第24話 鍛冶屋ゴードン その2
次はモーターだ、ティアラに目くばせすると先ほど作ったモーターを出した
「これは?」
「石炭火力に変わる動力だ」
「ほう?」
ゴードンがずいっと寄ってくる、魔石の時より興味津々だ
ティアラ魔道具店の時と同様に動かし、問題点の説明をする
「なるほど、銅線が減っていくことが問題か……」
「そうなんだよ」
「なら、解決する方法があるぞ」
「え? そんな簡単に?」
ゴードンは金属の塊を魔力で加工しモーターを包み込んだ
「ゴードン、なんだいこりゃ?」
ティアラが聞く
「これに銅線を出してるから、魔石をつないでみろ」
魔石をつなぐと、小さい魔石では動かないが、大きい魔石だと動いた
全員が何で? とゴードンに向く
「魔法陣を魔力で包むと動んじゃ、嘘だと思うなら手から魔力を出してみな」
そういわれたティアラが包み込みを外して手をかざす
「動いた!」
そのあとゴードンから詳しく説明してもらった
魔法とは、魔力で包み込んだ空間に現象が発生する
魔力で包み込んだ空間に対して、人が指示を出すのか、魔法陣で指示するのかの違いだと
ということは、大魔法とかって大量の魔力で覆ってるからできるということになる
「タカハシ、これでいいのか?」
いや、これだけだとまだ足りない
「何点かある、コマを金属製にしたい、包み込むものは前後に分割し、ネジで止めたい」
「それはなんでだ?」
「大量生産するためさ」
「おいおい、何台くらい作るつもりかい?」
「おそらく大小合わせて1年で1万台くらい作るのでは?」
「今年1年でか?」
「そう、将来はパン屋などで料理にも使われるので、もっと必要になる」
そう話すと全員目を丸くする
「ただ」
「ただ?」
「これだと、軸と金属の当たるところで摩擦が出るので軸が摩耗するし、魔力のロスも出る」
「解決方法があるんか?」
「ああ、ベアリングだ」
そういって、ベアリング工場の動画を見せる
「はぁ!?」
「これは大量に作る例だ、今欲しいのはサンプルのモーターなのでモーター数台分でいい」
「モーター1台にベアリングは何個必要だ?」
「棒の前と後ろに2個、大型化した場合は何か所か増える」
「なら、明日中にやっておこう」
え、ゴードンすごいな
「ありがとう……でも、お金はどうしよう?」
「ティアラはどれくらいで受けたんじゃ?」
「私? 諸々払って1人銀貨20枚くらい残る感じ、それで2か月分」
「じゃ、銀貨10枚でええ、期間は1か月だ」
「はい、銀貨10枚」
「あと、今後何かを作るときは贔屓にしてくれ」
「ああ、じゃあ明日また来る」
そういった後、3人でゴードンの店を後にする
外に出るとメアリーさんから
「では、特許を取るための準備をしましょうか~」
そういえば、特許があるって聞いてたな
「特許か! めんどくさいがとれるなら取った方がいい」
ティアラはめんどくさいと言いやがった
「特許は取りたいのですが……いかんせん申請方法がわかってませんので」
「では、明日の朝転移者寮へ行きますね~」
メアリーさんは楽しそうに話すのだった
あとは、転移者寮へ戻った後、夕食後を食べ、ポーションを作成する
3本ほど作成して5日目を終了した
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