第10話 会見

「コンコンコン、監督、蓮くん時間です。」

「よし、じゃあ蓮。行こうか。」

「はい、監督」

そうして俺たちは会見をする会場へ……

そこにはびっくりするような数のマスコミの人達にがおり、大半を日本人が占めていた。

「蓮くんには莫大な経済効果が期待できるって言ったでしょ?」

「確か2日ぐらいしか経ってない気がするんですけど…」

「さすが日本人よね。私は来ても2、3人だと思ってたから本当にびっくりした」

「意外と話題性あるんですね…」

「そりゃあ、どこの下部組織にも所属してなくて、顔も分かっていなくてたいした成績を残してない人がスペインの1部リーグに来るなんて前例がないんだからな」

「それもそうですね……」

「蓮、君をスタメンに入れるとはまだ言わないでくれ、初戦で君をスタメンに入れるのはサプライズで取っておきたい。ベンチには入っているとだけ私が言うから楽しみにしとくとだけ答えてくれ」

「了解です。監督」

「じゃあ、ちょうど時間です。監督、蓮くんどうぞ」

「じゃあ蓮、行こうか」

「はい」

舞台の端から出てくると鳴り止まないシャッター音、目がチカチカするようなフラッシュの嵐。とてもじゃないが普通にいられる自信がない。

「じゃあ蓮、そこに」

「あっ、はい」

「少し焦ってるかな、これにサインをしてもらえる?加入するために必要なやつだから」

「ちょっと読みますね」

フムフム、前に話したやつと同じだな。まぁ、変えることなんてないと思うんだけど

「監督、どうぞ」

「よし、じゃあカメラの方を向いて目を瞑らないよにね」

「はい」

はっきり言ってこれが1番きつかった。なんたってフラッシュが本当に眩しいのだ。まぁ、このフラッシュやシャッター音があるからこそレヴェルに加入したことをリアルに感じることが出来るのだが。

「じゃあ蓮、質問に答えていこうか」

「はい、了解です」

「では、進行を始めさせていただきます。先程も申しましたが今回は赤井蓮選手の加入会見へ来ていただきありがとうございます。普通は私が多少の質問をするのですが、記者の皆さまがたくさん来ていらっしゃるので時間の都合も含め今から質問を受け付けます。」

おお、なんか会見っぽい……やばい、緊張してきた。

「日本テレビの高梨です。赤井選手はほとんど情報がありませんが、監督は何を情報に赤井選手をレヴェルに加入させたのでしょうか、赤井選手にはレヴェルにした決め手を教えて頂きたいです。」

「クック監督からお願いします。」

「はい、まずは蓮の加入についてなのですがうちのチームのスカウトが頑張ったとしか言いようがありません。蓮が日本にいた頃にちょうどウチのスカウトが色々な高校を回っていたらしくその時に偶然、蓮を見つけて今回の加入に繋がりました。蓮の実力につきましては蓮が出る試合を見てくれとしか言えませんのでこれで終わります」

「監督の回答でよろしかったでしょうか?」

「はい、充分です」

「では次に赤井選手、レヴェルに入った決め手をお願いします」

「はい、まずは今回来てくださった皆さん始めまして、赤井蓮と申します。レヴェルに入ったきっかけはすごく簡単です。ただレヴェルが一番先に私に接触して来てから、これだけです。レヴェルをどこかの大会で優勝させたいと考えているのでよろしくお願いします」

「赤井選手の回答でよろしかったでしょうか?」

「はい、充分です。ありがとうございます」

「では、他に質問はありませんか?」

そこから会見はどんどん進んでいく。例えばこれからのレヴェルの戦略的なこと。俺のポジションについて。色々な事に答えていると時間がやばいと横のスタッフからのメッセージが。

「では次を最後にさせていただきたいと思います。」

「はい、日本テレビの高梨です。これからの選手生活をどうしていきたいですか?シーズンの目標などは?」

「赤井選手、よろしくお願いします」

「はい、今回のシーズンでは得点王とアシスト王を目指しています。どうにかすぐにレギュラーを獲得してレヴェルで、スペインリーグで活躍したいと思いますので皆さん、応援よろしくお願いします。ちなみになんですが、私はスペインリーグ第一節、レヴェル対オリンピアのベンチに入っていますので是非現地で見ていただけると嬉しいです。」

「今の回答で良かったでしょうか?」

「すみません、監督に確認です。今の赤井選手の発言は確かなのでしょうか?」

「はい。本当は私から皆さんにお伝えしたかったのですが蓮に越されちゃいましたね。ベンチに入れてますが急な変更でスタメンになるかも知れないので現地に来ていただけると嬉しいです。」

「では、今のクック監督の回答で会見を終わらせていただきます。クック監督と赤井選手は退場していただきます」

「では、次に記者の方々………」

本当に緊張したぁぁぁー

「はぁ……」

「ん?蓮大丈夫か?」

「リーナさん……少し疲れました」

「まぁ、あそこまで興味津々の視線を向けられたらな……カメラもだけど。まぁ、蓮くんが活躍するならあれに慣れないとな」

「なれるよう頑張ります」

「ああ、蓮。頑張ってくれ、レヴェルの未来は君にかかっていると言ってもいいからな」

「はい、監督」

「じゃあ、蓮くんにトレーニング施設を紹介しますね」

「ああ、よろしく頼む。じゃあ蓮、また明日」

「お疲れ様でした、監督」

………………………………………………………

悲報、ヒロイン出せず

だだって、ヒロイン日本にいるから難しいのよ……ヒロイン視点で次回は出すか……ではまた

「えっ?明日収録?」

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