第5話 生活コストは高かった
食堂では、アオキさんともう一人、西部劇の保安官みたいな恰好をした人がいた
お誕生日席に座っているので、偉い人ということはわかる
アオキさんはドアに近い側で偉い人のとなり
その人が立って出迎えてくれた
「タカハシさん、領主のアントニオ=ドルトンです」
「初めまして、シンジロウ・タカハシです、領主様がどうして?」
「娘からレアなスキルをお持ちだということをお伺いし、食事もかねてぜひお願いしたいことがありまして」
「娘さん?」
「そこのメアリーは私の娘でしてな……」
「そうなんですね、初耳でした」
「まぁ、そんなところに立ちっぱなしでは何でしょうから、こちらへ」
「かしこまりました」
勧められた椅子に座る、アントニオさんの隣でドアの遠いほうだ
メアリーさんは自分の横に座ってくる、逃がしません~って声が聞こえてきそう……
怖っ!メアリーさん怖いっす
「まずは、お近づきということで、一杯」
ワインだ、しかもきちんとボトルに入っている
「いただきます」
メイドさんが順に入れ終わるのを待ち、そういって持ち上げ、乾杯の音頭を待つ
「では、この良き出会いに乾杯!」
少し酸っぱい感じがする若い赤ワインだった
前菜はスズキのマリネ
あれ? 生魚食うの? あと酢とオリーブオイルもある……
スープはコンソメスープ
野菜の味が濃く感じられるスープだった
メインはビックボアのピカタ
イノシシに似た魔物で、外側に小麦粉、卵、パセリでコーティングし、肉の内部に十分火を通し、ソースをかける
ソースはトマトソース……もうトマト食べてんの?
アメリカだと19世紀からなので、西部開拓時代としては合ってる
付け合わせのパンはバゲット、フランスパン同様固めなパン
デザートは甘くないドーナツにホイップクリームがかけられたものだった
食事中に聞いた話は
ドルトン家は妻3名、現在娘3人、息子2人でメアリーさんは次女、息子2人は王都にいるらしい
メアリーさんの歳は17歳、結婚はまだお相手が決まってないようで……この手の話は危ないので切り上げてアオキさんの話に切り替えた
アオキさんは元自衛官のレンジャーでカラクルム領主軍では参謀ということで、レンジャーのドクトリン含め伝授しているらしい
ちなみに1年前に来たそうだ
最後にお仕事的な何かについて触れてみた
アントニオさんは難しそうな顔で
「実は……、最近納品される銃の弾数が合わないとの報告があるのですよ」
「ほう?」
「そこで、アイテムボックスのスキルでいったん収納いただいて数の計測をお願いしたいのですが」
「数はどれくらいあるのでしょうか?」
「武器弾薬庫がカラクルム内で12か所で離れた場所にあります」
「1日で回れる箇所は」
「せいぜい2~3か所でしょうか? 朝9時に馬車でお迎えに上がり、半日で回って昼食以降は自由時間で構いません」
「なるほど、依頼料はどれくらいでしょうか?」
「1庫で大銀貨1枚、12か所で金貨1枚と大銀貨2枚でいかがでしょうか」
「はい、お受けさせていただきます。ちなみに、案内いただいた部屋と今晩いただいた食事のような生活を維持するのに必要な金額は?」
「年、金貨12枚程度でしょうね……」
おっと……
月100万円……現代でもかなり豪勢な生活だ、
しかもこのレベルの生活に慣れてしまうと、戻れないのでハメられた感がある……
「なるほどー、ちなみにこちらは最大どれくらい住めそうですか?」
「なかなか新しい転移者はいらっしゃらないので、年単位でも……」
「いやいや~、そこまでお世話にならないように頑張りますよ~」
ほぅ、年単位と! よっぽどメリットがあるようだな
「では、明日の朝9時ですかね?」
「はい、メアリーを迎えに出します」
「かしこまりました、メアリーさんでは明日に」
「はい、おねがいします~」
そう話して席を外す
メイドさんに案内してもらって部屋に戻った
さて、っと考えていると
「♪チュートリアル『街に入ってみよう!』をクリアしました」
おっ! これ、空気読めるいいやつだ
講習中に出てきたら問題になってたよな……
次のチュートリアルのこともあるし、まずはステータスを確認しよう
「ステータスオープン」
名前:シンジロウ・タカハシ
種族:転移者
性別:男
職業:なし(イグアス・管理者)
年齢:24歳
Lv:5 → 7
HP:36 → 52
MP:20 → 28
STR(筋力):21 → 30
DEF(防御力):15 → 21
INT(賢さ):46 → 62
AGI(素早さ):12 → 18
LUK(運):5 → 10
スキル
ユニークスキル 万能言語・万能読み書き・メンバー全員獲得経験値10倍・イグアスランキング・地球Webブラウザ(検索・閲覧限定)
スキル 世界地図・アイテムボックス・鑑定LV3・調合LV1・鍛冶LV1・魔力制御LV1
イグアスランキング:89位
特記事項
チュートリアル中(2/3)
神からの伝言
無事たどり着いたかな、チュートリアルの最後で待ってるよー
チュートリアル
教会に行こう!
・街の中心にある教会へ行く
・礼拝堂へ案内してもらう
・礼拝しよう
ふむ、チュートリアルが変更された、これが最後か……
明日は、武器弾薬庫へ行き、紹介状の薬師ギルドへ行くので、明後日かな?
とはいえすべてのギルド回った後のほうがいいと思うな、神からの伝言にあるとおりなんか待ってるみたいだし
次にアイテムボックスの中身を
・回復ポーション×5
・マジックポーション×5
・スタミナポーション×4
・魔力銃
・リュック(小)
・ホーンラビット×1
・金貨 1枚
・銀貨 50枚
お、150万円程度もらってたか、あと魔力銃の鑑定を
魔力銃
MPを使い銃弾を打ち出す銃
MP追加で属性変更
溜めうち(溜めている時間分MPを消費)も可能
あ、属性変更と溜めうちが可能ですか……結構いいものもらったなお礼言わなきゃ
そう考えながらベッドに入る、あたたかい、これ綿の布団だ
ぬくもりながら、瞼を閉じる
こうして、イグアス初日が終わった
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