第44話 結婚願望



 二人が寝室に行き中に入る。

 影にさり気なく女性としてアピールする為に薄着で少し大きいキャミソールを来て胸元がチラチラと見え隠れする物をわざわざ選んで着ているのだがあまり効果がなかったのか反応すらしてくれなかった。

 飛龍のにはしっかりと反応する癖にと……。

 少し拗ねながらも、影をベッドに案内する赤城。


 そのままベッドの上に影を寝かせ背中に乗る。

「なら腰からしていきますね」


「うん」


 力を入れて固まった筋肉をほぐすようにして力を入れる赤城。

 女性の細い指だからこそと言ってもいいだろう。

 赤城の細い指がしっかりとツボを刺激してくる


 気持ちよさそうに声を出す影。

「うぅ~ん。気持ちいぃ~、赤城めっちゃ上手なんだね」


 幸せそうに表情を柔らかくする影を見て赤城は可愛いなと思う。

 枕に顔をつけて見える横顔が赤城にとっては眼福だった。

 いつも助けてくれてありがとうと感謝の気持ちを込めてマッサージをしていく。

 好きな人に尽くすとは何とも素晴らしいのだろうと、思い始める赤城。


「あっ、もっと右も」

 少し手の位置をずらす。


「そこそこ。もっとおねがいします」

 影の身体は思っていたより硬かった。

 多分ずっと座って本を読んでいたせいで筋肉が凝っているのだろう。


 力加減に気を付けながら赤城はそのままマッサージを続けていく。


「ところで影提督は元居た世界では……その恋人とかいたんですか?」


 赤城はここ最近ずっと気になっていた質問をしてみる。


「残念ながらいないよ。赤城は過去に恋人とかいたの?」


「いませんよ。でも私も女ですから将来好きな人と結婚して子供を産みたいなってのはありますよ」


 さりげなく結婚願望がある事を影にアピールする。

 この世界で男は少ない。

 それもフェルト鎮守府では一人しかいない事を考えればかなり有効だと考えての言葉である。それに今は赤城が影をマッサージする事でリラックスしておりガードはいつもより緩いと判断する。


「赤城は優しいから将来いいお嫁さんにきっとなれるよ。俺みたいなこの世界について何も知らない人間にここまで優しく出来るんだから」


「ありがとうございます」


 本当は特別な想いがないとここまではしませんとは言わない事にする。

 それを言ってしまえば影にこの気持ちがバレてしまいそうな気がしたから。


「ところで力加減は大丈夫ですか?」


「うん」


「今日の事は私と影提督だけの秘密ですよ。もしちゃんと皆に秘密にしてたら、たまに今後もマッサージをしてあげますからね」


「わかった。約束する、だからマッサージお願いします~」


「は~い」


「それにしても全体的によくもまぁこんなに凝ってますね。逆にここまで来ると若いのに……と心配になるのですが?」


 赤城としてはやっぱり私達に黙って時間があれば本ばかり読んでいるせいなのかなとは思わずにいられなかった。


「あはは……」

 笑って誤魔化す影。


 とりあえず腰はもう良さそうなので、影の腰から降りる赤城。

 そして影の身体をそのまま起こし、今度は肩のマッサージをしていく。

 やはり書斎で本ばかりを読んでいたせいか、触ってみると……。


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