1.SIDE-Column 『京都芸報オンライン』「号外」二〇四〇年七月二十八日 一七時四〇分
【速報】『感情インフラ企業各社で大規模システム障害 業界最大手・戴天興業、米クゼック社も ※追記あり』
二十八日夕方、感情インフラ企業最大手の戴天興業(京都府)が提供する音楽制作・供給システム「
また、米クゼック社を始め、世界各地の感情インフラ企業で同様の事象が発生しているとの報告もあり、その数は十二社にのぼる。しかしそのいずれも、未だコメントを発表していない。ネット上ではユーザーの不満の声が散見され、感情インフラ企業を相手にした同時サイバー攻撃ではないかといった憶測も飛び交っている。各社のアクティブユーザーの合計数は、延べ四十億人にのぼるとされる。
戴天興業のTheatoriumでは、障害発生の直前に故・桐澤由宇理氏(一九九〇~二〇三五)のものとされるユーザーがゲリラパフォーマンスを行い、不正利用の可能性が指摘されたばかり。ユーザーの中からは、障害発生と桐澤氏の「復活」との関連性を指摘する声もあがっている。頻発する問題に対し、原因の究明と説明が求められる。
<追記:一八時〇〇分>国際音楽倫理審査機構(IOME)からレポートがあり、同機構が各感情インフラ企業と共同で提供している倫理保全用プログラム「Chord of Ethics」において、問題のある挙動が確認されたとのこと。個人用端末やデータストレージからの音楽素材の削除、音楽サービス利用のブロック、インストール済みのPAシステムにおける出力ブロックといった動作が報告されている。IOMEでは、早急に調査委員会を結成し、事象の調査と解消に努めるとしている。
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