第33話 遺影の話し
門に到着。下校の姿はなく、小さい生き物が飛んでいく空模様に白装束に白い髪、白い肌?
そんな逆さの人が見える。
足元からはバンと聞こえ「わるい」と、門をよじ登る翔がバックを拾い「遅れたんだけどオカルトって興味ある?」と聞かれもう一度空を見ると逆さの女性らしき姿がなかった。
また「オカルト(って今の)?」と聞いてる時、主事さんが門を開けており「俺さ、オカルト部っていう部員なんだけど夏休みの活動を練ってたらしくて部長から」と説明を進める翔、その背後に拳を作る生徒。
髪を後ろに結いた姿、同い年のクラスバッチ。
凛としたその女の子が手を上げた。
「私から逃げられると思うな‼︎」
前によれる翔。
痛そうな目付きで「ドブス」と向かい合う翔へ「ちゃんと来なさいよ今日の夜だからね」と念を押しており「これ部長、オカルトっていうか。心霊現象とかを写真やら動画に撮影する気味の悪い部活だ」との紹介に「気味が悪いって聞き捨てならないわ、未知よ未知。未だ見ぬ夢のような世界観を収める活動なの。ところであなたは翔のっ?」と若干引きつる部長。
俺は「初めまして。迎え、遊ぶ約束があって」と伝えるが「そうなんですね。そんな…わけ。あれデート?」と混乱を招き「そうだ、家に寄ってから趣味の悪いお前に付き合ってくれる人だ」と補足する翔。
「「えッ?」」
俺は鈍器に殴られたかの部長と食い入る。
「幽霊なんざ生理的に無理だ、人が多い方がいいに決まってる。お願い来てくれシオン! こいつと二人きりで廃墟の病院は嫌なんだ…」
こっちも「嫌」ですが…。
「そう! お手伝いさんが増えるなら歓迎する、部員は皆幽霊化してるし二人で廃墟はいき過ぎてたわ…」
俺の『嫌』を無しにした部長は「神隠しっていう、知る人ぞ知る心霊スポットの中でも二度と出られないで有名なところよ! シオンさんだっけ、どうぞよろしく!」と早速の笑顔で翔の背をバシッと叩きこの場を去っていった。
帰り道から家でも「どういう神経したら廃墟になるんだ、幽霊って何だ、初心者に全然優しくねえよ」と聞こえる。
湯呑みを置いて顔を覆う暗澹が横目に映っていた俺は「化けて来たりして」と遺影に呟く。
そう耽てたら「死人より俺と会話してくれ」と酷くやつれる翔に「あのさ。怪奇現象か分からないけどちょっと前、ある人が教員室に呼び出されたんだ」と対面して「呼び出したのはその人の担任で、お礼に学校の門を燃やしたんだって」と話す。
翔は「門燃やすって、ヤンキーでもそうそうしないぞ」と引き気味の中「ヤンキーが何か分からないけどその後は少女に寄生され。その後翔の兄さんに会ったんだ」と紡ぐ。
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