第4話 すれ違い
「メイミア」とミグサ。また悪魔というのは本人がそう紹介してるからで容姿は天使と評される印象や
しかし「払わないよ」と言い姿勢を戻す巨人と共に漂う空気感が、意志を制限される様に重く、この世のものと思えない巨人が従順の様に「そんな…俺は。俺は…こんなのに、またなのかよ…」とミグサは巨人へ踏み込むが、生い
◇◇◇
俺はミグサと同じ組、行事関連でも同じ輪、身体能力値的に相性がいいらしく魔術師と合同で行われる治安貢献の際、困ってる人を率先して駆け付けたり、生徒の窮地に追い込む罪人に気性が荒かった時があったそう。
聞いた話では何処か魔術の対峙と掛け離れ、生徒教師総出に止められたりと、普段は穏やかで、組の中では兄の様な存在だし、頼るのは辛そうで「私はシオンに憑く悪魔であって、面白くないよッ?」とのメイミアから離れていく巨人。
「追わ……?」
駆け出すメイミアをミグサが引き留め、巨人は、暗い木々に消えていった。
その頃ミグサの足元から螺旋状に魔力が溢れる。
通常体内から生成される自然な魔力に包まれミグサに還る。
「体が治っていく。スゲェ…」
そんな姿に突っ立ていた俺は。
「連れ回されただけ、だけど、元気になって良かった…ね?」
「おう!」
これでいいらしい。
本人がそう言ってるんだし、元気ならそれでいいんだと思う。
◆本当に?◆
不意に囚われた俺は巨人について質問する。
「あの子ってどうやってミグサの所に居たの?」
はずがメイミアに先越された。
「ああそれが、ことの始まりは近所の神社でお詣りしてたんだ」
輝いていた表情は少し暗く、俺は「神社って鳥居があって神様が
「よく知ってるな、アルタイルじゃ
「…えと…本で知った」
「そうか、凄い本だな! でさ、俺の元世界だと神社でお祭りがあるんだ」
うろ覚えの知識が合っていたようで、今まで聞いた謎の話しもこんな風に話せると思い「お祭り。血祭り的な?」とミグサに食い込む。すると〝えぇ…〟みたいな眼差しから静まり返ってつらい。
「血って…。おだよお。屋台が並んでいて、りんご飴とか綿飴っていうお菓子が売ってたり。射的とか輪投げっていう景品を狙ったりする娯楽」
ん。
「わた…あめ。しゃ…てき? ごめん言ってる事が所々分からないけど、本当に転生者だったりして?」
「おうよ! 一から語ってやろうか?」
勢いで頷きたくなる様な、覚えてる様な。曖昧でいる頃にはメイミアの咳払いが響いた。
「んで、アルタイルにも在ったんだよ。ポツンと。だからさ、これも何かの縁だって思ったわけよ」
不貞腐れたミグサに「そこで何があったの?」と眼力で誘導するメイミア。
「そう神社でさ、いつも通りお詣りしていたら本があって。ここに来る人は俺ぐらいのはずだから、変だなと。で、開くと真っ白なんだ。奇妙だった…」
そう言って躊躇いの表情が向けられる俺は「奇妙だし憑かれた関係が分からない」と応えてみる。
ミグサは重そうな口で。
「本は、見開いても書かれていなかった。ただ閉じた瞬間に魔力を根こそぎ持っていかれた代わりに現れたんだ…女神様に送られた時と似てたが。ま関係ないか。何かアイツと魔力で繋がってるみたいで取り憑かれたっていう変な出来事だった!」
「魔力で繋がる…じゃ今は繋がってないんだ」
「解けた感じはした。ただ詳しいことは分からない…」
「なんだか難関魔術聞いてるみたいだ。先生なら知ってるかな」
「……そうだよ。相談以前に倒れてたから焦ったんだ。一体何があったらあの先生が倒れるんだ…」
唐突に「ある意味じゃ俺より
「…。」
「誰かの
「すまん」
「ん?」
謝る俺に困惑するミグサ。
また「本は持ってるの?」とミグサに問い詰める体勢でメイミア。
なお困惑して「まさか…置いてきたに決まってる」との応えに「探した方がいい」と続いた。
「…。冗談だろ…」
メイミアの後ろ姿を伺い、薄ら寒そうなミグサへ「あの位の
瞬きするとメイミアの存在がなく、白い羽根が落ちていた。
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