第54話 バブル戦に向けての練習
「はっ、はっ、はっ」
腿上げ、腹筋ローラー、言い方は少しあれだけど、反復横跳び。
俺は、バブル戦に向けてのトレーニングをしていた。
「蓮、今日は一段と気合入ってるな」
「ああ、ナルダも調子良いんじゃないか」
「まぁ、モッブさんとスタメン争いしてるからな。前半戦ももう半分すぎるし、頑張りたいと思ってさ」
「そうか……」
俺はナルダと話をしてもう一度体力アップトレーニングを再開する。前半戦も折り返し。次のバブル戦が終わったらすぐにまたオリンピアとの試合か……。やっぱ、ハードなスケジュールになるな。
軽くこれからのことを考えていると、我がレヴェルの最古参パブロが話しかけてくる。
「おい、蓮。クック監督がお前を呼んでたぞ」
「ん?了解。ここまで伝えに来てくれてありがとうございます。先輩」
「……。なぁ、ナルダ。俺、蓮から先輩って今言われたんだけど夢かな?それかもしかして俺明日ぐらいに死ぬのかな?」
「れ、蓮がパブロさんを先輩呼びしただと!?」
「なんでただ先輩って呼んだだけでそこまで思考がいくんだよ……」
「いや、だって蓮だぞ?あの蓮だぞ?レオにすら、敬語を使わなかった蓮だぞ」
「いや、あの頃は少し調子乗ってただけで敬語ぐらいは使えるから」
「ま、まぁ、蓮から先輩呼びされる日があっても良いじゃないですか」
「そうだな……寒気しかしないけどたまには良いかもな」
「はぁ、えっと、クック監督が俺を呼んでるんだよな?」
「ああ、バブル戦での事を話したいらしくてな」
「了解。じゃあちょっと行ってきますね」
「おう、早く行ってこい」
そして俺は遠くから選手の練習状況を見ていた監督の元へ行く。
「監督、用事ってなんですか?」
「ああ。少し次のバブル戦で注意しないといけないことを話さないとと思ってな」
「注意ですか?」
「ああ。バブルはエースのクリスが別チームへ行って弱くなったと世間じゃ言われているし実際弱くはなったが弱いと言ってもレヴェルだったり、チーナよりは遥かにレベルが高い。蓮、言っておくがバブルの攻撃力はオリンピアより劣るがそれ以外はオリンピア以上だ」
「バブルの選手ってスタメン全員が国際大会に呼ばれますよね」
「ああ。ただ、ブラジルとかアルゼンチンの選手は競争率が激しすぎるから毎回呼ばれるような選手は少ないけどな」
「でも、国際大会常連の人たちが本気でチームになったのがバブルなんですよね」
「ああ。国際大会のための即席のあまりチームプレーもままならない奴ではなく本気でチームプレーが凄い所だ」
「監督、でもバブルのフォワードに強い選手がいたと記憶が……」
「奴だよ。あの国際大会には出ないけど、びっくりするフィジカルと闘争心をもったカリムが居るだろうが」
「でも、ゴールランキングではそこまで……」
「奴は怪我をしていて最初はそこまで出れて無いんだよ。オリンピア対バブルの試合だって、カリムが入ればどっちが勝っていたか分からない。ただ、これだけは言っといてやる。次のバブル戦。お前とカリムのゴール対決になるぞ」
「そこまでですか」
「ああ。カリムはアルゼンチン代表に選ばれることは少ないが比較対象があのレオやゴンサロ、ディバラだからな。あの三人が居なければそく代表入りだ」
「カリムですか……」
「まぁ、バブルはチーム力が凄い所だから守備とか、MFもやばい選手がたくさんいるんだけどな。まぁ、簡単に勝つ方法は赤井、お前がバブルより点を取ればそれでいい」
「脳筋理論ですね」
「まぁ、これでも昔は脳筋でバカなサッカー選手だったからな」
「監督の選手時代の話も聞きたいですが難しい体制からのシュート練習してバブルとのゴール対決勝てるようにします」
「ああ、頑張れ」
そして俺は、ラファたちディフェンス陣に協力をしてもらい練習をし、バブル戦に備えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます