共創技術時代の音楽作品

1.SIDE-B ある感情インフラ企業社員の業務メモ

（株式会社戴天興業　勤怠・就労管理システムの勤務記録、および就業時のメモから抜粋）

社員名：日野匡佳（ひの まさよし）

社員番号：0273

所属：音楽サービス統括部・音楽サービス事業部（開発）・MUSICA（ムジカ）-Logics（ロジックス） Dev.

職級：シニアマネージャー

在社期間：2030~

年齢：35

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9:17 出勤。今日の日報用に本メモ記入。この時間にいるとそれだけで驚かれる。出勤なんてまどろっこしいこと、さっさとやめたい。

9:30 ここに宣言する。今日は18時より前にここを出る。今日は妻と娘とディナーに出かける。妻も頑張って早めに退社してくれるはず。俺だけ行けないとか殺される。すでに社内共有スケジュールは埋めてある。Private Issueで。

10:12 朝のうちにどうでもいい返信とか書面作成とか、各方面へのせっつきとか言い訳とか終わらせる。

グループチャットにてBGMを募る。作業に集中したい。

アドルフが出社してきた。おすすめを送ってくれた。

10:14 デスメタルかよ勘弁して。そういやあいつフィンランド人だった。下火になったと思ってたんだけど。

10:15 代わりをくれたけどこれもだめだ。20年以上続いている、Generative Music AIによる自動配信なんですよ？じゃねえんだよ。ノンストップで地獄みたいな音聞くとかやべえよ。

10:16 今度はフォークメタルのおすすめが来た。メタルから離れろ。しかし何だこの邦題。原題が「Wooden Pints」で、なぜ「酒場で格闘ドンジャラホイ」？

10:20 これならまだ聞ける。

10:55 よくわかってないDept長がよくわからないなりにつくったよくわからない障害報告書をレビューという名の大修正。15分で終わらせる。

11:30 結局30分以上かかった。ふざけんな。自Ｔ朝会へ。

11:45 稟議書修正依頼来た。やれやれ。午後に回して早めに昼飯。

13:00 某クラウドリソース業者様との定例会。障害の調査報告受けと情報交換を二件分。あとは値切り交渉。情報提供早くして。

14:30 「デジタルウェルビーイングを高めるために、音楽に何ができるか」。例の協会でのシンポジウム用にDept長が作成していたドキュメントの下読み。何ができるんだろうね。ただの利権団体化しているあの協会に。

15:00 やっと稟議書直せる。

16:00 元作成者にFBと質問。黄さんへ。

16:15 相変わらず自動翻訳を使いたがらない黄さんに手こずりながらも、修正完了。時間無いやばい。

16:30 サービス可用性測定ツール、WBA群監視・スケーリングツールの修正案承認。今夜19時に最終検証。明日デプロイ。事故るなよ。

16:40 これは、17時過ぎには帰れるやつでは？

17:05 日報と工数入力すればもう帰れる。想像以上に理想的な一日だった。今日はいい日だった。お先に失礼する。本番さショータイム！

17:20 帰宅直前にインシデント発生。訂正する。この世は無常。