第6話 ダニエルとお父さん対面 4人で鳥かご
「じゃあ、蓮行くぞー」
「あーい」
次の日、俺は父さんと一緒にダニエルに会うために公園に向かっていた。
「ヤバいぞ蓮、ダニエルに会うと思うと緊張してきた……ダニエルさんって言わないと」
「まぁ、落ち着いて父さん……めちゃくちゃ優しい人だから」
父さんがダニエルに会うのを恐れてなのか震えている。
やべぇな……ダニエルに「座っとけ、老人」とか普通に暴言吐いてるんだけど俺……嫌な予感しかしねぇよ……。
するとダニエルのクレープ屋が見えてくる。
「おっ、あのクレープ屋か…」
「うん、お客さんは……並んでないな。おーいダニエルー」
「ん?おっ、蓮か……それと蓮のお父さん……こんにちは、今回蓮のエージェントを志望しました。ダニエルです。よろしくお願いします。」
「こんにちは、蓮の父親の赤井拓海【あかい たくみ】です。蓮のエージェントについて聞かせてもらってもいいですか?」
あって突然ダニエルが急に仕事モードに入ったかのように真面目に話し始める。
「ええ、そこに椅子があるので座りましょうか。少し長い話になりますし」
「そうですね」
ダニエルは俺と父さんが座ったのを確認するとまた話し始める。
「まぁ、蓮もしっかり聞いとけよ。まずエージェントって言うのは会社で言う営業のようなものです。」
「営業?」
「はい、例えばですが他のチームに移籍したい時などは蓮はこんな記録を残しました、こんな事ができます。背番号は何番でポジションは〇〇希望です。って感じにクラブ関係者と話を進めるんです。」
「だから営業なんですね……」
「他にもあります。例えばゲームやファッションメーカーの広告塔になるサッカー選手を知っていますよね?普通はクラブを通して蓮にいくのですがその時に俺、エージェントと受けたほうがいいだとか、アドバイザー見たいな感じで話をすることも可能です。」
「それだと蓮の希望が……」
「だからエージェントは大事なんですよ。そもそも広告塔の話とかエージェントが関わらなくても良いんです。クラブのスタッフがほとんどやりますし……エージェントが本当に関わるのは日本代表に選ばれる時とかクラブとの契約の時ぐらいなものです。」
「それじゃ、ダニエルさんは…」
「はっきり言って蓮は世界1のプレイヤーです。そんな彼が1番良い成績、選手生活を出来るように支えたいと思ってしまったんです。」
「そうですか……ダニエルさん、サインいいですか?自分、ダニエルさんのファンだったんですよ」
「え?別に良いんですけどエージェントの話は?」
「ああ、拒否なんてしませんよ、そもそもダニエルさんは現役の時から評判が良かったですし、そもそも蓮が認めてたぐらいですしね……」
「そうですか……自分は勝手に蓮のエージェントになるとか言っていたので反対されるかと…」
「まぁ、少しびっくりしましたけどそもそも子供が決めたことに親が反対しませんよ……流石にコワモテの兄ちゃんが来たらおっとこれはやばいなと思いましたけどね」
「素晴らしい考えをお持ちで……蓮、良いお父さんだな」
「自慢の父さんだよ、ダニエル」
「やばいな、息子から褒められると嬉しい」
「蓮に気を使われると嬉しいですよね」
「ええ、でもその後に皮肉だとか言ってツンツンするですよね」
「おっ、分かりますかそうだ、俺はダニエルでいいですよ、お父さん」
「じゃあ、自分も拓海って呼んでください」
あれ、なんか嫌な気配が
「そう言えば、蓮とはどうやって会うったんですか?」
「あーそれはですね、サッカーの練習してたから、一対一やろうぜって言った時に」
「あーーー、ダニエル、ステイ」
「蓮が、俺に対しては?おっさんが相手になるの?って」
「ほうほう、蓮、家に帰るのが楽しみだな」
あぁァァァヤラれたァァーー家に帰れねぇぇーー
「はい…」
「蓮がこの世の終わりみたいな顔をしてるんですけど……」
「親の貫禄とダニエルの現役時代の話でも聞かせてやろうかと」
「おお、蓮に自分の凄さを教えといてください、昨日の試合で俺を抜きまくって10点決めてた時に老人は」
