第9話 監督との初対談
「蓮くん、おはよう。15分前に着いてるってことは私と会うのを楽しみにしていてくれてたのか?」
「そうですね、リーナさんと会うのを楽しみにしてました。クック監督の所へ連れて行ってくれるらしいので」
「少しドキッとしただろうが……。はぁ、予定をメールで送ったが確認しとくぞ。まず、クック監督と面談。次に入団会見。その後、記者たちの質問に答えてからうちのトレーニング施設を紹介だ。そう言えば聞き忘れてたが選手寮に入らなくてもいいよな?お金も入ってくるし」
「はい。そもそも今親と住んでる所で充分間に合ってますからね」
「なら良かった。じゃあ、クック監督の所へ案内するぞ」
「お願いします。リーナさん」
とうとうクック監督と会う日が来てしまった。普通は入団を決めるときに会うのに会見の直前に会うとかどうなってんだよ……。
「そう言えばクック監督が蓮くんのことを褒めまくっていたぞ」
「え?どうしてですか?」
「いや、この前パパと試合をしただろ?」
「はい。3日ぐらい前のやつですよね」
「ああ、元々監督には私から凄い選手がいるんです。とアプローチをかけてたんだが、あの試合映像を見た瞬間からなんとしてでもこの選手を取ってくれって」
「一応監督に俺が20億で契約したこと話てるんですね……」
「いや、そもそも監督が言い出したんだぞ?この選手には20億以上の価値があるって。まぁ、うちは財政的に厳しいからそれ以上は出せなかったんだけどな」
「そうなんですか………そう言えばナルダも取ったんですね」
そう、レヴェルはなんと一緒にプレーをしたナルダを今回の移籍期間に獲得していたのだ。
「ああ、あのミッドフィルダー(MF)か。彼は蓮くんが連携しやすいだろうという監督の考えでうちに来てもらった」
「本当に俺主体のチームになるんですね……」
「ああ、監督が彼はロベルトを超えるぞってめちゃくちゃ言うのでな」
「期待されまくりじゃないですか……」
「だから、頼むから結果を残してくれよ?」
「精一杯頑張りますよ」
「まぁ、そもそも蓮くんがうちに来るにあたって日本のマスコミが取材したい、試合を中継したいって要望が沢山来るだろうっていう上の考えもあったからあそこまで契約金が跳ね上がったんだがな」
「そうなんですね……ちなみにナルダの契約金は……」
「確か7000万ぐらいだった気が……おっともう着いたか。この中に監督が待っているから色々な話をしといてくれ。会見の時間になったら呼びに来る」
「えっ、監督とサシで話すんですか?」
「ああ、なにか問題でも?」
「いや、大丈夫です。緊張はしますけどね」
「まぁ、優しい人だから大丈夫だよ。じゃあまたな」
「はい、ありがとうございました。リーナさん」
………この先に監督がいるのか。よし、大丈夫大丈夫。練習とか色々なことを話したいしリーナさんも良い人だって言ってたしネットでもそこまで叩かれてなかった。大丈夫、行ける。
「コンコンコン、失礼します」
「おお、君が赤井蓮か……。まずは自己紹介から、私はレヴェルの監督をしているクックという。これからよろしく頼む。」
「はい、今回レヴェルに入団させていただいた赤井蓮です。こちらこそ、よろしくお願いします。」
「ああ、よろしく頼む。まぁ、まずはそこに座ってくれ」
「失礼します」
「ああ、少し聞きたいのだが君はどのポジションを守れるんだい?去年はユニゾンのエトーという選手がFW,MF,DF,GK、全てのポジションを完璧とはまだ言い難い物があったがそれでもCFとGKは完璧だった。君もそんなタイプかね?」
「いや、自分はエトーのようにそこまでの事はできません。自分のポジションはCFかOMFです。先程映像を見たと聞きましたがあの時はずっと裏に抜けるような攻め方を自分はしていました。」
「ああ、ナルダのパスに合わせて完璧に走り出してゴールに向かっていたね。後は、ワンツーをしてゴール前に行ったりもしていたよね。」
「ええ、あの時はナルダが自分の考えをうまく汲み取ってくれたから出来ましたけど。自分が一番得意なのは一対一で抜くことです。」
