『きっとこれが特異点だった』



 中学生になって少しするまでは私とトモコちゃんはとても仲のいい友達という位置づけだったと思う。


 トモコちゃんがどうだったかを知るすべはないが、かなり過度なスキンシップも許容してくれて、私の話を聞いては笑ってくれていた。


 だけど、中学生になって3か月くらいした後、世界に帰還者が現れた。


 アメリカに帰国した転生者は銃弾やミサイルすら防ぐ結界術を教え、中国に帰国した転生者は魔法を使用した兵器を教えた。


 日本の帰還者は異世界にわたるチケットをもたらし、お金のある多くの人が挑戦し、その大半が失敗した。


 全体の2割が異世界に行き、クリア条件を達成できたのはかの有名な錬金神だけ。


 だが、クリア条件を満たさなくても異世界で上げた身体能力はかなり減衰するが、現実世界に還元される。


 それが、問題だった。



^^^^^



 中学生のころ、姉さんは拉致された。


 犯人は異世界転移者でクリア寸前でミスって帰って来たらしい。


 そんなことはどうでもよかった。


 犯人の目的はもちろん、姉さんの貞操。


 1ヶ月も監禁された姉さんは全身を侵され、それから5か月はまともに立つことすらできなかった。


 悔しくて、辛くて、でも、もっと辛い姉さんの前で弱いところを見せないようにした。


 不幸中の幸い…と言っていいのかわからないが、犯人は女性だったため子供を身ごもるようなことはなかった。


 犯人は白良の私刑でどうにかなったらしいが、どうでもいい。


 ようにすれば…



 その決心はかなわなかった。



^^^^^



 治療が終わって久しぶりに会ったトモコちゃんは前よりもっと内気になっていた。


 少し触れるくらいのスキンシップでも声にならない悲鳴を上げて、パニックになる。


 ○○○を切開して錬金神から譲ってもらったゴブリンの○○で○○させて産まれたゴブリンと○○○○させ続けた犯人に怒りと、虚無感を覚えながらもトモコちゃんを守れるようにならなければと強く再確認した。


 帰還者たちの影響で社会のパワーバランスは少し狂ってきている。


 あと10年もすれば武力>経済力>地位になるだろう。


 なら、そうなる前により強いものを、より大きな金を、より高い地位を築かなければならない。


 地位は簡単だ。


 今の時世では一般人もpcさえあれば配信者という有名人に早変わりできる。


 金も簡単だ。


 地位があれば金が入り、金があればさらに大きな金が入る。


 問題は武力…だが、これも解決した。


 少し前にうちのプロダクションに錬金神の娘が入ってきた。


 言い方が悪いが、彼女を使えば錬金神とアポイントを取れる。


 クリア者で神に至った方の協力が得られればある程度の脅威はぬぐえる。


 …でも、この後をどうしよう。


 中学校を卒業すれば高校生になる。


 が、私は高校卒業証書を金銭で解決して会社の次期社長としての教養を身につけなきゃならない。


 連絡先を交換できても忙しくて連絡を忘れ、そのまま…ということもあるかもしれない。


 …そういえばトモコちゃんは絵がうまかったよね


 あ。



あとがき


 ということで、短編過去編終了でず

 この話の後は“トモコ大好きさく、高校に行けないからトモコに頼んでVのガワを作ってもらい、デビュー、ある程度人気になったら偶然目に留まった形を装い、プロダクションに入る。で、ガワを描いてくれたママであるトモコを誘う”って形。

 若干無理槍っぽいのは許してくだしい

 次回からはストーリーモード!

 と、新小説が投稿される予定でゲス。


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