荒木 将一の日記 その3


 未来は誰にも分からない。


 その言葉に隠された意味を今ずっと考えている。


 コンドーム無しでセックスした後にこんなこと考えるのは色々どうかと思っているが……


 でも、とても重要な事だった。


 明日は世界が滅びるかも知れないからやれる事はやっておけとか、そんな悪い意味で言ったんじゃないと思う。


 正直、思い上がりが過ぎるんじゃないかと感じている。


 ただ思うのは、未来は分からない。


 その言葉にこそ意味があるんだと思う。


 この言葉の対極は運命だ。


 どう足掻いても逃れられない出来事がある。


 正直自分でも今何を書いているのか分からない。


 けど、今何となく分かった。


 未来は分からないこそ足掻く価値があるのではないか?


 そう言いたかったんじゃないのか? 真清は?


 言葉にするには簡単だが、だが現実でそれを行うのは難しい。


 今の状況になってそれがハッキリと実感できる。


 それでも自分には抗って欲しかったのも知れない。


 このクソッタレな現実に。


 そう思うのは少々自惚れが過ぎるだろうか? 


 それに……自分達はまだ幸いなのだろうとも思える。


 自分達は、例え何者かの、どんな思惑があろうとも抗う力を、銃火器を手にする事が出来た。


 それによって木下みたいな奴を産み出す事になったが……あいつ今何処で何してんだろう……


 ともかく、もっと前向きに生きてみようと思う。


 目指すはハッピーエンドだ。


*荒木 将一の日記から抜粋  

      

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