第16話 妹が可愛すぎる件について

スペインリーグ第一節の前日、俺は練習が終わってすぐに父さんと一緒に国際空港に行き、駐車場を彷徨っていた。

「蓮、お前が少し遅れたせいで止めれる場所ないんだが……。遅れたら俺が沙羅さんになんて言われることか……」

「少し着替えてに時間がかかったんだよ。で、え?まだ許してもらえてないの?」

「あなたから女の匂いがしたらね?って言われて終わりだったよ……もう空港についてそうなんだが……」

「降りるまで時間あるし大丈夫だよ。楓可愛くなってるかな……」

「このシスコンが……家族と会うの久しぶりだな。父さんはお前がいなかったらあと1年はみんなと会えてなかったもんな……」

「あー泣かないの。ほら、あそこ空いてるよ」

「ん?ナイスだ蓮。よし、じゃあ止めてすぐに愛しい家族の元へ行くぞ」

「奈津ねぇも美人になってるかなぁ」

「こっち来てからほとんど経ってねぇだろうが。」

「それもそうだけど……あっ、ねぇ、父さん。車止めたら右前見てみて」

なんと、右前には飛行機に乗っているはずの母さんが怖い目で立っていたのだ。あれ、奈津ねぇと楓はいないか……トイレでも行ってるのかな?

