第60話 望んだ結末
あれから探索した。
幾つかの天体から住みやすい場所を選び。
創生した惑星を軌道に乗せ、太陽の日を受ける炎天下で土地をつくり、建物を築き、資源の苗木は育った。
晴れて宇宙に一つ
「君の掌にいる様だよ」
「貴女の方が速度を優に超えている」
「…クス。地頭がいいって言い換えようか、速度があって避けられないのだから」
「いえ、後天的に身に付けたもの」
戦いは均一に、この身で歩んだ行いが蘇っていく様に国づくりは始まった。
民を迎える日。
当初の指標は資源や必需品の生産、供給の仕組み等。軽い所を促進していく人手を期待した。
「おぉ…蒼く
背に聞こえたのは付き人。
長い時間探していたと、当時の俺はそう振り返り「お帰り。なさい…」とうっとりし、息が零れた。
余りに綺麗というか可愛いらしいというか、数えると五十人になる想像以上の集まりで、見た目の年齢は五から八に見える。
「共に生きたいと付いてくれました。私も捨てたものじゃないなと!」
俺は想定外の幸せを突き出され「学校は?」と伝える。
「作りましょう!」
「はは、先生は?」
「私が教えます‼︎」
「えと。どうやってこの子達のお世話を」
「私達で面倒を見ましょう‼︎」
「どうして、こうなった…」
俺らは木の実に身長制限を設ける事から始まった。
井戸の
決まった朝に起こし、慣れ出す子供達の性格や境遇を知る機会となって、後に学校という文化が生まれる。
教室は
付き人は武術組の講師、俺は魔力組の講師を務め。
この世界の衣食住に関する家庭科だったり、軽い遊びで体力を付ける日課の中に、ますますの成長を
「はい先生。木を切ってはいけないのはどうして?」
「はい。木を切ってしまうと果実は実らない、また、家の材料になる木もあるので大事にしていきましょう」
「はい先生。僕は剣士になりたいです、剣の練習に木を使ってはいけないですか?」
「ん。確か剣の修行は森で行う者もいたらしいし、成長の可能性にいけないとは限らない。よし、隙間時間に教え」
俺は言葉を止めていた。
みな興味津々に聞いている所で、時間が過ぎていると終わらして。
子供達を送り出し、静まった森林で呟いていた。
「剣を使うのは危ない」
「ですが、今後の科目に護身術が備わっていますし、身を守る教育は必須かと」
この日課に親しみを実感し、目を閉ざした。
「争うものにならなければいいが」
「みないい子です」
「ああ。けれど人をまとめるのは難しい印象が」
言いながら遡った過去から現在の光景にポツンと立っている。
さきの質問したリオンだった。
「今教えて!」
「えっ……」
心臓が浮いた声が漏れる。
真っ暗の頭で、教える未来で不幸を誘ってしまうのではないか、などと迷走が膨らんだ。
教育を通し、慎重の壁を、この子達は風の様に擦り抜け、不安感に捉われれば、いつの間にか無邪気さに悩みが吹き抜ける。
再確認すらあっという間だった。
「まあこの人に比べれば可愛いものか」
「何か仰いましたか?」
「いえ別に」
「あと子供の前で比較は良くない」
「はいはい」
「はいは一度で充分です」
俺はしゃがみながらリオンに言った。
「よし、始めよう」
リオンは魔力の剣を創って
俺は首を振り付き人を相手になさいと伝える。
続けて、剣術の実力を観ながら助言すると話していたら付き人は鼻で笑い。
「しょうがないから付き合ってあげてもいいぞ」
休んだ姿勢で
「ねえこれ剣じゃないよ、凄い?」
「世界に一つしかありません」
「うおぉー凄えぇ‼︎」
この手の言い回しは年頃の子に響くんだと学んだ。
無我夢中で振るわれる攻撃をギョッとしながら避ける度に唸っている。
「子供にうおぉ。家宝持たせてなに教え込もうとしてんですか!」
「(命の尊さを知る)社会科見学です」
というのも戦いの基本は臆せば凡そ負ける。
少なくとも今は初めが肝心でありリオンの気が済むまで、長い長い四季はこうして終わった。
