なんか、神様の子供たちが来るらしい(異世界の視点)

『MMORPGのNPCがなぜ弱いのか?』


「おい、聞いたか?」


「何をだよ?」


「数年ぶりに二つ名をつけられた冒険者が来るらしいぜ。」


「へえ!今は確か…7人だったか?」


「ああ、8人に増えたがな。」


「この町にもいるよな?」


「ああ。なんだったか…」


 二人の冒険者が広場の片隅で酒をあおりながら話していた。

 時刻は昼間。

 空に浮かぶ彼らの故郷、アルブルンが今日は全域(陰になっているところのない状態。満月的な言い回し)だった。

 そこに近寄る冒険者。


「この町にいるので人気なのは『日和見の狂闘士ナチュラルバーサーカー』だろ?」


「ああ!そうだわ!あの筋肉姉さんだ!」


「おいおい、殺されんぞ?」


「がはは!筋肉もすごいが、それだけじゃねえ。ありゃいい女だよ!」


「あとは『寡黙な盗賊家』『力こそ正義』『星抉り』『信仰の教皇』『異種族の隣人』『快楽の姫暴君』だな。」


「で、そこに『ゴブリン殺し殺し』か。」


「ん?どういう意味だ?」


 新しく話に入ってきた冒険者に質問する。


「ああ、新しい二つ名だよ。『ゴブリン殺し殺し』。なんでも、どんな依頼で儲けるし、どんな依頼でもやり遂げるけど、ゴブリンは殺さないし、依頼先とか森とかでゴブリンを殺してたら殺されるんだとよ。」


「へー、変な奴もいるんだな。」


「がははは!二つ名もちは全員変だろ!」


「たしかにな!違いねえ!」


「じゃあな。」


「おーう。」


「またな~」


 話に入ってきた冒険者は軽快な足取りで去っていった。

 去る背中を見ていた冒険者二人は酒をあおると他の世間話を始めた。


^^^^^


 時は進んで夕焼けの輝く時間。

 冒険者ギルドでは多くの冒険者や彼ら彼女らの家族が夕食を取っていた。

 冒険者ギルドと言っても、イメージにあるように酒場!漢!という感じではなく、どちらかというとスーパーの様な活気がある。

 レストランエリアでは四人掛けの席に一人だけで座っている冒険者がいた。


「相席してもいいですかな?」


 と、そこに近寄る場にそぐわない燕尾服の老紳士。

 冒険者はその姿を一瞥するだけでうんともすんとも言わずに冒険者ライセンスカードをいじっていた。

 ライセンスカードはその素材によってランクが異なり、石、錆びた金属、荒く磨かれた金属、反射するほど磨かれた金属、純金属、冒険者ライセンスネットワークに接続できる特殊なカード、持ち込んだ素材で装飾された豪華な冒険者ライセンスネットワークに接続できる特殊なカードと、7個程に分かれる。

 冒険者ライセンスネットワークに接続できるカードを持って一人前。

 二つ名を持つ者は持ち込んだ素材で装飾することができる。

 冒険者のいじっていたカードは老紳士から見て解読不能な文字の刻まれた石板のようなカードだった。

 …いや、石板のようなではなく、石板でコーティングされているカード、と言った方が正しい。

 彼は『ゴブリン殺し殺し』。

 老紳士は彼が二つ名もちだと知って依頼をするために来たのだ。


「…あなたに依頼です。『人王』様から直々の。」


「人王…!?」


 ひょうひょうとしていた彼も、その人物名に思わずカードから目線を離す。

 人王…それは、この世界を創造した錬金神が直々に人という種族の最高として創造した存在。

 20の魂を持ち、武芸・芸術・教育・知識に長け、世界創造より生き続ける者。


「…受けよう。」


「ありがとうございます。内容は直々に、と。お手数ですが中央都市『レティア』へお願いします。」


「了解した。」


 彼はそういうと立ち上がり、冒険者ギルドを後にする。

 老紳士はふう、とため息をつくとカコンと足を鳴らした。

 ピタリ、と周囲の人の動きが一瞬止まり、再び動き出す。

 そこには誰もいな


「何個目かな?カケラ、ミッケ。」



 あとがき♡


 遅れてすみまそんですたあああああああああああああああああああああああああ!

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