スペインリーグ第1節レヴェル対オリンピア
第18話スペインリーグ第一節前半
「じゃあ、お前たち。オリンピアは去年リーグを制したチームだ。勝つのは難しかったが今回は蓮がいる。せめて1点でも決められるように行くぞ。」
「「おう」」
「蓮、頼むぞ」
「俺に頼りすぎじゃないですか?監督」
「デビュー戦だしな、今日までの練習でお前の実力をみんなも認めてくれたはずだ。あとは結果でしめせ」
「はい」
最後のミーティングを終え、俺はスタジアムのコートにでる。
聞こえるのは大歓声、スタジアムの席は完売だったらしく、人で溢れている。
「蓮、ここに立つだけでもすごい経験だからな」
「パブロ……ああ、でもこれを日常にするけどな」
「頼むから決めてくれよ?」
「任せとけ」
『スペインリーグ第一節、レヴェル対オリンピアの試合を始めます。解説は元日本代表の浅沼さんです。』
『お願いします』
『今回の試合なんですが…なんと、レヴェルに電撃加入した、赤井選手がスタメンに入っているんですよね。浅沼さん、これ、どう思いますか?』
『そうですね……まずは赤井選手は若いので経験を積ませたいと言うのもあるんでしょうが…赤井選手にある程度の実力がないと第一節にスタメン起用するなんてありえないんですよね』
『ええ、赤井選手はレヴェルの10番を付けていますし、これはスタメンを自ら勝ち取ったということなのでしょうか』
『そうですね…まずは赤井選手の実力を見ないと何も始まらないので試合に注目しましょうか』
『はい、では画面に表示されているスタメンを紹介します。レヴェルは2ー4ー4で前線に赤井選手、パブロ選手、中盤にターロス選手と最近加入したナルダ選手……ディフェンスにはラファエル選手………選手となっています。オリンピアは去年と似たようなフォーメーションで3ー3ー4、レオ選手とアントワーヌ選手が前線にいてディフェンスにプジョル選手、ナビリッチがキーパーを務めるというのフォーメーションです。』
『この試合の注目はどこですか?』
『オリンピアのレオ選手がどんなスーパープレイを見せてくれるのかにも期待していますがやはり赤井選手ですね。彼がどんなプレーをするのか楽しみで仕方ありません。開始のホイッスルがなりました。左サイドをレヴェル、右サイドはオリンピアです。』
『一旦後ろに回してから……ナルダ選手、前線へのスルーパス…』
ナルダにボールが渡ったところでナルダからのスルーパスが俺の方に入る。
ボールはうまくオリンピアの選手を抜けて俺の前に。
俺は周りを見渡すと横からプジョル選手の寄せが来る。
俺はそれに反応してゴールへと突き進む。
カバーはまだ入らない。
なんとかゴール前へ来た俺はボールをシュートボールは……
『赤井、ナルダからのスルーパスをうまく受け取りシュート、これはナビリッチの正面』
『プジョル選手の寄せに耐えてなんとかゴール前へ持ってきたんですけどね、味方選手のカバーが遅かったですよね』
試合は進み前半15分
『硬直状態が続いていますが、おっと、レオのパスをターロスがカット、ボールは赤井選手……』
俺はターロスのスルーパスをどうにか受け取りゴール前へ向かう。うまくディフェンダーの間、オフサイドラインギリギリを抜け出したので前に選手はいない。ゴールは目の前。後ろから2人来ているがそんなことは気にせず右足でシュート。ボールはゴール右上を通り、ネットを揺らす。
「よっしゃぁぁぁー」
「ナイス、蓮」
「ああ、ナイスパス、ターロス」
「これでオリンピアから先制だ。こっからはしっかりと守るぞ」
「おう」
『赤井、前半15分、ターロスからスルーパスを受けてシュート、見事ゴールネットを揺らしました。なんとレヴェル、オリンピアから先制しました。』
『いやー赤井選手キレッキレでしたね。ボールを受けてからシュートまでのドリブルもうまい、キーパーもあのコースに来たら諦めるしかないですよ』
『赤井選手はシュートコントロールもうまいということですね』
『ええ、おっと、ボールは赤井選手の前へ。またパスミスでしょうか』
前線でプレスをかけていると、ボールはなぜか俺のもとに……。相手選手はやってしまったって顔をしているがお構いなしにカウンターをかける。横からついてきているのはパブロとターロス。俺はゴール前に行くがキーパーとディフェンダー2人のせいでシュートコースが見つからないのでボールをキープ。ターロスとパブロが同時に突っ込んできたのでターロスへスルーパス。ターロスはそのボールに合わせて右足でシュート。ボールは一直線に飛んでいきゴール右側を通過してゴール。完璧なシュートだ。
「ナイス、ターロス」
「蓮もパス完璧だ。続けて2点は大きいな」
「ああ、多分レオとか本気で狙いに来るぞ…」
『ターロスがゴォォーール。なんとレヴェル2点目』
『うまいですねぇ…特に赤井選手、一気にゴール前へと駆け抜けるドリブルはすごすぎます。そして、途中プジョル選手を抜きましたからね、ターンして』
『ええ、まさにボールを操るマジシャンでしたね』
そこからはオリンピアの猛攻が続いた。レオ、アントワーヌ二人の選手が駆け上がり、レヴェルの守備は壊滅状態だったがなんとかキーパーのハマー選手がボールを弾く。
『お、レオ、レオ!……ハマー選手防ぎました。流石守護神です。』
『ディフェンダーはボロボロでしたからね、まさに最後の砦。ハマー選手ナイスセーブです』
ハマーが弾いたボールはラファエルの元に。
俺とパブロ、ナルダがそれを見て前線へ駆け上がる。
ラファエルはボールを上手く前線へと上げてナルダの元へ。
ナルダが右サイドから駆け上がり、ゴール右サイドから俺へとトールパス俺はそのボールをゴールではなくパブロの元へ。
パブロは完璧に反応してボールはゴールネットを揺らす。
「ナイス、パブロ」
「ボール譲ってくれてありがとよ。もう前半残り少ないしゼロで抑えるぞ」
「ああ」
『ゴォォーール。なんとレヴェル、オリンピア相手に3点差、綺麗すぎるカウンターでした。』
『まるでお手本のようなカウンターですよね』
『おっと、ボールを戻して始めたところで前半終了です。』
『前半で3点差、まだまだわかりませんね。オリンピアの逆襲が後半始まらなければいいんですが』
『そうですね、それにしても浅沼さん、赤井選手、素晴らしい活躍ですよね。前半で1ゴール2アシスト素晴らしい結果です』
『ゴールに限ったら一人でゴール前まで突破してきましたからね』
『ええ、レヴェルの10番を背負っているだけのことはあります』
『後半にオリンピアの逆転はあるのか、赤井選手がさらにゴールを積み重ねるのか、後半に期待です』
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