『動き出すストーリーと薬草』




 バトルモードコラボの次の日。

 カシノナイウタという面白い歌を鼻歌に、マッドは今日もストーリーモードを征く。

 ちなみにククリナイフは腰ベルトに刺してあるが、ガッツリその存在を忘れてたりする。


 今日はギルドで依頼をやってみようの回だ。

 推定時間と推奨難易度がウィンドウで追記された今受けられる依頼を見ていく。

 といっても、魔族との戦争が停戦のような終戦のような状態になった今では、ほとんどが植物素材を集めてほしいという依頼しかない。


 ちなみに難易度は、プレイヤーの与えられるダメージと同じだ。

 訓練場の人形に対する攻撃ダメージを参考として、ルフは測定不能(破壊された)、ラムも測定不能(攻撃してない)、マッドは120(大体100ダメージが即死ライン)だ。


 ストーンカードで受けられる依頼では魔族との戦争中でも過剰なパワーだったりするが、今は全く関係ない。


 コメント欄に勧められるままにマッドはとりあえず薬草の採取を受けた。


 ポテポテ草原まで出ていくマッド。

 街の人は微笑まし気に通り過ぎていく。


 門まで来るとさすがに止められるが、神子であることとストーンカードを出すことでサッと通された。


 言い忘れていたが今日はガチムチだった。

 コメント欄も喜んでいた。


 門の先には事前体験通りの広々とした草原が広がっていた。

 ところどころに神子と思わしき人物がうずくまっているので、同じような依頼を受けているのだろう。

 ( ,,`・ω・´)ンン…と少し考えてから人の少ない森の近くに行くマッド。

 木々が増えて木漏れ日がきれいな森の浅瀬に入ればラムがピョンコと出てきた。



「( ,,`・ω・´)ンンン?らむちゃ、?」



 ミョンミョン移動してはごそごそと藪を漁り、漁っては移動するを繰り返していたラムだったがひとしきり動くと赤い体に新緑の葉をため込んで戻ってきた。



^^^^^


=リカバリー・リーフ=


レアリティ=メイディォカ


クオリティ=ナフィン


=エフェクト=


草原で採取できる回復効果のある葉。

微量の魔力を含んでいる。


^^^^^



 草原で採取できるもので、今回マッドが受けた依頼でぎりぎり納品できる最高クラスの薬草を集めるラムは有能ちゃんだ。


 いつものポジに飛び込むとポポポポとマッドの手の上に葉脈で結んで束にしたリカバリーリーフを吐き出していく。

 10枚束5セットの50枚、依頼達成条件に入っている。


 そして、スライムはもともと魔力の含まれるものであればなんでも消化できて、光と水と自然の親和性が高い植物系が好きなので薬草を取れたってだけですよ。

 チートじゃないです。


 ※カッコの中を読み飛ばすことを推奨

 (そもそもの裏話をするとストーリーモードもバトルモードと同じでペインアブソーバなんて高度なものがないので、殴られれば打撲して切られれば切り傷になるんですね。なんで、基本的に近接戦闘が怖い…ってので、他の奴に戦いをゆだねたりする人が多い。とくにNPCに。コメント欄にいる人は良識もあってさらに先日のククリナイフで指先サックリ事件でリアルとほとんど同じ感じで血っぽいのが流れるのを知ったのでケガシナイデ的な状態です。んで、マッドの場合は従獣とかなり仲いいから大丈夫だけど、さっきの命令に抵抗するのを他の人で見たことのあるリスナーが多いので、従獣を従えられるのですでにすごい!的な感じに以下略)


 簡単に言うと能力を持った者を従える獣士の特権です。


 そんな感じで早々に依頼物品納品ができるようになったマッド。

 そういえばと世界のお知らせを開く。


^^^^^


→ストーリー進行


 第一章「???」

  情報§町の人が言うにはどうやら街の地下下水道に真っ黒い鼠がいるらしい。弱っていたり死んでいる人を食べるようで、少しずつ被害が出ているようだ。



^^^^^


 優男から聞いた情報が載ったストーリー進行の欄を確認すると( ,,`・ω・´)ンン…と少し考えてから、ルフを出して町まで乗って戻った。


 門をルフの顔パスで通ったマッドはとりあえずギルドで依頼物品納品をしてから排水路をたどっていく。

 排水路は門の外に続いており、その先は森のようだった。



「( ,,`・ω・´)ン…もん、んんん、も、えいさん、」



「んお?ああ、お嬢さんか。どうした?」



「( ,,`・ω・´)ン、どこ?こ?」



 排水路を指でたどりながら門の外を指さすマッド。

 門衛は何を聞いているかを察してどこだったっけな…と少し考える。



「おーい、どうした?」



「あ、カチョ、あの排水路ってどこに通じてたっけ?」



「ん?森の大川だろ?それがどうした?」



「だってよ。」



「ある、り、が、と!」



 反対側に立っていた門衛から情報を得たマッドはルフに大川まで走らせる。

 ワオンワオンと森を走ればかなりの幅を持つ川が現れた。

 ふちに沿って歩いてみれば



「アタ!」



 ドボボボボと排水するレンガ造りの直径4mくらいのパイプが見つかった。

 ルフを引っ込めて普通にパイプ入るマッド。


 エリア表記が森から地下下水道に変わり、かなり暗い下水道が広がっていた。

 配信上ではかなり明るく見えるようになっているが、入った瞬間は見え方が同じだったため暗さを心配する声も上がっている。



「~♪」



 まったくもって気にせず進むその姿にしびれないしけどあこがれはするかも。

 鼻歌を歌いながらポテポテ行けば下水道‐入口から下水道‐迷路まよいろに表記が変化する。


 小型の生物が動くような気配があちこちからして引っ込んでいたラムが出てきて定位置におさまった。


 ここまで薬草を納品してから約五分。


 思考即行動な狂人は今日も元気です。




あとがき


 長かったのでカッチ!

 最後の方に詰め込みすぎた気もするけど…

 いや、気のせいじゃないね。がっつり詰め込んだわ。

 えへへへへへ。

 おやマッドちゃん、どうしたの?

 …なるほろ。

 マッドちゃんから感謝の言葉があるそうですよ!



「にーまん、ぶい!あ、あああ、りがと!」



 というわけで20000PVありがとうございます~

 ゆっくり更新するのでゆったり待ってゆっくり読んでってください~



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