?

;リア今日だかんな。

;草

;うわチャンピオン

;ラストかわいそうだったな…

;痛みでうめいたところを…

;デコピンwwww

;ジャッジメント判定なんだよなwww

;GG


 と、こんな感じの物語です。


;スナイパーで頭抜かれたんにアセンド精神過負荷なため強制ログアウト市内やばいやつ(訳:脳に最大のダメージパルスを送られても精神過負荷状態にならない痛みに対してめちゃくちゃ強い)

;セルフペインアブソーバ持ち(訳:ゲーム側の技術じゃなくて肉体的に痛みを感じにくくできる人)

;会ったら逃げろ逃げられんが(そのまま)

;マッドさんの次回作にご期待ください!(訳:次回も無双するから配信をお楽しみにね!)



 あとがき


 編集ミスであとがきに一瞬戻しちゃいました…

 注意!

 この作品は最初からストーリーが始まるまではかなり不安定に進みます!

 ストーリーキモ!と思った方も、幾星霜にもひろがり、まで飛ばしてから読まれるとほーん、こんな感じか…となるはずですので、何卒!読んでいただけたらと思います!


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