朝を迎える。爽やかな午前を送った。今まで通りの授業は午後をもって本格的に移り変わると伝え、昼食後、合同の教室に子供達が席に着く、教卓は俺と付き人。ここで、この世界の初等教育を修了した事から、普通教育に進級する大切な話となっていった。
「改めて進級おめでとう。この記念に一人一人家を贈ります、これからは自分の家から学校に通う生活になるので、遅刻に気をつけて下さい」
思えば学校より先に建てていた家が、考え深い。
俺からは以上とし付き人へ繋げた。
「君達と逢い、過ごす時間は私にとって新鮮でした。戦士としての愉しみから生きる楽しみを知り、君達の成長は私にとっての喜びです。しかし、人生はこれから。この先は選択の自由が増え、難題に打つかり、いつしか夜遊びに
白い横顔に熱が入っている、真っ白の服装からは覆われて見えないであろう後ろからボソっと言った。
「そうなの?」
「そうです、
「違うと思うよ」
「幸い、君達の担任は強い。それだけは覚えていなさい」
「……どんなになっても愛しているじゃなかったっけ?」
「以上だ、またこの様に人の話は最後まで聞くという事も、大人の礼儀だというのは覚えておきなさい」
付き人は瞬時に身を引いた。
俺は改めて教卓の前に立ち「それで、大人でも怒られて失敗する事はよくある。そしてこれから身に付ける学問は多くの挫折を要する」と右腕を真横に伸ばし魔力で創る火炎を掌から放した。
火炎は教室の壁を爆破し粉塵から外の景色が観えてくると、飛び出す様な目の生徒達に。
「これは火です」
「「分かってるよ‼︎」」
みな叫んでいる間に次の準備は整う。
俺はここにいる全生命に
俺の腕が剣で飛ばされる寸前まで。
「これが
教室の壊した壁を掌で仰ぎ、修復しなから「脳の伝達に干渉します。今君達が観たのは俺の想像ですから実態は無傷です。また具現化、今の様に物質の修復などが可能です。但し、あくまで再現です。壊れたものが自動で直る訳ではなく、自分で作り出す知識が必要です」と現実に改めて剣を創生。
「この様に魔力や幻想は便利で、使い方を間違えると死ぬ」
教卓を斬り刻み、半円に回した刃は黒板を裂き斬った。
「剣は命を守る武器です」
繋げて振るい「人に向けて振るえば大怪我だし誤って腕が無くなったとしても軽傷と思える様になります。だってこの剣はひと突きで心臓も骨も貫くのだから」と白金の髪が教室に落ちる。
「俺は先生ですがその前に君らの国王です。ここに立つ俺達はこういう力から守りたい、君らを
この話の趣旨となり核、世界創生の内訳を続ける。
◆俺の魂に地獄の開門契約を結んでいること、これは生命の指導者の義務だということ、国内の生命が力によって死に絶える時この契約は発現すること。
◇契約内容に比例し国民へ還元されること、この国の契約難易度は最高位であること、恩恵は木から成る長寿の実だったこと。
契約を破った結末は地獄ですと、静寂になると思っていたら質問が上がる。
地獄とは何かと、鋭い質問に「短時間で生死を行き来する世界です。永い苦痛で自我が崩壊し、魂が浄化され無になる、苦しい一生を遂げる監獄です。ただ
夕暮れ時。
一人一人に家を渡した俺らは石の彫刻が並ぶ盾の騎士の
魔力組、武術組の授業方針に関する進め方を
「御大は、みな一癖二癖ある者ばかりで、一応はその…知ってはいますが、はあ…」
「うん?」
付き人は真っ青な顔で仕切りに「いつか」と呟いて止まらない。
次第にガッと上げる表情が真っ赤となって「自分で自分の行いを教えるってある種の公開処刑か‼︎」と頭を掻きむしった。
「良いじゃん真実なんだし?」
そう提案すると授業方針の紙を破り去り「こんなもの却下です、行いのよい御大を知り、後のもんは名前だけ知っておけば充分でしょうに‼︎」と付き人。
「…本人が言うなら任せる。それで必須科目の数学は魔力と幻想で法則が変わるから各々で進める。同時並行になる護身術はいずれ合同にする。別次元同士の方が広い視野を持てる可能性が高いとして」
あと「語学も優先度を上げて欲しい。
「あそこはそうそう出入り出来るところでないでしょう。借りた⁉︎」
