第27話ヒロイン視点 神崎クオリティレヴェル対オリンピア戦の振り返り
「さぁ、皆様お久しぶりです!神埼クオリティの時間がやってまいりました!」
「先週もやった気がするですけど……」
「1週間も会えなかったら久しぶり判定になります。そうですよね?スペインに取材行ったりして社長に会えてない高梨アナウンサー?」
「おっとこれは何も言わないほうが良さそうだ……」
「はい、時間喰いました。今回のゲストの紹介です!前回に引き続きまして赤井選手レヴェル加入記念というものもありまして、日本高校生サッカー大会応援マネージャーの百瀬玲奈さんです。」
「はい、皆さんどうも。日本高校生サッカー大会応援マネージャーをやっています。百瀬玲奈です。今日はしっかりと赤井選手に取材もしてきたのでその結果を話していきますよぉー」
「ほぉほぉ、赤井選手のカッコいいところを話していただけると……これは赤井選手の友人として聞き逃せないですね……」
「神崎さんは何を言ってるんですか……」
「あっ、もう一人いました。ゲストの高梨ー」
「アナウンサーを付けてくださいよ……あっ、紹介に預かりました高梨です。今日もよろしく!」
「レヴェル対オリンピア戦の実況でただひたすらに浅沼さんに話振りまくって視聴者からアナウンサーなんて所詮こんなものだよな……ってさんざん叩かれた人じゃないですか。あと、赤井選手を呼び捨てにするなって」
「あれは熱狂してしまいまして……」
「あなたが狂うのは社長の前だけで充分なんですよ……」
「おっと、本当に私のアナウンサー人生が左右されそうだぞ」
「百瀬さんが固まっていらっしゃるのでコーナー行きまーす」
「あっ、ちょっと難しくて……」
「これが応援マネージャーに選ばれるモデルか……」
「あなたの後輩の若ちゃんも選ばれてたじゃないですか……同期の西野さんも」
「いや、あの人達は一緒に仕事しすぎて新鮮味が無いというか……CM見たときもなんかコスプレしてんなぁーぐらいだったので」
「やっぱり男の信者を持つ人の言うことは違うなぁ…」
「男の信者?」
「おい、高梨……無垢な少女を穢した罪は重いぞ」
「いや、俺まだ何もしてないです。誤解です」
「高梨くん、俺と一緒に社長の所にこれ終わったら行こうか……あっ、男の信者についてはなぜか分からないんですけど神崎ガールズBって別名もあるんです。まぁ、信介は私の夫よ!って書き込みを男がしてるだけの話なんですけどね……はい」
「一瞬神崎さんの闇が見えましたね……まずはレヴェル対オリンピアの試合を振り返っていこうのコーナーです!」
「司会を努めますのは神崎信介です。解説には浅沼さんではなく、」
「百瀬玲奈です。よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします。高梨さんは補欠なのでベンチにお座りになってお待ちしていてください。ただ、俺側のベンチに座ってくださいね……百瀬さんから2メートル以内近づくな警報発令されてるんで」
「あれまだ継続中なんですか……」
「……」
「はい、百瀬さんは無言なので継続中ということにしておきましょう。まず最初。赤井選手はボールを後ろに下げてすぐに走り出したよね。」
「ええ、あいつが言うには最初の1点を開始直後に決めて試合の流れを持って行きたかったって言ってましたね」
「そ、そうなんですか……私聞くの忘れてました……」
「大丈夫です。初めての取材なんてそんなもんですよ。」
「で、ナルダ選手からのスルーパスを受けた赤井選手がゴールへとドリブルを開始します。ゴールエリアには入っていったのですがプジョル選手の寄せが強く上手くボールを蹴れませんでしたね。」
「威力はある方だとは思うんですけどね……やはりコースを狙えなかったのがゴールへと繋がらなかったと本人が言っていました」
「そして前半15分。まさに歴史の始まりと言ってもいいですよね。」
