『ぬこかくほ』
優男は落ち着き、スラムに帰っていった。
本来の目的であるぬこ探しに戻るマッド。
探すペットであるぬこ(ぬころーと=イグアナ)は、その名前の通りイグアナだ。
紛れもないイグアナだ。
ちなみに猫はこの世界に存在しない。
猫人族と呼ばれる
そんなイグアナを探す前に、イグアナの飼い主に情報を聞きに行く必要がある。
テッテコテッテコルフとラムをしまって一人歩くマッドは、他の家と同じくらいの一軒家のドアをたたいた。
「はい!」
ドアを開けたのはマッドと同じくらいの女の子。
その子の後ろにはさらに小さい男の子が右手を口元にして立っていた。
「いら、!」
「いら?」
「いあ?」
クトゥグァ!
あ、と、依頼書の写しを持たされていたことを思い出したマッドは懐から取り出して広げて見せる。
「ん?……!ぼーけんしゃさん!来てくださったんだ!」
「ぼーしゃー…しゃしゃん?」
「( ,,`・ω・´)ンンン?」
おかーさーん!と、女の子が呼べば、奥からハイハイと口に出しながら160センチほどの女性が出てくる。
「あら、お友達?」
「ううん、ぼうけんしゃしゃん!」
「( ,,`・ω・´)ン、こ、んちあ!」
「はい、こんにちは。えっと、君がうちのぬこを探してくれるのかな?」
「う、ん!」
挨拶の時に振り上げた右手に倣って左手も上げるマッド。
男の子もそれをまねしてキャッキャしてる。
「そうなのね。とりあえず上がっていきなさい。情報の合わせとお菓子を出してあげましょう。」
「わーい!いこ、おねえちゃん!」
「( ,,`・ω・´)ン。」
小さな一口サイズのパイを食べている間はハイテンションな女の子が話を途切れさせることなく話し、お菓子の後に幼年幼女がお昼寝に入った後にやっと情報のすり合わせができた。
情報としては住民区の開放広場の小規模森林ゾーンで目撃情報が多いということがあった。
「イグアナだから気の上に登っちゃってて…森林ゾーンの木って枝がかなり細いから、大人だと登れないのよね。でも、子供の冒険者っていないから、あなたが来てくれて助かったわ。」
「( ,,`・ω・´)ン、まかせ、せせせて!」
早速行こうと立ち上がると依頼主のお母さんがどうせなら広場で仲間の子たちと遊んできなさいとフリスビー的なものを貸してくれた。
ありがとう!と元気いっぱいに返事をしてからマッドは開放広場に向かっていった。
^^^^^
ドナドナドーナードーナー
イグアナ連れて~
広場はかなり広い草原のような見た目で、荒い布を敷いてピクニック的な家族や冒険者パーティーらしき若者たちがBBQを楽しんでいた。
開放的な空間にテンション爆上がりのルフがマッドから飛び出して草の上を駆け回り、転げまわった。
なんか一匹でも楽しそうだったためそれを放置して森林ゾーンに入るマッド。
木漏れ日がいいな、と目線を上にあげればイグアナと目が合った。
…3秒ほど互いに動きが止まり、ピピピ、と鳥の鳴き声が聞こえた。
「か、ほ!」
謎の掛け声…あ、確保って言いたかったのかな?と共に垂直跳びでイグアナを掴む。
掴まれたイグアナはすがすがしい顔をしているように見えた。
ドナドナドーナードーナー
イグアナ連れて~
両手で抱えるようにして広場に戻るとルフを危険だと判断したっぽい冒険者たちが軽くひねられていた。
大きなけがをさせているわけではないからまあ、自己防衛だし大丈夫と勝手に判断して帰るよと手を振るマッド。
ルフはめちゃくちゃいやそうな顔をして動かない。
( ,,`・ω・´)ンンン?と首をかしげるとぬこがペシペシと薄い胸部装甲を叩く。
あ、と気が付いたマッドはイグアナを頭の上に乗っけると懐からフリスビー()を取り出した。
「オン!」
「( ,,`=ω=´)ン…( ,,`・ω・´)ン!」
腕のしなりを使ったナイスシュートはルフの左上を通過しようとしたところでパシッとキャッチされた。
それを咥えてしっぽブンブン降りながらマッドに持ってくる。
それを何回か繰り返してから帰った。
あとがき
ぬこは猫ではない!!!!
という落ちでした。
かなり珍しいですよね、イグアナを飼っている家。
ちなみにぬこは出てきていないお父さんが森で見つけてきたおとなしい動物です。
見た目はオオトカゲみたいな感じ。
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