『VTuberになるために』⋆



 注意!今回の内容ですが、著者は全くVTuberになるための勉強とか必要なものとか全く知らないので内容が事実も異なります!

 内容を鵜呑みにしないでください!




 さくはトモコの病室から真っ直ぐ本社に向かうと勝手に部屋に突入した。


 バン!と開けられた扉の音にビクン!と驚いた社長は急いでパソコンを閉じ、さくに向き直る。



咲桜さざくらさん、ノックしてよぉ」



 なんとも気の抜けた声で話す社長に詰め寄ると病室のトモコのカバンから(許可を取って)拝借した履歴書をバン!と机に置き、



「私のまま本人から聞きましたがVに成るそうなので処理をお願いします。」



 ズイッと顔を近づけながら話した。



「えー、困るよぉいくら咲桜さんの頼みっても、そのこ精神疾患があるんでしょぉ?VTuberになるにはさすがに…無慈悲だけど精神になにかある場合、僕達にも被害がはいるし…」



「責任は私が取ります」



 顔を放しながら伏せられているネームプレートを見やり、社長をにらむ。



「そうは言ってもねぇ、面接すらできないってなるのは…」



「できます」



「うーん?じゃあ、大人しく座ってられる?」



 馬鹿にしたように(さくにはそう見えた)質問する社長にプチっと何かの切れる音が頭から聞こえたさくは声を荒らげながら社長のネクタイを掴んだ。



「てめぇ、あたしのママに何いってんだ?あぁん?蹴り殺すぞ?あ゛?」



「…っご、ごめん、ごめんなさい、すみませんでした。」



「てめぇの偏見入れて考えてんじゃねえぞ?こちとら、あの人にどうやって恩返しするか今の今までずっと悩み散らかしとんじゃ!てめぇなんかの偏見でそのチャンス潰されてみーよ?あ゛?」



「す、すみません」



「謝るより先にやることぁあるよな?なぁ?わかっとらんのか?」



「す、すぐ処理します!」



 ネクタイを放されると同時に社長は逃げるように出ていった。


 はあ…とため息をつくとさくは社長席に座り、


 そのプレートには白良はくら と掘られており…


 と、さくが手元にあるベルを鳴らすと3度のノックのあと、執事服の男性が入ってきた。



「さくお嬢様、いかがしましたでしょうか。」



「ここの会社の社長をクビに。横領してるわ。」



 デスクに乗っていたパソコンを立ち上げ、サラサラっとコードキーのかけられたプログラムを解いていく。


 最後に出てきたのは帳簿から抜かれたと思わしきお金の内訳と社長の名前。



「承知いたしました。」



「勝手に私の椅子に座るった上にともちゃんを馬鹿にしたお馬鹿さんはにしても?」



にする前に少々をいたしましょう。お任せください。」



 執事はニコリと人のいい笑顔を浮かべると部屋から出ていった。


 それと入れ替わりでチャイナ服の女性がワゴンを引いて入って行く。



「お嬢様、お茶をお持ちしました。…アルヨ」



「あら、ありがと。」



 趣味でコスプレさせているメイドから紅茶をもらいながらさくはVTuberとして、何が必要か、という元社長の言葉。


 たしかに、精神疾患、それはマイナスになりうる内容だ。


 だが、未だかつて本物の狂人をVTuberに…いや、表に出そうとした者がいるだろうか。


 いや、いない。


 トモコも乗り気だし、何かあってもフォローはできる。


 それに、近々帰ってきた異世界帰還者からの技術でついにフルダイブシステムが完成する。


 さすれば、四肢疾患など関係ない。



「VTuberになるために必要なこと?ふふ、やりたい、その気持ちだけだわ…」



 哀愁漂うチャイナメイドを控えさせながら、さくは朗らかに笑っていた。


 なお、さくの職業は、本職、咲桜カンパニー現社長、副業、咲桜games(株)会長兼任トップVTuber。


 と、そこに咲桜games現社長も付け加える必要がある。



「多数決に任せるとろくでもない人しか入らないわね…重鎮達もそろそろ退を考えてもらおうかしら?」



 そんな腹黒淑女はスーパー天才&親の七光りである!


 更に付け加えると、個人VTuberとしてデビューしてから、自分が会長を務める企業の事務所にという形で入ったのは中学生時代のトモコとさくの関係性が関わってくるのだが…まあ、これはまた別の機会に。


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