ぬこ探しつー(マッドがかわいがられる回)
住民区までの道すがら、商業区の大通りでは屋台が数多く出ていた。
時間的にも神子が町のあちこちに散らばった時間帯なため、ちらほらと神子特有の初期衣装の面々が見られる。
もちろん有名人なのでめちゃくちゃ噂されている。
「おーいそこのお嬢さん!」
注目が集まれば更なる注目が集まる。
目ざとい屋台主はマッドを呼び込んだ。
「( ,,`・ω・´)ンンン?」
「そうそう、キミキミ。ちょっとうちの
そういいながらパタパタと四角いうちわ的なもので仰いで醬油に似たにおいをマッドに届ける。
「( ,,`・ω・´)ン!」
「ウオフ!」
これには思わずルフもにっこり。
フラーと誘われるようなマッドに対して背中から出てきたルフは爆速で屋台まで行ってスッとお座りする。
「んおお。でっかいペットだね。よし!君にも作ったろうじゃないか!」
注目が集まるだろうと多少赤字覚悟で笑う屋台主。
三年修業した円形の調理器具が縦横無尽に鉄板の上を駆け巡り、取り分けた分をマッドが食べ終わるくらい(10分ほど)で7人前ほどの焼うどんを作り上げた。
焼き物屋がスッと差し出した巨大皿にそれを盛り付けて地面に置けば、ルフがガフガフ食べていく。
「ふう、いい食べっぷりだね!久しぶりに本気出したぜ!」
「おっさん、俺にも一人前売ってくれ!」
「ぼくも~」
「わた…
「はいよ!ちょっと待ってね!」
仮面の上からでもマッドがおいしそうに食べているのが伝わり、大人数用を作っている店主に注目が集まり、作られたそれをルフがさもおいしそうに食べる。
うん、商売がうまいな。
「お嬢さん、塩っぽいので喉乾いてないかい?ほら、ラプスの実を食べたスライムのこし汁だよ!すっぱ甘くておいしいよ!」
それに乗っかる飲み物販売のおばさん。
ラプスはライムやレモン系の酸っぱい果実で、スライムがそれを食べるとスライムの粘液にその味が混ざりこみ、そのスライムをこす(荒い布に包んでギュッとする)と元から少し甘いスライムのこし汁が酸っぱさでより甘く感じる。
というもの。
醤油っぽいしょっぱさの後で口をさっぱりさせるのにはうってつけの飲み物ではある。
「( ,,`・ω・´)ン!おいしい!ありが、とお!」
「いんや、どういたしまして。」
ニコニコ笑顔で言われれば悪い気はしない。
外見も相まってどことなく駄菓子屋でジュースを飲む女児を彷彿とさせた。
「おばさん、俺にも一杯売ってくれ!」
「私には三杯お願い!」
「わぎゃ!?誰だ足踏んだの!」
人口密度がかなり上がっているせいでワギャさんも鳴いている。
そのあとも少し進んで試食、食べてる間に他の試食と、アイドルの町ブラレベルで止められた。
^^^^^
2時間ほどかけて商店が…商業区を抜け出した。
今度は少し浮ついてはいるが、しっかりした住民区に入った。
「お嬢ちゃんは人気もんだな。」
「( ,,`・ω・´)ンンン?」
空気だったスラムの優男かわいそう
ちょっと不貞腐れたようにつぶやく。
「いや、うらやましいなって。」
「( ,,`・ω・´)ン…かなし、ししい?」
「…そうだな。どっちかというと嫉妬って感じだな。」
「( ,,`・ω・´)ンンン?」
「少しだけ身の上話に…付き合ってくれるか?」
やっべなんか始まったよ
コメ欄も空気が重くなったことで少し遅くなった。
あとがき
川の流れのように書いていたらなんか身の上話始まりました…
次回は優男の身の上話回…かなぁ…?
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