「ちょっと待ってえぇぇぇー」
「老人は座っとけって……」
「ホントに家に帰るのが楽しみだな、蓮くん」
「やべぇよ、蓮くんとか呼ばれるときは死刑宣告じゃないか」
「蓮、きっちり絞られろ」
「ダニエル……覚えとけよ…」
「コラ、蓮くんまだわからないかな」
「はぁ、ダニエル。レヴェルの人が色々話したいって」
「ああ、了解。拓海もついてくるか?自分の息子のこと知りたいだろ?」
「いや、いいよダニエル。俺は蓮から結果だけ聞くよ。」
「了解、めちゃくちゃいい契約にしてくるよ」
「ダニエル、蓮のこと頼む」
「ああ、拓海」
そしてお父さんとダニエルはガッツリ握手をした。
なんか知らないけど、おっさんたちの友情が芽生えてる……まぁ、お父さんとダニエルが仲良くなるのは良いことだよな、うんうん
「はい、おっさんの友情は良いから腹減ったの、ダニエル、クレープ」
「わぁーったよ、ちょっと待っとけ」
「蓮……お前ってやつは……」
「腹が減るのは仕方ないよね!」
「アホの子になるんじゃねぇよ、急に」
「ダニエル、人には目の前のことを見ていられない時があるんだよ」
「生意気だな」
「ホントにうちの蓮が生意気ですきません、ツンデレなんです」
「ホントにツンデレのデレの要素をもう少し上げろ」
「ツンデレじゃねぇーし、普通です〜」
「おっ、デレてる」
「息子がデレてる……久しぶりに見たわ」
「あぁ……もう良いだろ。クレープくれ」
「はいよ、蓮」
「ありがとーございまーす」
「ほら、拓海も」
「おっ、ダニエルありがとう」
「良いってことよ、蓮。また連絡してくれや、いつでも大丈夫だから明日でもいいぜ」
「了解」
リーナさんはなんていうかな、聞くだけ聞いてみるか
「おっ、このクレープ美味しい。」
「父さん、わかる?ダニエルのクレープ本当に美味しいんだよ」
「おっ、俺のクレープを褒めてくれるのか、嬉しいな」
「そうだ、鳥かごでもやらない?名前違うかもだけど」
「鳥かご?」
「中に一人入ってその人にボール渡さないようにするやつだよ」
「あーあれか……3人はきつくね?」
「ナルダがそこにいるじゃん」
俺は遠くにいる昨日、俺のことをお前は化物だと最初は仲が良かったのに最後はガチ引きしていた人を指す。
「あー昨日のミッドフィルダーの子か。まぁ、いいんじゃないか」
俺はダニエルの答えを聞くとすぐにナルダに話しかけに行く。
「昨日の……」
「なぁ、ナルダ。一緒に箱庭しようぜ」
「ん?蓮か……」
ナルダは少し困ったように考え込んだ後、
「いいぜ、ちょっと昨日は引いてごめんな、ホントに凄すぎてさ」
「まぁ、いいよ。父さんーダニエルー」
「はいはい」
「店閉めるから、ちょっと待て。そう言えば拓海はサッカーできるのか?」
「息子にしごかれて」
「あーそれはキツイ」
「ただの会社員なんですけどね……」
「どうしてスペインに?」
「なんか、新しく建てた会社のシステムを少し」
「大変なようで……」
「ほら、ダニエル、父さんー」
「行きますか…」
「ですね、今行くぞー蓮」
そこから4人は蓮のテクニックにただ翻弄されるだけだったという。
「くっそ、蓮からは取れねぇ、拓海すまん」
「あっ、ダニエル……ナルダ君ごめんね、蓮は無理」
「ちょっ、くっそ。俺は諦めねぇぞ、蓮」
「ほい、ほい、ほいっと」
巧みなボールコントロールで蓮はナルダを翻弄する
「くっそ、ダニエルさんすいません」
「あっ、ナルダー」
おっさん2人と少年2人の箱庭は夕方まで続いたという
「父さん明日は筋肉痛だわ…」
「拓海もか……俺もやばい…」
「おっさん頑張れー」
「「生意気すぎる……」」
……………………………………………………………
ようやく次の話で蓮の年俸が決まる……普通の1年目のシーズンの年俸ってどうなんだろうな……今のところ5億円にしようとしてるけど…んーまぁ調べます。次はいつかなー。ではまた
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