「ダニエルにやっていたやつか……」
「ええ、あの時はターン、軸足、シザースと3つ組み合わせて使いましたけど他にも出来るのがあってそれを組み合わせて攻め込むのが一番得意です。」
「パワープレーか……」
「そもそも大人数でプレーすることがあまり無かったんです……やる時も速さについてこれる人がいなくて…」
「まぁ、君のスピードならそうなのかも知れないが……。OMFと言ったがそちらはどんなプレーをするんだい?」
「えっと、そっちは中盤にいて前二人とうまくパスを回してゴール付近にまで近づいていくプレースタイルですね。ナルダみたいにスルーパスをしますしトールパスもします。そっちは自分で得点を上げるというよりアシストを狙うプレースタイルになります。」
「そうか……私は君とパブロといううちの古参メンバーをFWに置いて、ナルダ、ターロスを中心としたメンバーをMFに4人、ラファエルを中心としたDFを4人、ハマーをキーパーとして起用して4-4-2の陣形を組みたいと思っている。戦術はカウンター。中盤で取ったボールを前線に送ってサイドではなくセンターから攻め込んでゴールを狙ってほしいと考えている。サイドはセンターが空いていない場合に攻め込むという戦術を考えているのだがどうかね?」
「いいと思います。でも、俺やナルダを起用してもいいんですか?」
「ああ、あの試合動画をレヴェルのメンバーに見せて君の実力の末端を知ってもらっている。あんなプレーを見せられて今の戦術になにか文句を言う奴は居なかったよ」
「そうなんですか……守りは?」
「守りに関しては君以外のメンバーで行う。君は前線に残り、君判断で守りに入ってもらってもいい」
「つまり俺に任せると?」
「ああ、私的にはコーナーの時などすぐに君にパスを回してゴールへ走ってもらったほうがいいと考えているのだが守れなかったら意味がないからね」
「わかりました。練習メニューを聞いてもいいですか?」
「ん?戦術についてはもういいのかい?」
「はい、いい戦術だと思いましたので」
「それは良かった。練習に関してはパス練、シュート練と色々あるが君に関してはスタミナとフィジカル、ヘッドを鍛えてもらいたい。スタミナは長くピッチに立っていてほしいから、フィジカル、ヘッドはコーナーで点数を決めてほしいからだ」
「つまり、ヘッドで決めろと?」
「ああ、君がもう出来るのならいいんだが前の試合を見たときにヘッドを使って何かしようというのが見られなかったのでね。コーナーでは蹴る側に回っていたし」
「監督はよく見てますね……自分は少しヘッドに怖さがあるんですよね。理由は色々ありますがそのせいでコントロールがうまくいかないので……」
「そうだったのか……それだとチームでもコーナーを……いや、君にはそれを克服してほしい。もし君がヘッドも使えるようになれば確実に君の実力アップだ。フリーキックは君に任せるがコーナーとロングフリーとペナルティキックは他の選手に任せることにする。ペナルティキックは君が枠内でファールを受けなければ蹴ってくれ。もし君がファールを受けてペナルティキックを獲得したのなら他の選手に譲ってほしい」
「わかりました。そうします。」
「ああ、よろしく頼む。そろそろ良い時間だ。会見で話すことは考えてきたのかい?」
「ええ、いろんな事を考えてきました。」
「そうかそうか、会見はなるべくインパクトのあることを言ったほうがいいぞ。私も監督に就任したときにこのチームを一部に連れていきます。と言ったらホントにここまで連れてこれたしな……まぁ、一部で結果を残せてないからあれなのだが。だから、蓮。君には期待している」
「はい、精一杯頑張ります。」
ここまで期待をされているのなら自分が持てる全ての力を発揮してレヴェルっていうチームに貢献しますよ。
「コンコンコン、監督、蓮くん。会見の時間です。」
……………………………………………………………
会見は次回!ヒロイン登場です。どんな子がヒロインなのかなぁー。ではまた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます