第25話 特許準備

6日目の朝、宣言通りメアリーさんがやってきた


「では特許申請と行く前に、イグアスの特許について説明します」


イグアスの特許


・申請者は1人でも複数人でもOK

・申請1回につき1つの特許が認められる

・特許の権利は20年間

・申請には目的、構成、効果できるだけ具体的に記載し、申請を読んだものがその発明を実施できる程度まで具体的構造、作動などが示されていなければならない

・特許維持の金額は1年銀貨5枚

・商業ギルドで申請する

・審査は神様が行ってくれる


「なるほど、実物が無くても申請できるのですね」

「そうなんです、そこがちょっと問題ですね~」

「例えばモーターでモーターを作るところまでの申請と、モーターを利用して何かしらを動かすという商品毎に申請が必要ということですね」

「合ってます~、では作成しましょうか~」


ということで、2人で手分けして作成していく

申請内容は


・ベアリング

・モーター

・モーターを動力源とする抄紙機しょうしき

・魔石を魔法陣で包んだもの

・魔石を魔法陣で包み、金属で包んだもの


「これくらいですかね?」

「そうですね~、増えたときにまた申請しましょうか~」


まぁ、モーターを使ったもので取られたくないものは、あとで書いておきますけどね、アレとかアレもだな


午前は申請の資料を書ける範囲で書いて、昼食後ティアラを連れてゴードンの店へ行く


「できてるぞい!」

「さすが!」


すかさず、褒める


「ベアリングのサンプルある?」

「ああ、ここだ」


ベアリングを回す、日本製のよりまだ少し荒い感じがするが、まぁ良いだろう


「中のボールってある?」


見たところもう少し研磨が必要なようだ

タブレットを取り出し


「ゴードン、この説明にもあるようにボールが人の顔を映すくらい鏡面にならないと商品にならない」

「そうか……」

「いったん、特許用にはこれでいいけど、モーターの商談を取ってきたら必要になるので、精度を上げる工夫について考えておいてほしい」


次にモーターを回転させてみる

大きめのモーターが例の魔石2本で動いた

やはり摩擦で魔力が奪われてたか……


「モーターは回るようになったね」

「そうだ、ベアリングってすごいな!」

「ああ、重ささえ気にしなければ、馬車の軸につけてもいい……、メアリーさんこれ特許に付けといて!」

「はい~」


さて、特許の話をしようか


「ティアラ、ゴードン」

「はい?」

「おう、どうした?」

「モーター、ベアリング、それらを使ったものを申請するつもりだが、特許料どうする?」

「ええ、もらうものはもらうよ」

「そうだな……」


相談の結果、次のようになった


・モーター :ティアラ20%、ゴードン20%、自分60%

・ベアリング:ゴードン40%、自分60%

・モーター、ベアリングを使ったもの:申請した人100%


「オッケー、これで申請する、これから申請するけどゴードン行く?」

「いや、遠慮しとく」

「わかった、きちんと申請しておくから、明日モーターの商談をしてくるから、商談が取れたら増産する予定だからね」

「準備はしとく」


ベアリングとモーターをアイテムボックスに入れ、3人でゴードンの店を後にした


次は特許申請だ!

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