「知っている人に頼んだ。ある程度の常識があれば入れてくれる」
「一握りの鍵を我々に?」
書きものを折った付き人の言葉で少し思う。昔に盗難が相次いだとは耳にしていたものの、精霊階級の大図書館に辿り着くまで、要塞場の門番に身分の提示を求められた時は焦った。
必要以上の情報漏洩を防ぐ管理の世界として、身内で弾かれる大図書館となっていた事は認知の遅れ、というか寝過ぎていたと反省した。
それで一つ、認知を咎め本を執筆する事にした。
それを取り出し。
「凄いですね、私の師匠は」
「自分のものみたいに言うな?」
「民にも言われました」
机のものを整理しつつ、白い衣服にその紙を抱えている無邪気な笑顔だった。
「みんなの国王ですから」
「だからものじゃねーって」
「えぇえぇ」
「たく、もう少し敬意を」
「はいはい」
「さてはお前不良だろ?」
「暴君でしたから」
「じゃ! 俺は、えと…」
「国王です」
「そう国王。ループしてるしもういいや…」
俺は精霊階級の大図書館について書き記していると、白金の髪がこのページに影を作っている。
「今後の予定は何か?」
「近々守護者と秘書を連れて来る」
「どんな方達を?」
「出身は魔力位と地獄の
俺は集中して綴り、いずれイラストも載せたいなと頭に入れる。そのアイデアが一瞬失いそうになる白い冷気や黒い魔力が床一杯に混じり合う。
「危険な橋をかける必要は」
「ある」
「国王の御目にかかるものでも変な気を起こせば、粉微塵にします」
俺を地獄に送りたいのかと本で叩いた。
同時に殺意の濃い力が消滅し「あと題名付けないんですか?」と本を観察している。
「何とかの書、みたいな?」
旅の楽しみの執筆は出先の妄想が豊かになるし、落ち着いてきたら決めると言って眠くなる。
「まあこの本の完結は永い。
「ええ」
「俺さ、居場所で在り続けられる様に、産まれて良かったって思える様に、そんな国に…したい」
肩に毛布が被さる。
「あなた様のご意志に、この身が潰えても。お休みなさい」
そうして眠りに落ちた。
◆国づくりは順調だった◆
地から発現する二つの流水から宙に飛ぶ女の子を水の
「ふう。グラビティーの効力は限界だ、水を蒸発しても無限大に創生され、強い力で視力は奪えないか」
しかし生命力は跳ね上がり「駄目だシュネーヴィッチェン。許しておくれ」と思考を止めた声。
瞬時に「勝手に攻めおいて増援は許さぬ」と刃を立てるワルプルギス。
「ハッ、そんな事が許される天使はごく僅かだ。精々、今から後悔するのは私らって事を思い知れ」
何処か冷酷な色気を
一帯は鉱物の割れる音。
その二人の対面空気にヒビが入る発生源が連鎖する。
息を吸うと異物が混入しているみたいで、発現者は「この少年は
静まっているその小さい球体は安定か調和か、一瞬で水の牢獄を吸い切ってしまう。
黒い球体は地に降りる体に公転し、掌の空気中を
「少年よ、これはブラックホールだ。それとこの剣に振るわれたら時空がぶっ飛ぶ、どうする?」
周囲が歪む威圧感。
「時間も空間も貴女のものであれば確かに不利だ」
「公平が好みかい?」
「いや」
俺は
剣術を確かめ、三叉槍から受ける反動は致命傷を暗示している。
また歪み斬る光景は攻撃が見にくく、ダブった声が広がった。
「君は何者だい?」
「…」
「言いにくい過去があるのかい?」
「…」
俺は応答しない。
片や「ふーん」と顔に退屈と出ている。
「あくまで視察(が本気)ってことか」と歯冠を噛み締め、桁外れの重力が起こる。
もはや遊んでいたと示唆する一振りで空間を断ち斬り、白い断面が
また桁外れの重力に刃を間一髪躱せたが、標的となったのはヴァレン。
「最期の確認といこうか…この娘が君の最愛…だよね?」
女の子は構える。
「最愛の亡くなる瞬間を観てるといい、それで変わらないなら見込み違いと諦めて、メイミアちゃんを連れ帰る」
俺は一瞬で力量の視察などどうでもよくなった。
今のもてる脚力で俺がヴァレンを抱えた時には、どうかしていた。
気が狂っていたのだと、心臓を貫かれている事が、罠だったと吐血した。
