第13話 人助け開始
「いらっしゃいませ、なんだメアリーとタカハシか」
訪問者がわかったミイは少し気を抜いた
さっそくメアリーさんが
「ティアラいる?」
「奥にいるよ」
「ティアラー、昨日の件で話したいことがあるのー」
メアリーさんが大きな声で予備出す
昨日からメアリーさんの印象が変わってきたな
おっとりお姉さんは演じてた?
「なんだい、メアリー」
「私とタカハシさんからいい話、話せる場所ある?」
「なら、2階だ、ミイあとはお願い」
「は~い」
ティアラを先頭に2階へ上がる
2階はダイニングで4人掛けのテーブルとキッチンがあった
「あれ? キッチン?」
「1階に作業場があるので生活は2階と3階を使ってる」
「結構お金かかってるんじゃ?」
「そのあたりは、メアリーからも援助してもらった」
あ、やっぱり、メアリーさん焦げ付き回避のためですか……
「さて、今日はティアラにタカハシさんからお話が」
「なんだい? タカハシ」
さて、ギアをビジネスモードに入れて
「ティアラ、ビジネスの提案があるんだが?」
「ビジネスとは面白いね」
「興味を持ってくれてありがたいよ、まずはメアリーさんからティアラの置かれている現状を聞いた、そこで2人から魔石と魔道具についていろいろ教えてもらいながら今までにない新しい商品を作りたい」
「ということは、タカハシが考えた新商品を開発するのに力を貸せばいいのね」
「そう」
「新商品って?」
「まぁ、まずはティアラのビジネスモデルで問題なのは、魔力充填をほかの人に取られたことだよね?」
「あってる」
「では、魔力充填済みの魔石を売って使う人に入れ替えてもらうことはできないかな?」
「……メアリー? 知らなかったとは言わないよね?」
「何を?」
「魔力充填済みの魔石は衝撃によって爆発するので安全ではなくなること」
「伝えてるわよ」
「それはメアリーさんから聞いてる」
「なら、ダメでは?」
「そこを考えるので、魔石と魔道具の特性から教えてほしい」
「なるほど、料金は?」
「2か月間で金貨1枚」
「豪勢だねぇ、ミイと相談していいかい?」
「どうぞ」
ティアラは1階に向かい、すぐ帰ってきた
「ミイもいいって」
「じゃ契約を、メアリーさんお願いします」
「はい、ティアラとミイの契約書」
「オッケーすぐサインする」
ティアラはミイに契約書をもっていき、契約書はサインして戻ってきた
「ありがとう、では2か月分の金貨1枚だ、税金はそっちで頼む」
「はい、間違いなくもらった」
「では、魔石と魔道具について、わかんないことすべて教えてくれ」
まとめるとこうだ
・魔石
・魔物1体に対して必ず1つとれる
・同じ魔物でもとれる魔石のサイズが違う
・魔力充填済みの魔石は強い衝撃を与えると爆発するので取扱注意
・魔道具
・魔石の魔力を魔法陣によって使うことができるようにしたもの
・ランタンの魔石が銅線3本で不安定な取り付け方になっているのは、緊急時ランタンを魔物に投げつけて爆発させるため
・魔石を取り付けるところは、魔石に合わせてカスタマイズする
・魔法陣
・魔法陣は魔石を砕き溶かしたインクを用い描く
・魔法陣は絵柄が同じであれば効果は同じ
「魔石って熱なんかで溶かして、冷やすと固まるみたいなことはできるの?」
「あー、できるね確か600度から700度くらいで溶かすことができる」
「複数の魔石を溶かして、大きくすることも」
「可能だ」
「その場合、性能は?」
「変わらない」
ふむ、あのサイズにすることは可能だな
「魔法陣の起動するタイミングを指定するのは可能?」
「可能だよ」
「じゃ、魔石に衝撃を与えた時だけ発動することも可能?」
「……やったことはないけど、理論上可能だね」
「なら、まず作ってほしいものは」
要望内容は次のとおりだ
1.魔石を統一した円柱状の大きさで複数本以上作ってほしい
2.魔石に衝撃を与えた時だけ起動する魔法陣で魔石を包んでほしい
3.2が作れたら、魔法陣の先から電極を取り出して、ランタンにつなぎ、ランタンが灯くか試してほしい
「わかった、明後日まで時間頂戴」
「明後日? おっけー、明後日この時間にここに来ればいい?」
「ああ、明後日この時間で完成させとく」
ということで、ティアラ魔道具店を後にする
外に出たところで
「メアリーさん」
「はい?」
「遅くなりましたけど、ランチいかがですか? といっても先ほど大きな出費をしたので、懐がさみしく……」
「そうですね~、ティアラとミイの件のお礼としてランチというのもありますよ」
「それでお願いします」
「では、馬車で」
「どうぞ」
右手を差し出し、馬車に乗るのをエスコートする
自分も馬車に乗り、どこかわからないけど、メアリーさんが決めていたお店へ向かうのであった
ランチのお店は昨日と同じお店だった……
昨日同様同じ部屋に案内された
「メアリーさん、このお店って……」
「父がオーナーのお店です~」
「アントニオさんの? どうりで……料理の質が高いと思ってたんですよ」
「そうですね~、お客さんに出せるかの確認も兼ねてます」
「あ、自分が転移者だからですね」
「はい~」
今日のメニューは
前菜はシーザーサラダ、レタスの上にかけられたチーズが美味い
スープはコンソメ、これは転移者寮で食べたのと変わらない
メインはペンネのクリームパスタ、クリームが濃厚でペンネとの相性が良い
デザートはクリームブリュレ、砂糖を焦がした飴の部分と、カスタードがマッチしていた
さて、メアリーさんと相談したいと考えていた武器弾薬庫の件について触れてみますか
「さて、武器弾薬庫の件ですが」
「あ、それはもう父に報告しています」
「そうなんですね、ありがとうございます、ここで自分が話したかったのは、武器弾薬庫の件を解決する案についてです」
「すごいですね、もう案があるのですか~」
「ええ、そのためには特別な紙が必要になるのですが、まずはこちらの製紙工場を見学させていただくことは可能でしょうか?」
「紙ですか~、工場を見学してどういったところを把握されたいのでしょう?」
「そうですね、最低でも、原材料、日生産量、従業員数についてです」
「わかりました~、いつぐらいに見学されたいですか?」
「早いうちが良いです、このまま武器弾薬庫を回っても楽観視できませんし……」
「では、調整してみます~」
よし、これでアレを作る第1歩になる
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