概要
お嬢さんはいつものように、書生部屋に駆け込んでくる。
開明から三十余年。
元気いっぱいの男爵令嬢と
平穏に生きたい書生が
開国帝都を駆け回るどたばたファンタジー
第3回カクヨムWeb小説コンテスト キャラクター文芸部門 特別賞をいただきました!
改稿版を
12/15富士見L文庫さんから発売中です!
https://kakuyomu.jp/publication/entry/2018120402
関連作品「短夜にこいねがう」連載中
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887518958
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ハイカラ娘とチート書生に連れられて、読者も一緒に東京あやかし巡り
流行の権化であるハイカラ娘ことお嬢さんと、そこに下宿している書生さん。
妖怪の噂を聞きつけて明治東京を駆け回る、短編連作です。
お嬢さんのお転婆具合や、書生さんがどうチートなのかは本編を読んでいただくとして、
わたしがこの作品を読んでいて一番わくわくしたのは、まるで明治東京を巡っているような気分が味わえること!
上野の男爵邸。新橋のミルクホール。神田明神のお守り。銀座の石畳の大通りにビヤホール。押上の診療所。両国の花火。三田の子爵邸。築地に日本橋などなど。
実際に行ったことはなくとも、覚えのある地名がたくさん出てきます。
彼らの足となるのが当時のタクシーともいえる人力車(俥)。しかもそ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ハイカラお嬢さん&書生さん、帝都を駆けまわる!
お転婆でハイカラな「あたらしき女」のお嬢さんと、そんなお嬢さんに振り回される、ある事情を抱えた書生さんのドタバタあやかし事件簿。
このあらすじだけでもときめきに満ちているのに、あやかしが出たと聞けば、鉄砲玉のように駆けていく元気いっぱいなお嬢さんと、嫌そうに、だけどもなんだかんだで放っておけずにお嬢さんに付き合ってしまう書生さんのふたりが、冒頭から微笑ましくてたまらない。
さらにふたりが駆けまわる、明治時代の帝都のあやしさ。
日が暮れれば、ガス灯をともす点灯夫が街を歩き、不穏な文士、狐憑き、百鬼夜行に、化け犬騒動。情感たっぷりに描き出される街の描写がまた物語を引き立てる。
そして、あやしき…続きを読む - ★★★ Excellent!!!百鬼夜行も恐くはない! あたらしき女、街を行く
明治三十年の東京。高辻男爵家の令嬢・環蒔(たまき)は、海老茶色の女袴にブーツ姿のハイカラさん。「あたらしき女」を自称する彼女は、煉瓦も瓦斯灯も電気も恐くはない。勉学をし、小説を読み、新しいものを取り入れる意気満々。ところが、彼女の耳に入るのは、奇妙な噂話――銀座に百鬼夜行? 化け犬が現れた?
高辻家に養われている書生の溝口は、お嬢さまの御守を任されてはいるものの、彼女の向こう見ずな正義感に振り回されてばかり。しかし、実は彼にも秘密があった。
未だに頑迷な思想の濃い明治において、元気いっぱいな環蒔ちゃんが、可愛らしいです。書生さんの一人称も、当時の社会風俗も、お洒落な雰囲気に満ちています。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!明治の時代は、煉瓦、瓦斯灯、百鬼夜行
高辻男爵家のご令嬢環蒔(たまき)お嬢様は、子猫よりも好奇心旺盛で、子犬のように勇壮活発。海老茶の袴にブーツの踵を鳴らして女学校に通うハイカラ娘。
西に妖怪が出たと聞けば自転車をこぎ出し、東に化け物が現れたと耳にすれば乗り合い馬車で駆けつける始末。
ことあるごとに、連れ出される書生の溝口くんには、たまったものではありません。
だけど、その行く先で出会うのは、お嬢様の期待外れな事件ばかり。残念そうな環蒔お嬢様。
でもでも、その環蒔お嬢様のすぐそばにいる、それは。もしかして、もしかすると、正真正銘、本物の妖怪なのではありませんか?
時代がうつろい、価値観が変わり、人の生活が大き…続きを読む