第27話 商談準備(ジェームス製紙工場)

ギルドを出たあと、明日の予定を話した


「明日、午前からジェームス製紙工場に行って話を詰めます」

「オッケー、私も行くよ」

「わたしも行きます~」


なので、明日は馬車に乗って3人で行くことに


そのあとは転移者寮へ戻って、ポーションを1本ほど作成し、夕食を食べた後、現代の製紙工場について調べる


そりゃ、原材料から工程、ラインすべてですよ!


調査した結果は次のとおり


紙の製造には下記工程がある

1.パルプ化工程

2.調成工程

3.抄紙工程

4.塗工工程

5.仕上・加工工程


ジェームス製紙工場の場合

塗工工程はなかったな

仕上・加工工程は手作業だった

調成工程は紙漉きで言うねりのことで各工場のノウハウがあるので、これも提案しない


ということは、木材パルプの提案と、抄紙機の自動化について提案することになる


木材パルプ、抄紙機について調べたことは次のとおり


木材パルプ

・木材パルプは針葉樹、広葉樹両方使われる、第二次世界大戦前は加工しやすい針葉樹のみ

・木材パルプの作り方

 1.木をある程度の大きさに砕く(木材チップ)

 2.木材チップに水酸化ナトリウムなどのアルカリ性薬品を加え、高温、高圧で煮、樹脂を溶かし繊維を取り出す

 3.異物を取り除き、洗浄する

 4.漂白する

  漂白には薬品が使われる、代表的なものが過酸化水素水であるが

  さらに漂白するため、他の薬品でも漂白される

  ※ 無漂白の紙はこの工程は不要

 5.洗浄・脱水する


抄紙機

1.ワイヤーパート

 調成工程後の材料を、網の上に流して薄く平にすることで、湿紙を作る

 網の上に流すまでの機械はヘッドボックスと呼ばれる

2.プレスパート

 湿紙に毛布を当てて上下から圧縮することで、水分を搾り取る

3.ドライヤーパート

 湿紙を加温して水分を蒸発させ、水分を乾燥させる

4.巻取り

 できた紙をロール状に巻き取る


ちなみに抄紙機は明治初期で約45m/分、現代では約1800m/分も紙が漉けるらしい

ただ、スピードを速めると紙にムラやねじれが出たりするので気を付けないといけない


抄紙機の機械についてはホームページとか動画を参考にするとして、明日の提案内容としては


・プレスパート、ドライヤーパート、巻取りまでの機械化

・ワイヤーパートの動力化

・木材パルプの利用


となる。


ネットで調査しながら、いろいろ資料を作っているうちに瞼が重くなり、そのまま6日目の夜が終わるのであった

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