「ん?完璧に止めれ…………ふぅ、蓮。来世でな」

「簡単に諦めないで。父さん、ま、まだ行ける。出た瞬間土下座すればまだ命は助かる」

「いや、俺はもう無理だ。蓮、強く生きろよ……」

「ギャァァァこっちキタァァァ」

母さんはその怖い目のまま、この車に近づいてくる。「お、落ち着け蓮。多分ヤラれるのは俺だけだ。お前の命だけは守ってやる。俺は何をやらかしたんだ……」

「コンコンコン」

「ねぇ、父さん。窓が叩かれてるんだけど……だ、大丈夫話をしよう。相手は人間だから」

「お、おう……」

「やっと開けた、たくみさん?」

「蓮、ここまでみたいだ。」

「母さんがめちゃくちゃ笑顔だ……もう無理だな。父さん、来世で」

「ああ、来世でな」

「あんた達、何アホなことしてんの。ほら、早く乗せて、お父さんはかばん後ろに乗せるの手伝って」

「ん?遅れたのを怒ってるわけではない?」

「遅れてないわよ、蓮。時間ぴったし、母さん達は空港で買い物したかったから少し遅い時間を伝えてたのよ」

「「え?」」

「沙羅さん、つまり俺は何も言われない?」

「まぁ、何も言わないわ」

「よ、良かった……蓮、俺寿命伸びたみたいだ」

「そうだね……父さん、俺にも飛び火さて来そうだったから良かったよ……」

「蓮も父さんもいい加減にしないと怒るわよ?」

「はい、荷物運ばせて頂きます。沙羅さん。」

「ねぇ、母さん。奈津ねぇと楓は?」

「ああ、奈津と楓は空港の中で待ってるわ。外は少し寒いし」

「ああ、了解。」

「じゃあ、私は呼んでくるからこの荷物お願いしますね」

「はい、承りました」

「父さん尻に敷かれすぎ…」

「蓮、考えろ。俺と沙羅さんはこの頃会えていなかった。ここで従順にしてないといつ捨てられるか分かんないんだぞ」

「捨てられるって……」

「俺は沙羅さんが離婚届を持ってきたら死ねるからな」

「愛が重い」

「言っとけ言っとけ、そんぐらい思わないと結婚なんてしないんだよ俺は」

「そうなんですかね、じゃあ俺も手伝うわ」

「そうだそ、早く車から降りてきて俺を手伝え」

「了解、了解」

「沙羅さんの荷物は終わりっと」

「俺、車から降りなくても良くなかった?」

「お前の可愛い妹とキレイな姉が残ってるだろうが」

「そうだね、美人なお姉さんと美少女の妹が残ってるね」

父さんと話をしていると母さんと楓、奈津ねぇが空港から出てきた。

「ま、また蓮にぃが美少女って」

「ほら、楓照れないの。蓮、久しぶりー」

「おっ、楓と奈津。元気にしてたか?」

「うん、元気にしてたよ。キャバクラ行ったお父さん?」

「な、奈津。それは終わったからほりかえさないでくれ……」

「パパ久しぶり!」

「おお、楓。父さんの癒やしは楓だけだぞー奈津と蓮は父さんに意地悪してくるからなぁー」

そう言ってお父さんは楓に抱きつく。

「パパ、お願いだから抱きつかないで……ちょっとキツイ」

「ぐはっ」

父さん……無念。

「たくみさん、楓はもう高校生なんだから。少しは考えなさい、多分一緒に服洗わないでとか言われるわよ」

「そ、そうだね。沙羅さん、じゃあ、楓と奈津の荷物もって…あれ、もうない……蓮流石だな」

「いや、奈津ねぇに顎で使われた」

「お前も将来尻に敷かれるタイプだな」

「まぁ、それでも別に」

「蓮、私と結婚しちゃう?」

「奈津ねぇとは法的に結婚出来ないのでお断りさせていただきます」

「ん?法的にだから、他に問題がなければ……」

「まだ、人生の墓場に行きたくないのでお断りさせていただきます。」

「もう、釣れないなぁ……早く家見に行きたいから行こ、」

「蓮にぃ、奈津ねぇと結婚するの……わ、私はどうしたらぁ…」

楓ちゃん!?ガチ泣きですか?えっと、えー

「楓、何言ってんだ。そんなわけないだろう。俺は家族とは結婚しない。だから、大丈夫だよ」

「結婚しても私の蓮にぃでいてね?」

「おう」

楓可愛すぎる、蓮にぃって呼んでくれてるし……。

それに私の蓮にぃって……うちの妹が可愛すぎるんですが……。

「楓、蓮にぃって呼ばないんじゃなかったの?」

「もう、なんか会ったらどうでも良くなっちゃった」

「楓マジ天使」

「ああ、蓮。それには父さんも激しく同意するぞ」

「うちの男は馬鹿ばっかね…」

「あら、奈津は楓に嫉妬?」

「ち、違うよ母さん。ほら、早く行こ」

「そうね、ほら。私、疲れてるからたくみさんー」

「はい、ただいま。蓮、楓後ろに乗れ」

「「はーい」」

俺はその後ただひたすらに可愛すぎる楓のほっぺたをぷにぷにして遊んでいた。

いや、だって蓮にぃ〜とか言うんだよ?もうね、止められない。可愛すぎるもん。まぁ、奈津ねぇも最終的には楓は可愛いなぁ、なんでこんなに綺麗な心の

まま、高校生になったんだか……ちょっと学校が怖いな…私が免許取ったら楓の高校に……とか本気で言い出したのでまぁ、楓の可愛さには誰も勝てないということで。

「着いたぞー」

「むにゃ…もうついたぁ?」

「ああ、楓。家についたから降りるぞー」

「蓮にぃおろして」

「はいはい、ほら、こっち向けー」

「んー」

そして俺は楓をお姫様抱っこして玄関へ

ん?私は紳士だし兄なので何も反応しませんよ?俺でも流石に家族には欲情しねぇよ。

「ん?デカイ」

「楓、家のデカさにびっくりして目が見開いてるよ。でもこれはでか過ぎでしょ……」

「お母さんもこの大きさは想像してなかったわ。」

「そうだろ、これ母さんのおじいちゃんが買ってくれたんだぞ」

「じいじが?」

「ああ、じいじが」

「今度会いに行ってあげないと」

「そうね、楓が会いに行ってあげたらじいじも喜ぶわ」

「うん!」

やべぇ、家の妹が可愛すぎる件について……これもうサッカー小説じゃなくて妹萌小説で良くね?良くないか……。

「蓮、あなたの部屋に案内しなさい」

「ん?俺の部屋?何するの、奈津ねぇ」

「ちょっとトレジャーを探しに……」

「ないよ?何スペイン来て始めにすることが弟のトレジャーを探すことなの?馬鹿なの?」

「いや、ちょっと蓮が何で致したのかなぁと」

「ちょっと、楓がいるからその話はやめて」

「ん?蓮にぃ、トレジャーってなに?」

「えっと……それはだな……」

エロ本です。だなんて言えるわけあるかぁぁ。えー

「とてもとても大事な写真とかのことだよ。男の子の人生を生きる支え、生きる希望になってくれるものなんだ。」

「へぇ……私にとっての蓮にぃとの写真ってことだね」

んーそれはいけない。ちょっと閃いてしまうからそれはいけない。

「ちょっと違うかもしれないけど。そんな感じだよ」

「安心しなさい、蓮。私にとっても蓮の写真よ」

「いや、奈津ねぇ。それは本当に安心できない。ガチで夜寝れなくなっちゃうから」

「冗談だよ、冗談。」

「楓ー奈津ー荷物の整理するわよーいつまでも玄関にいないで上がってきなさいー」

「「「はーい」」」

そこから俺たち家族5人は家族団らんを楽しんだのだった。

「明日か……いつも通りだ。俺を止めれるやつなんていない。大丈夫。勝負は2年後シーズン2回目。それまでに結果を残す。大丈夫だ。ラファエルにだって通じたじゃないか。ナルダやターロスを信じろ。おけ、今は体を休めるか……」

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