第29話 商談(ジェームス製紙工場)その2
「そんなことが可能なんですか!?」
「ええ、必要な薬品さえあればできますね」
ジェームスさんは
「必要なものということは、どういうことでしょうか?」
「ああ、まず私が転移者であることはご存知ですよね?」
「ええ」
「転移前の世界でしたら、紙は白いのですよ」
「ほう?」
「で、たまたま私が藁で作る紙を白くする方法を知っているだけです」
「では、やっていただけますでしょうか?」
少し考える
木材パルプ、
一つは塩素系漂白、次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸ナトリウムを使う方法
ご家庭でなじみのあるものは、次亜塩素酸ナトリウムで塩素系漂白剤に使われている
もう一つは酸素系漂白、オゾン漂白、過酸化水素水による漂白だ
こちらもご家庭でなじみのあるものは過酸化水素水でオキシドールはこれを希釈したものである
ちなみに、塩素系漂白はまぜるな危険といわれているとおり、アルカリ性と反応する
あと、使った後の廃液問題も出てくるため、
イグアスで決めた、未来よしとなる近代化とは程遠いので、酸素系漂白一択となる
よし、できそうだな
「わかりました、特許はこちらで取りますがよろしいでしょうか?」
「構いません、特許料はどのようにしましょう?」
「最低でも販売利益の20%はいただきたいです、多分できた商品は今までとは高額になるでしょうし」
「痛いですな~」
ジェームスさんは口元は笑いながら答えるが、目が笑っていない
怖いっすよ……
「次に必要な薬品があります、おそらくまだイグアスにはない薬品なので、こちらで作ったものを購入いただくことになりますがよろしいでしょうか?」
「わかりました」
「最後に、薬品ができた後、この工場でテストをやらさせていただきます、必要なものは持ってきますが、灰で煮込んだ後の
「ああ、そうですね、いつから来られます」
「まずは薬品からなので、薬品が完成次第連絡します、書類は薬品が完成した後でよろしいでしょうか?」
「かしこまりました、問題ありません」
ジェームスさんとの調整は終わり
「では、早速薬品づくりに入りますので、今日はこの辺で失礼します」
「いえいえ、早い完成をお待ちしております」
ジェームスさんと握手して工場を後にした
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます