その時、闇の使徒は? その3
朝っぱらから学校の方から爆発音やら何やらが響き渡る。
あの黒い壁に囲まれた学校に引き籠もって戦争でもしているのだろうか?
今頃どんな修羅場が繰り広げられているのやら。
(まあいいや)
ともかくこれからどうするか考える事にした。
したのだが・・・・・・
どうすれば良いのか分からなかった。
とうとう三日目に突入した。
まだ食料は切り詰めれば余裕があるが、供給先とか考えておかないと分からない。
だが自分の身体能力だとゾンビの相手はキツい。
不意打ちで一体ぐらいが限界だ。
(ともかく行動しないと。少なくとも周辺の状況とか確認して、それから食料の調達先とか見つけないとジリ貧になる)
昨日はホームセンターから逃げ帰ったが他の場所はどうだろうと思い、自転車に跨がる。
家の周りにはゾンビがいなかった。
と言うより学園の音に引き寄せられて去って行ったのかも知れないが油断は禁物だ。
自転車を使い、周囲をキョロキョロしながら自転車を走らせる。
そうして近所のコンビニに辿り着いた。
(うぇっぷ)
血だらけで窓ガラスが割られ、惨劇の後を想像する。
電気が付いており、中の状態がある程度見える。
一見するとゾンビはいないが何処かにいるのかも知れない。
周辺も同じだ。
(・・・・・・電気はまだ生きているのかな?)
コンビニに入るがシートが被されている何かがあった。
誰かがゾンビを処分したのだろう。
かなり纏まった数の程度食料品や生活必需品が持ち去られている。
震災の時、キチンと並んで開店を待つ日本人は何処に行ったのやらと感じだが震災とバイオハザードは違うのだ。
下手な助け合い精神が死に繋がる。
(・・・・・・もっとも生きてどうすんだって話しだけどね)
そう思いつつ見たかったDVDやお菓子、転がっていたカップ麺、今後の生活に役立ちそうな物などを持ち去った。
(あ、レンタルビデオ屋とか借り放題じゃないかな?)
などと馬鹿な考えをする。
もう恐らくは学歴もなにも関係ない世界だ。
真面目に勉強する必要もない。
長生きする必要さえもない。
なら好き勝手に生きるしかない。
(今頃どうしてるのかな? そもそも生きてるのかなアイツ達?)
昨日も同じ事を考えたが将一達の事が頭に浮かぶ。
まだ三日目だと言うのに段々と孤独が辛くなってきた。
(もう一度会いたいな・・・・・・)
文芸部の面々を思いながら去って行った。
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