限りなく日本に似た世界、されど限りなく現実とかけ離れたギャグ時空を舞台に繰り広げられる、オムニバス仕立ての傑作コメディ。
『ぽんぽこ大学ドンドコ学部ドゥッダンツカドゥッドゥン学科』――この狂ったタイトルが本作の本質を一行で表している。偏差値2億6千万を誇る「ぽん大」を闊歩するのは、「学生とは?」と思わず哲学的な問いを差し挟みたくなる奇人変人人外魔境のオンパレード。ありとあらゆるカオスを極めた不条理ギャグの坩堝にあって、あくまで一大学の中の話という「縛り」が一層その混沌を引き立てている。
キャラや設定を使い捨てで終わらせず、どのキャラも初登場時のカオスを引きずったまま何度も再登場してくるのもファンに嬉しい。特に第二部?の夏休み編は、それまでの登場キャラ達がよりスケールの大きい冒険《バカ》を繰り広げる、「豪華劇場版」とでも言うべき装いが圧巻の一言。擦っても擦っても面白さが尽きない、それがぽん大の魅力なのである。
ドゥッダンツカドゥッドゥン。
まさしく、この音の通りです。もう語呂の良さだけで最強の小説です。【ぽんぽこ大学ドンドコ学部のドゥッダンツカドゥッドゥン学科】って、まず常人には思いつかない圧倒的ネーミングセンスに惹かれました。
そして、この題名通りの常軌を逸した展開。
ネタ要素満開かつ、大学のなかでの話という設定に準して描かれるストーリーに、こう形容しがたい魅力を感じました。
いいですよね、ドゥッダンツカドゥッドゥン。めっちゃこの響き好きです。個人的には、黄のめちゃくちゃ言語も大好きです。
これからもドゥッダンツカドゥッドゥンしてください。
四コマギャグ漫画のような雰囲気漂う、日常系シュールコメディ。意味不明なのになぜだか笑いを誘うタイトル通りのシュールな世界観が面白い。
偏差値2億6千万のすごい大学「ぽん大」。ここに入学する生徒はその偏差値にふさわしく圧倒的な個性を備えた者ばかり。そんな奇人・超人・人外揃いのぽん大生たちが、今日もカオスの旋風を巻き起こす!
ストーリーは基本一話完結の連作短編で、一貫した主人公はいません。しかし登場するキャラクターはどいつもこいつもアクの強いやつらばかりなので、きっとあなたも好きになるキャラが見つかるはず。
また、ある話に登場したキャラが別の話で出てくることもあるので、群像劇が好きな人にもおすすめできます。
ちなみに僕は、中国語のような謎の言語を話す中国人・ホァンがお気に入りです。こういう、文字だけで笑えるというのも、この作品の大きな魅力ですね。