「赤井選手がこれから歴史に残るようなことをすればそうですね。まぁ、デビュー戦で3ゴール2アシストは歴史に残っていいと思いますが」
「ですね。赤井選手は前半15分。ターロス選手からのスルーパスを受けて一気にディフェンダーを抜き去りました。その後ゴール目掛けてシュート。コースも完璧です。」
「これ本当に凄いですよね……ボールの受け取りからシュートまでがめちゃくちゃ速くて」
「ええ、そうなんですよ、神崎さん。普通は焦ったりしてコースとかブレるのに完璧ですし、シュート威力も高くてお手本にしたいような動きなんです」
「ほぉほぉ。具体的に言えばどこがかっこいいですか?」
「やっぱりシュートの瞬間ですかね?ここだけ決める!って言う意志がめちゃくちゃ伝わってくるんですよ!」
「はい、百瀬さんによる赤井選手のカッコいいところでしたー」
「あっ……えっと。その後」
「マジかよ、俺スルーされちゃったよ……」
「神崎さん、神崎さん」
「なんだい。高梨くん?」
「それ、ワンちゃんセクハラかもです」
「マジかよ……後で食事券渡すわ。赤井選手と食べに行きなって1年先まで使えるやつ」
「それもセクハラになりそうだなぁ……」
「え?食事券渡すのだめなの?」
「ほら、なんか相手を意識させるとね?」
「赤井選手と行ってきなって言うのが行けないのか……気をつけるわ」
「もう何話してるんですか……次の得点行きますよ」
「「はーい」」
「次は前半27分。レヴェルの赤井選手が前線で積極的にプレスでボールを奪いに行きボールを奪ってからの攻撃でした。」
「あーあのプショル抜いたやつか……」
「はい。赤井選手はボールを受け取ってからドリブルの神としか言えなくなるような観客を魅了するぐらい素晴らしいドリブルをしてゴール前へ」
「観客を魅力するドリブル……俺にも出来そう」
「あなた前にサッカーやった時ボロボロだったでしょうが……野球とテニスはめちゃくちゃ上手いのにバスケとサッカーは無理って……」
「いや、俺シュート1回決めたからね?年末ヤツ」
「ほら、二人は話聞く!」
「「イエッサーマム」」
「あなた達の親じゃないんですけど……まぁ、赤井選手はゴール前へと行きましたがディフェンダー二人とキーパーによってシュートコースを塞がれてしまいました。ですがそこにターロス選手とパブロ選手が走ってきて赤井選手はターロス選手にパス。ターロス選手はそのボールをシュートしてレヴェルの2点目でした。」
「そしてここからオリンピアが逆襲と……」
「ええ、レオ選手、アントワーヌ選手の巧みなパス回し、プショル選手の凄まじすぎるヘッド。まぁ、レヴェルは攻め込まれてしまいます。」
「あそこを全て0に抑えたレヴェルのキーパーのハマーは素晴らしいですよね」
「ええ、まさに守護神でした。そしてその守護神のセーブからのゴールは前半のロスタイム。レオ選手がハマー選手と一対一にまで持ち込みましたがなんとかハマー選手がボールを弾く。弾いたボールはディフェンスで大活躍でした。ラファエル選手の元へ。ラファエル選手はボールを一気に前線へと運び前半最後の攻撃へと望みます。ボールはナルダ選手の元へ。その後ナルダ選手が右サイドを駆け上がって右からゴール前へとパス。そのボールを赤井選手がうまく落としてパブロ選手がシュート。レヴェルの3点目でした。」
「赤井選手がゴールを狙わず確実に1点を取りに行ったシーンですね」
「ええ、ここでそのままゴールへシュートしても良かったのにパブロ選手にパスをしてより確実な方を選ぶ。状況判断がしっかりと出来ているということですね」
「赤井選手は素晴らしいと……よく分かりました。では、次は後半についてです。」
「また、セクハラを……」
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