概要
ただの興味本位と暇つぶしのために道場に通う彼は徐々に武の世界に魅せられていき……。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
主要登場人物紹介
・南郷尚志(なみさと ひさし)
この物語の主人公。就職浪人。帝海大学卒。警察官志望の青年。
二十三歳、身長177cm、体重111kg。
若さと図体は道場で誰にも負けない。
【大東流合気柔術編】
・大岩鉄之進宗師
大東流合気柔術・蒼天会創始者。
誰もが認める達人。その神技は七十代という歳を感じさせない。
国内はもとより世界中に弟子がいる。
道場で一番偉い人。
・才川
その技は宗師を超えた、と言われている実力者。オールバッ
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!挑戦と出会いを繰り返しながらも進む。武道の道なり!
行きたい所に行けないことは、人生において少なくない。
そこに挫折やコンプレックスも存在する。
だけど、ふと周りを見た時、意外なところから「面白そう」と思える目標が現れる。
道は提示されるものでも先にあるものでもなく、自分が進んできた距離を言う。歩けばそこが道になる。
そんな事を感じられるのが、この武道の物語。
主人公の「武道」はただ、力をつけたり、勝ったりするだけじゃない。
そこに人のつながりや、今までいた場所とは違う景色を見出していく。
やりたいと思った場所で、誰かと出会って、また何かに挑戦する。
主人公の、可能性に溢れた物語です!
私も何かやってみたいな! - ★★★ Excellent!!!「え? 合気道?」 「いいえ、大東流です!」
大学を卒業して警察官をめざす南郷尚志は、ある武術の道場の門を叩く。
『大東流合気柔術』。それこそが、彼の長い武道人生の始まりだった。
作者の実体験をもとに書かれた武術修行の物語です。そこに描かれているのは、実際の道場の風景だったり、複雑な人間関係だったり、武術の神秘的な技であったりします。
ときにシリアスに、場合によってはユーモラスに、凄絶なもの、清廉なもの、醜いものを、作者特有の軽い口調で、もの凄い内容をさらりと明るく語ってくれます。
主人公の尚志は、漫画好きの格闘技好き。あの当時は、みんな漫画を読んでいたし、格闘技や武術は、漫画と近いところにあったのです。が、尚志が入…続きを読む - ★★★ Excellent!!!武道を志す青年が様々な格闘技と出会う自伝的な青春小説
警察官を目指していた青年、南郷は試験に落ちてしまいバイトにあけくれながら、もう一度警察官になろうと悪戦苦闘の日々を送っていた。
そんな時にある格闘技雑誌の記事で大東流合気柔術の記事を見つけて、自分を変えるきっかけになるのではないか、強くなれるのではないかと見学をすることに。
そこから個性的な兄弟子たちとの出会い、そして合気柔術をはじめとする格闘技の世界で鍛錬する日々が始まる。
作者の波里久さんならではの人物の心情を鮮やかにかつユーモアをこめて描いている文章は読みやすく、ほっと安心させられます。
私自身は格闘技を体験したことがないのですが、「合気柔術」「意拳」「柔道」「合気道」「香取神道流…続きを読む - ★★★ Excellent!!!なんとも力強い武の道を駆けてゆく青春賛歌
どこまでがノンフィクションでどこからがフィクションか分かりませんが、そんなことはどうでもいいくらい気持ちのいい作品です。
物語全体を通して、とにもかくにも苦難と挫折ばかりが続いていくのですが、武の道を通して力強く生きていく主人公「南郷」の心持ちの素晴らしいこと!
また大東流合気柔術、意拳、柔道など、さまざまな武術を習う中で出会う漢たちのなんとも個性的なこと。
そんな彼らとともに修行を続けて行く中で、大いに成長してゆく主人公のなんともたくましいこと。
そして時折ふとのぞく恥ずかしい心根なんかもさらけ出していく清々しさは、まさに文学そのものだと感じました。
これは作者の魂のこもった素晴らし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!一冊の雑誌から始まる武張った日常、読むだけで武術稽古になる作品――!
警察官志望の主人公『南郷尚志』は、大学を卒業後。
一冊の雑誌から蒼天会を知り、入門することを決めます――ここから、南郷尚志の武張った日常ともいえる稽古の日々が始まります。
大東流合気柔術編では、格好いい才川さん、黒田さん、堀内さん、佐嶋さん……など武術に関わる魅力的な人物が登場し、南郷尚志が自分の弱さと向き合いながら、稽古を重ねて行きますが、三年間の月日のあと――葛西という人物との出会いによって、『南郷尚志』は、山形さんと知り合い意拳への稽古を始めることになります。
この作品の何より、凄いところは登場する技の表現の巧みさと、人物の人間性と思いました(*^-^*)どの登場人物も、それぞれの…続きを読む