ヴァレンの声が脳裏を駆けている、そう思えば報われる様で──鎖が、壊れていく。
「さて、どうなるんだい。エルヴィちゃん?」
胸の中に風が吹いていく。
体から
裏返る記憶と共に。
黒魔術界を
「ハハハハハッ!」
そうか。
七色の光が天を貫いていく、色を変えて黒い力が噴いていく。
ひと夜の快晴から真夜中に。
頭を抱える。
時間がない。
仰げば地獄の契約紋様が天に。
俺は「メイミア」へ目を配った。
「今まで全部幸せだった。もう大丈夫。避難なさい」
「そんな事したらまた繰り返してしまう」
「すまない。それと天使達。期待には応えられそうにない」
「ヤメてよ!」
「君達の立場上、神の叛逆者を連れ帰る使命があるのだろうが。俺の大切な人なんだ。引いてくれ。代わりに君らの王に伝えてくれ。俺が直ぐ行くと」
オルトロスの言っていた意味が分かってしまった。
だからといって戦争はいけない。
「その提唱が通るとでも?」
「いや、正確には破壊した鎖は八割。そして残りは自身で壊せるだろうし、使命を破棄したければ。もう一度言うよ。君の本気次第だ」
「…分かった」
浮遊し今日一番の落雷に打たれる。
そうして活動領域を順に解放していった。
「レベル一」
俺自身の力の
「レベルニ」
物質は機能を果たさない、よって地上の弱い所から断切し離れていく。空間も同上。
「レベル三」
この活動領域『創生の遡り』は光の
よってアルタイルは俺の存在概念に対して干渉量を上回り原型を遡る段階に入る。
「レベル四」
概念が進化し
「レベル五」
素粒子を培養し新たな創生を司る
「レベル六」
俺の奔流に
「いいね〜今の君は‼︎ 最高にブッ飛んで…でもまだ残滓が邪魔してるみたいだ」
好奇心が昂る様子や真っ黒の剣が共鳴の音を鳴らして歪みの存在を強くしている。
その剣を突き向け「手伝おうか?」と女の子。
「辞めろ!」
「ここままじゃ惑星が消滅する」とシュネーヴィッチェン。
俺の奔流と同等量以上に持ち上げる女の子の存在、その力がさきの様に貫き、交われば、アルタイルは超新星爆発となろう。そこまでは分かっているが、全生命の場所は取って分かる。
環境が変わるのは悪いが、最悪別の世界に転移させるつもりだ。
「早急に聞きたいが、その様子じゃ答えてくれないか」
「だってまだあるんだろう?」
「レベル…七」
「見定めてあげる」
構える女の子。
刀身を顔の前に持って向かう瞬速の攻撃は、しなやかに降り掛かり。
ヴァレンの「…嫌だ」との声や「ヤメろバカ‼︎」との怒鳴り声が馳せる。
黒く溶け出す視野が、狭く、歪みを重ねた。
俺は三叉槍を振りかざす。そのつもりで覚悟する。
全生命の転移と一撃に力を込め。
「シュネーヴィッチェン。舐めすぎ」
真っ黒の剣に三叉槍が当たる、はずだった。
俺の横を過ぎる背高い男、赤い髪、その手に持つ剣の一振りで、女の子の剣が砕けている。
「お願い…生きて…」
俺はメイミアに抱きしめられていた。
「兄弟…」
その言葉が記憶の最後となる。
地獄の開門が消失し、奥底の鎖が再生、何もかも忘れていく。
朦朧と映るは赤い髪が肩に流れる会頭と、メイミアに支えられ地に降りた。
女の子は折れた剣を観察して「お陰で…後任せずに済みそうだ」と無防備の姿。
俺は目を開ける余力が失せ「本当に、これがお前の幸せなのか」と聞こえる。
鼻をすすって「あったり前じゃん」の声に姿が頭に浮かぶ。
「後を頼んだよ!」
俺は強引に目を開けた。
余り集点が合わない奥に、三人いる。
内の女の子が尊く告げた。
「あたしの名はホーロラル ラム・
ホーロラル ラム。それがこの場みんなに衝撃を紡いだ。
「折角の機会を、ごめんね。あたしの本領はアルタイルで発揮できない。単純に
ラムは笑顔で消失した。
白い肌の人は息を置いてメイミアの肩に触れる。
嵐が過ぎたかの眩い光が二人を選び、共に居なくなった。
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