第23話高級レストラン
「ふぁあわ、ガチ眠い……」
「ほら、蓮。しっかりと食べろ。せっかくお前の金で良い所に来たんだから」
そう言いながら食後のデザートを山盛りで取ってきた父さん。
あの、それデザートしか入ってないけどもう3回目だよ?主食系入れたら6回目よ?そのいい感じに引き締まった体のどこに吸収されてんだよ……。
「父さんは食い過ぎなんだよ……」
「いやぁ、息子の金で食う飯はうまい!」
「すごく最低なことを口走ったな……」
「弟の金で食べるご飯はおいしい!」
「奈津ねぇ……太るよ?」
「蓮くん!夜覚えとけよ?」
「か、隠しきれてないです……すいません。ガチですいません。」
「もぅ!蓮くんったら、女の子の前で体重の話は禁句だよ?」
「奈津ねぇにそのテンションで言われると吐き気しか沸かないのですが…」
「まだ言うのか、蓮……お前すごいな、謝ればいいのに……」
「「浮気した人は黙ってて!」」
「た、く、み、さん?」
「いや、してないから。俺は沙羅さん一筋だから。ちょっと沙羅さん?それは俺が取ってきたプリンなんですが?」
「これで許す」
「なら私もこのゼリー貰いー」
「おい、奈津。はぁ、まぁいいよ。俺はまた取ってくるから」
「そう言えばプリンはもう在庫ないって」
「沙羅さん、一口、一口だけくれない?」
「無理です、これは私のです」
「俺が取ってきたやつだよね?一口ぐらい食べる権利あるんじゃないかなぁーあっ」
「ありがとうございます、拓海さん。めちゃくちゃ美味しかったです」
「父さん、これで浮気に関しては許してくれるって」
「お父さん良かったね」
「浮気してないのに……」
「キャバクラ」
「会社の後輩」
「いや、待って。キャバクラは、行ったけど後輩はありえないから。こんなおっさんに良いとこなんてないから」
「だって、お母さん、乗り換える?」
「そうねぇ……」
「そうねぇじゃないでしょ沙羅さん。ガチで洒落にならないからやめて」
「ふっ、ほら。奈津もやめてあげなさい。楓が起きちゃうから」
「楓は寝るの早いよね……もう高校生なのに」
「楓、めちゃくちゃ可愛いよ。何かあったらお兄ちゃんが守ってやるからなぁ……」
「お父さんも楓になにか悪いことがあったらその根源をぶっ潰すからずっと家にいていいんだぞー」
「うちの男はバカしかいないのかな……」
「こら、奈津。あなたも楓に何かあったら悪の根源をぶっ潰すでしょうが。そろそろ時間だし帰るわよ」
「それはそうなんだけどさ……」
「そうなのかよ……」
「だって蓮。楓よ?あの純粋無垢な少女よ?あれを穢す奴が居たとしたらぶっ潰すでしょ?」
「うん。幸にも協力してもらってぶっ潰す」
「神野くんに頼むのはやりすぎだと思うよ、父さんは」
「「やるなら徹底的に」」
「やっぱり奈津と蓮は姉弟だわ。息がぴったりすぎる。そう言えば母さんたちはいつ帰るんだ?」
「明日の夜中の便で帰るって母さんが言ってた」
「えっ、楓と奈津ねぇ明日帰るの?もう少しゆっくりしていけばいいのに」
「いや、普通に毎日大学あるから……あんたみたいにニートじゃないから」
「俺はサッカー選手ですー」
「そうね、年俸2億のサッカー選手だったわね……これが才能の差か……」
「いや、なんで奈津ねぇ俺に破れたみたいになってんの?バリバリ実家生活楽しんでますやん」
「楓が毎日可愛くて良いわよ、今までずっと蓮に楓が取られてたからね。テレビ見てるときも蓮の膝に座りに行ってたし」
「うん、昔の楓も可愛かった……」
「じゃあ蓮、楓を車までお姫様抱っこでもして運んであげなさい」
「了解です。お母様」
「ガチでお姫様抱っこするの?」
「おんぶだとスカートめくれない?」
「普通の抱っこでいいでしょ……」
「それもそうか……ほら、楓ー蓮にぃが運んでやるからおいでー」
「むぅ……蓮にぃ抱っこー」
「はーい、よしよしよし。」
「くっ、私に筋力があれば……」
「まぁ、奈津ねぇは今のままがちょうど良いでしょ」
「なぜ、なぜ父さんは運んだらダメなんだ……」
「ちょっと犯罪臭が……」
「いや、実の娘だよ?」
「やっぱり、ちょっと、ねぇ……日本人はロリコンっていう……」
「かわいいは正義!」
「ちょっと俺いま大事な時期だから事案起こさないでね父さん」
「私も大学生活中に家族が逮捕とか、信じられないからやめてね」
「俺の味方はいないのかよ……」
「40超えてる人がかわいいは正義って町中で叫んだらそりゃあキツいよ」
「さすが私の弟。私の言いたいことをしっかりと言ってくれる」
「父さんめちゃくちゃ心に傷を負ったんだけど」
「「知らねぇー」」
「お前ら……」
「蓮にぃまだぁ?」
「楓ごめんな、もうちょっとだからお兄ちゃんの抱っこで我慢しててくれなー」
「ずっとこのままでも良いよ?」
「ぐはっ」
「蓮。しっかりしろ。寝ぼけた楓の攻撃力は1億超えてるからしっかりと耐えるんだ。お前が落ちたら楓も落ちるんだぞ」
「うん、奈津ねぇ。破壊力がえげつなかったわ。楓を支えてる腕が一瞬ガチで力抜けそうになったもん」
「私もこの前蓮とパソコンで電話した後準備してたときに急に楓が寝ちゃって私に色々言ってきてくれたときは死にかけたわ」
「「まぁ、楓は可愛いからしかたないよね!」」
「じゃあ父さん車前に出すから待っててくれ。楓を抱えながら乗るのは流石に蓮でもキツイだろ?」
「うん。流石にキツイわ。ここに待っとくね」
「奈津は先に乗っとくよな」
「いや、楓のほっぺたぷにぷにしとく」
「はぁ……程々にしとけよ。ちょっと待っとけ」
「楓は可愛いなぁ……」
「奈津ねぇも美人だよ」
「弟に言われても全然嬉しくない」
「さいですか……」
「母さんは支払い行ったよね?」
「お母さん4か国語ぐらい話せるから大丈夫でしょ。お金たくさん持ってきてたし。あっ、メールきた。えー店前まで車持ってきてだって」
「俺らが乗ってから行けばいいでしょ」
「それもそうね」
そして横から1台の車が。
「ほら、乗ってくれ。沙羅さん待たせたら父さん後でどんなことになるか想像がつかないからすぐに行くぞ」
「「了解」」
そして俺達は父さんが運転している車に乗り、楓は俺と姉さんの間に挟まって座りながら器用に寝ていたがずっと俺と奈津ねぇの遊び道具にされていた。母さんが俺と変わりたいと駄々を寝ている楓を、見てこねていたが絶対にこの席はわたさんと俺は楓の隣の席を死守していた。そして最後に一言。「楓が可愛すぎるのが悪いんじゃ。かわいいは正義!」
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