雪花の調停者

この世にヒトならざる存在は多けれど、人にとって見えないものは、いないものと同義語。
見えないもの、いないものは、いつだってその存在を否定される。

今となっては彼らを見る者も、話す者も珍しい。
けれどもずっと、ずっと昔。
今よりも彼らを身近に感じることが出来る者が多くいた。
だけどいつしか、人が彼らの存在を感じることが出来なくなった。
けれど存在を否定されたとしても、完全にその存在が消えることは無かった。
だからこそ、空想や御伽噺の中の話だといわれることもある。

少しばかり好奇心の強いリリアージュは、面倒事は苦手だと思いながらも、それらの欲求にはあらがえない。加えてお人好しなこともあり今日もまた、とある事に巻き込まれていく。
これはその中で、人として彼らと共にあることを願う少女の、人とヒト…続きを読む