第3話 繋がり

 肩に触れられ魔力が抜けてく、ん。

 向くと「ずっと探してたんだ、補修してると思って行ったら燃えてるわヒビキ先生はぶっ倒れてるわシオンはいねー、そんな事いいんだ。こいつ何とかしてくれ‼︎」と病相じみた同級生ミグサと透き通った黒い肌、薄い布を纏い鎌を持つ巨人がいる。

 また魔力が吸われていた事を実感し離れると魂の抜けた目元で補足され、巨人に魔力を取られているらしく。


「死ぬ」


 死ぬ。比喩?

 弱ってるのは感じるが半透明の巨人に取り憑かれるって何したら、いや。


「俺の魔力量じゃ(足りない)…おはらいしてきたら?」


 その言葉に巨人はぎ石で刃を研ぐ。


「んな人脈いない。それより超怖えー。呪われるの嫌だよ」


「呪いより凶器を凄い研いでるよ」


「怖過ぎて見れない…。それでメイミアに相談したいんだ、いつも一緒だろ。さっき喋ってたし、何処にいるんだ?」


「いつも一緒じゃなく…。そういえば朝から見てないような?」


「何と喋ってたんだ……。なあ、心当たりないか? 直ぐ相談したいんだ、生きた心地が!」


「⁉︎」


「どうした?」


「…(…?)いや」


 鼓動を強く打った俺は「メイミアは、多分、裏山にいる」と焦りが押し寄せ視界がゆがむ。

 そうして「おい腕もげる勢いで引っ張りやがって‼︎」と声を上げる裏山で、ミグサと巨人の三人で彷徨っていた。


「つい…」


 背中に熱が篭る。

 正規せいきの道ではないから足場が悪い、生え伸びた草木をき分けながら進んでるし俺にしがみついてるミグサは『多分』を忘れてる。


「あぁ」


「わ…悪かった置いていかないでくれ」


「ミグサに吸われて魔力はゼロだ…」


 あの魔術から残りの残滓ざんしすら吸われ、逃げる魔力もなければ回復もしないが「魔力が無かったら生命維持、出来ないだろ。こんな時に冗談言うなんて…でも大丈夫かもしれないって思えてきたぞ。なんたって俺は」とミグサ。冗談じゃないが、元気づけした様になっていた。

 そして何度も聞いた長話が始まりそうで「転生者でしょ。死んだら美人女神に口説かれて救世主になる誓いをした勇者ミグサ様。魔王対峙まおうたいじのついでにメイミアも討伐とうばつしてくれませんか?」と簡潔にまとめる俺は目的地に着いた。


「勇者から変だぞ?」


「勇者は信じてるけど」


「アルタイルに魔王いないと思うが…」


「そんな難しい話を理解できないよ。ほら」


 目的の人がいるというのに「違う」と訂正するミグサ。

 討伐というのが気に食わないらしいが、平地で楽になった広場で「何処に?」とのミグサに「ここだよ」と巨人を見つめる銀髪の悪魔しょうじょがそう言ってわらう。

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