第47話 過酸化水素水 その2

30分ほど経過した


水の電気分解装置には気体が溜まっている


右側の気体が多く、左側の気体が少ない、気体量はちょうど左側の2倍が右になる


ということは、右が水素で、左が酸素だね


「お待たせしました、ここでできた気体を確認します」


まずは左側を開き指先で炎を出し近づける、すると炎が大きくなる


「こちらが酸素という気体です、見ての通り炎を強くする働きがあります」


右側を開き指先で炎を出し近づける、ポンと音を出し、炎が消える


「こちらが水素という気体です、見ての通り炎を近づけると爆発します」


ジョンさんはメモを取りながら質問する


「爆発ですか?」

「はい、爆発です、空気中にも酸素がありますが、水素と酸素が混ざった状態に火を近づけると爆発します、なので要注意です」

「なるほど」

「ですが、今日作るものは水素と酸素を同量混ぜる必要があります、なので火を近づけることは厳禁です、同様に雷などの火花も禁止です」


そう話しながら、水の電気分解装置2つに苛性ソーダが入った水をセットする

電気分解装置の空気が出る先は蒸留装置のゴムとガラス管をつなぎ、蒸留水の入ったフラスコに向ける

左側はすべて蒸留水の入ったフラスコへ、右側は一つだけ向ける、残る一つはそのまま空気を溜める


その状態で電気を流す


「これを長時間放置したいのですがよろしいですか?」

「どれくらい続けるのでしょう?」

「まずは2時間くらい様子見したいと思います、あとそこにある天秤ばかりをお借りしても良いですか?」

「2時間ですねかしこまりました、天秤ばかりも使うことは問題ありません」


ということで、ジョンさんに任せ、いったんゴードンの店へ行くことに




「ゴードンいる?」

「おお、待っておったぞ!」

「昨日来れなくてごめん」

「それはティアラから聞いてたから問題ない、それより見積もりを見てくれ」


そういわれて見積もりをもらう、魔石バッテリー1個の材料は次のとおり


・ステンレス 3g

 ・外装缶 2g

 ・上蓋 1g

・魔石 5g

・上蓋用銅線 1g

・スライムゼリー 5g

・パッキン用ファチクス 1g


あれ、1個だとこんなに少ない

以上のことより、魔石バッテリー4万個作るのに必要な材料は次のとおり



・ステンレスインゴット 120kg

・魔石 200kg

・銅インゴット 40kg

・スライムゼリー 200kg

・ファチクス 40kg


「なるほど、結構な量が必要だね」

「ステンレス、銅、ファチクスは土魔法で作れるぞい」

「まじ!? それ教えてもらうことできる?」


ということで、ゴードンと土魔法の特訓することになった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る