“かぎろ節”の真骨頂、不条理ギャグの玉手箱

限りなく日本に似た世界、されど限りなく現実とかけ離れたギャグ時空を舞台に繰り広げられる、オムニバス仕立ての傑作コメディ。
『ぽんぽこ大学ドンドコ学部ドゥッダンツカドゥッドゥン学科』――この狂ったタイトルが本作の本質を一行で表している。偏差値2億6千万を誇る「ぽん大」を闊歩するのは、「学生とは?」と思わず哲学的な問いを差し挟みたくなる奇人変人人外魔境のオンパレード。ありとあらゆるカオスを極めた不条理ギャグの坩堝にあって、あくまで一大学の中の話という「縛り」が一層その混沌を引き立てている。
キャラや設定を使い捨てで終わらせず、どのキャラも初登場時のカオスを引きずったまま何度も再登場してくるのもファンに嬉しい。特に第二部?の夏休み編は、それまでの登場キャラ達がよりスケールの大きい冒険《バカ》を繰り広げる、「豪華劇場版」とでも言うべき装いが圧巻の一言。擦っても擦っても面白さが尽きない、それがぽん大の魅力なのである。

その他のおすすめレビュー

板野かもさんの他のおすすめレビュー256