第48話 過酸化水素水 その3

ゴードンと土魔法の特訓はすぐ終わった、やはりレベルアップでMPが増えたのでいくらでも試せるため早い


今はティアラと風魔法の特訓中、こっちもすぐ終わりそう


風魔法を覚えると、水素と酸素を生成できる、当然過酸化水素も生成できるが、このまま人間化学プラントになるつもりはない


ましてやそれやっちゃうと、自分は生産活動のみでそれ以上何もできなくなってしまう


そうなるとイグアスランキングも上がらない


なので、できることならほかの人でもできる方法を編み出すのが重要




特訓も終わったので帰ることにする、帰る前に


「ゴードン、魔石はなんとかなりそうだけど、スライムゼリーはどうしようか?」

「冒険者ギルドで頼めばいい、10Kg銀貨1枚くらいで手に入る」

「なるほど冒険者ギルドで依頼するよ」


魔石バッテリーの材料も何とかなりそうだ




再び薬師ギルドに戻る


水の電気分解は継続中、問題の過酸化水素水はどうなっているか見てみたが、見ただけではわからないので、スポイトで少量取り出しシャーレに乗せる


「ジョンさん、過酸化水素水の確認方法について説明します。過酸化水素水は血に反応して酸素を出します」


シャーレの過酸化水素水に、指に針で傷をつけ、自分の血を一滴垂らす


シュワーっと過酸化水素水が反応する、さらに指先の炎を近づけると、炎が強くなる


「なるほど、確認方法はわかりました」


次に濃度30%過酸化水素水の比重が1.11なので、1ミリリットルで1.11gとなる


早速天秤ばかりを取り出し、シャーレを両方に乗せ、片方に重りを1.11g乗せる、もう片方に1ミリリットルの過酸化水素水を入れたところ、過酸化水素水のほうが重くなる


30%より濃く作ってしまったかと思いながら、重りを増やすと1.17グラムとなった、濃度45%過酸化水素水の比重が1.17なので、45%になったということだ


45%としても商品になるが、30%で十分なので、100ミリリットル45%の過酸化水素水にさらに50ミリリットルの蒸留水を加え30%になるようにする


「ジョンさん、濃度30%過酸化水素水1ミリリットルで1.11gの重さになります、ですがこれは1.17gあり、濃度45%になってました、これを濃度30%に薄めます。100ミリリットル45%の過酸化水素水に50ミリリットルの蒸留水を加えれば濃度30%になるのですが、注意点があります」

「注意点ですか?」

「はい、混ぜる順番ですが、必ず蒸留水に対して過酸化水素水を入れるようにしてください、さらに実演しますが少量づつ、ゆっくりと入れてください」


自分は蒸留水にガラス棒をいれ、過酸化水素水をガラス棒に沿うようゆっくりと流しいれる


「なぜですか?」

「もう入れ終わったので容器を触ってみましょう」

「あったかいですね」

「そうです、薄める際に熱を持ち、場合によっては突沸で過酸化水素水が飛び散ります、濃い過酸化水素水は手に当たるとやけどをしてしまうので、注意が必要です」

「わかりました」

「あと、保存方法ですが、ガラス瓶の中で保存してください」

「かしこまりました」


うん、金属だと腐食するからね



最後に特許の申請をお願いする、申請は次のとおり


・水の電気分解

・水素の作り方

・酸素の作り方

・過酸化水素の作り方

・過酸化水素水の作り方


「申請承りました」

「あと、お願いがあります」

「はい、どのようなことでしょうか?」

「今後過酸化水素水の生産と販売を薬師ギルドにお願いしたいのですが可能でしょうか?」

「可能です、販売金額はどのようにいたしましょう?」

「そうですね、1リットル金貨1枚でどうでしょう?」

「妥当だと思います、薬師ギルドの作業分と税金を除き、特許料含めタカハシ様に50%をお支払いすることでよろしいでしょうか?」

「それでお願いします」


最後に片付けと今日生成した過酸化水素水をアイテムボックスに入れ、薬師ギルドを後にした

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る