第14話 カラクルムは別荘地?

「今日は、このあとどうされますか~?」

「転移者寮でマリーさんに生活魔法を教えてもらおうかと」

「あ、それはいいですね~、私は領主館に戻りますので~」

「なら、歩いて戻ります」

「はい、では~」


そういいながらメアリーさんは馬車に乗って領主館へ戻っていった


では、歩きながら戻りますか


今いるところが、貴族やお金持ちが住む高級住宅街になる

高級住宅街は少し高台になっており、外側の城壁ほど高くはないが、城壁に囲まれていて入るにはチェックがある

まるで、神奈川県逗子にある高級住宅街みたいだ

逗子の方は、車番組に出演されている旦那をもつ、ミュージシャンの家とかがあって、町内会の予算が億超えているらしい……

うらやましい、俺の全財産は銀貨27枚だよ、日本円にして27万円


そんなことは置いといて周りを見ると、人の雰囲気がしない、というかゴーストタウン?

歩いても人とすれ違わないし、でも、家はきれいにされている


そう考えてると、きれいな大理石で作られた門を掃除しているメイドさんがいた、とりあえず声をかけてみることに


「こんにちは~」

「え、あ、こんにちは」


メイドさんはびっくりした感じで返す


「最近カラクルムに来たものですが、人通りが少ないのでどうしたものかと」

「あ~それはですね」

「それは?」

「カラクルムは別荘で、ほとんどの方は王都で暮らしております」

「なるほど~、カラクルムから王都までどれくらいかかるのでしょう?」

「馬車で急いで15~16日程度、余裕をもって20日くらいでしょうか」


馬車は時速10kmくらいで、1日5時間走ったとして日50km、15日だと、750km~800kmくらい

東京、広島間が775kmなのでそれくらいの距離があるのか

現代だと新幹線で4時間程度だ


「そんなにかかるのですね、ありがとうございます、ということはあまりこちらに来られないということですね、でもなぜ別荘を?」

「カラクルムは冬小麦の生産地ですので、刈り取り時期に2~3か月くらい逗留するためです」

「冬小麦ですか~」


冬小麦は秋にまいて冬を越し翌年の初夏に収穫する、それとは違う春小麦というのがあるが、春まいて夏から秋にかけて収穫する

全体的に生産量が多いのは冬小麦の方である

ちなみに日本だと冬小麦のみで5~8月に収穫されている


「なので、今の9月では収穫後の販売のために王都へ戻られている最中ですね」

「勉強になりました、では~」

「はい、では~」


品の良いメイドさんだった

なるほど、王都とカラクルムまでの距離と馬車で移動する日数がわかったことが収穫だった

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