ゴールで世界を揺らせ

さくらかるかん

プロローグ

第1話 転勤

2020年突如として1部リーグに現れた日本の少年の初登場の結果は2アシスト3ゴール

17歳の少年の初登場にしては出来すぎていた……


親の転勤で俺、赤井蓮は海外へ行くことになった。

地元の高校に通っていたが海外の高校に行く気は無かったので退学。

中退の2文字が履歴書に付くのは嫌だったがもしあれなら深夜学校にでも通えばいいと考えていた。

親の転勤で来たのはスペイン。

サッカーが盛んな国だ。

俺は子供の頃からサッカーをやっていた。

地元の選抜チームに呼ばれることもあったがある女性にうちのチームに来いと言われてからは行くことはなかった

「まぁ、あの人とはあれから会えてないけど…」

「ん?蓮、どうかしたか?」

「ただの独り言」

「そうか、もう少ししたら着くからな…」

今はこのスペインで住む家に父と車で移動中だ。

本当は父1人で単身赴任の予定だったんだが俺が無理を言ってついて着させてもらった。

姉は20歳でもう立派な成人だが大学に通っていて実家暮らし、妹は今年でJK、という日本のお兄さんたちがいてもたってもいられなくなる肩書きを手に入れた。 

まぁ、あの2人は家族の贔屓目をなしにしてもすごく美人なので一緒に住んでいる俺は友人からよくからかわれていた。

ん?母さん?めちゃくちゃ綺麗だよ?

はっきり言って鬼だけど…あれ、なんか寒気が……

「蓮、着いたぞ」

「はーい」

「この家が今から俺らが暮らす家だ。」

「デカくね?」

「会社の経費様々だな。」

「経費で落ちるのかよ…」

「だって、会社で1番の営業成績を持ってんだぞ、急な海外転勤を言ってきた上からしてみたらご機嫌取りをしないと辞められないか心配なんだよ」

「たかが営業にご機嫌取りって…」

そう俺が言うと父さんは頭をかきながら、

「まぁ、お前の爺ちゃんが気を利かせてくれたんだよ」

「爺ちゃんヤベェ…」

「ほんと父さんもあの人には叶わねぇわ、母さんを嫁に貰いに行ったときマジで死にかけたからな…」

「お疲れ様です」

俺の爺ちゃん。まぁ、母さんのお父さんなのだがめちゃくちゃ凄い。今、父が勤めている会社の会長だ。その爺ちゃんは僅か一代にして日本の首都、東京にデカイ本社を持ち地方にもたくさんの支社があるまでに会社を成長させたのだった。だからこそ、娘への愛は凄くてテメェにうちの娘は任せられん!!って何度も父は返されたのだとか。

「まぁ、ホントにあの時引かなくて良かったわ、可愛い娘と生意気な息子もできたしな」

「生意気で悪うございましたね」

「まぁ、早く入るぞ」

「了解」

家の中は新築と言ってもいいぐらい綺麗だった。

「流石に掃除してあるか……。蓮、部屋割どうする?俺はここで良いんだけど」

父さんがリビング隣の部屋を指して言う。

「じゃあ、俺は2階でいいわ」

「了解、まぁ改めて見ても広すぎだよな…父さん落ち着かない」

「俺もだわ、日本の家より大きい気が」

「そりゃ、都内と比べたら土地は安いかもだけど…」

「「デカイよな」」

二人でこの家の感想を言い合っていると家の中に置いてある大きなダンボールの山に目が止まる。

「父さんこれからベットの組み立てとかするけど蓮はどうする?」

「自分の部屋作るわ」

「父さんと一緒か、まぁ気をつけるんだぞ」

「了解」

荷物整理などを終えると外は暗くなり、夜になっていた。俺はすぐに荷物整理が終わったのでサッカーゲームをしていると下から声が。

「蓮、飯食うぞー」

「ちょっと待ってー、セーブするからー」

そう俺が言うと父さんが驚いたように

「こっちでも普通にゲーム出来るんだな」

と口にする。俺はあれ、共通認識でしょ?と言わんばかりに「そりゃそうでしょうよ」と返す。

そこから俺は下に降りていき父さんとご飯を食べる。すると、父さんが話しかけてきた。

「蓮、明日どうする?父さんはこっちの会社の人たちに挨拶に行くけど」

「んー家でぐーたらしとくわ」

「おっ、ニート生活満喫しますか」

「公園に行くんでニートじゃ、いや、ニートか?」

働いてないからニートなのか?でも俺はまだ高校生だし……中退したけど。

「まぁ、程々にしとけよ」

「了解」

「じゃあ、早いけど父さん寝るわ、明日早いし」

「了解、皿洗っとく」

「ありがとな、じゃあお休み〜」

「お休み〜」

父さんが自分の部屋に戻る

「本当に来ちゃったなぁスペイン…」

1年以内にあの人に会えるといいなぁ…電話すればいいんだけど…。

俺がどれだけ通用するかも分かんないけど、やれることはやって来たつもりだ…頑張れるだけ明日からも頑張るか

そう俺はまた決意をする。

幼い頃にした約束に終止符を打つために


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