第8話「ラノベを書いてみることにした」
Side 木里 翔太郎
牛島 ミクの批評を終えた後、俺たちは手毬と一緒に俺達はラノベを書いていた。
「なあ、俺達いっそのこと文芸部でも立ち上げるか?」
「考えとくわ」
と、軽口を叩きながらどう言う物語を書いてみるか考えている。
ちなみに文字はスマフォ入力である。
「あんた、手を動いてないけど大丈夫なの?」
「そう言うお前こそ大丈夫なのか?」
「ちょっとラノベのハウツー読んだ後、短編書いてるから。長編は禁止だからね。絶対短編、もしくは掌編で書きなさい」
「へーい・・・・・・」
と、釘を刺された。
短編と掌編。
アニメで例えるなら三十分アニメの半分から一話相当が短編。
掌編はその一シーンぐらいの長さだと言った所か。
詳しい解説は小説の書き方の専門サイトとかみてね。
で、手堅く短編で行けとの事だ。
(つっても短編か・・・・・・)
牛島さんに指摘した内容を思い出しながら俺は考える。
別に雑誌に投稿するわけではないので、雑誌の小説投稿の必要規定とかでよく聞く、「完結させておく」と言う考えは捨てる。余り知られてないが雑誌に投稿する場合は必ず完結させておくことが望ましいのだ。連載する場合はそれを基礎にし、連載向けにして話が紡がれてゆくのである。
(正直俺にそこまでの技量はねえな)
牛島さんの優しさに付け込む形になるがある程度は大目に見て貰おう。
物語は分かり易く、学園物で男が女の子に告白する物語でいく。
「そういやアンタ昔、ネット小説書いてたみたいだけど」
「何でしってんだお前は!?」
俺はたぶん顔を真っ赤にしながら叫んだ。
「何度かスマフォを覗き見する機会があったから」
「お前そんな事してたのか!?」
「まあ、本当にチラッと見えただけよ。よくあるでしょ? トイレに行って席外した時に置いてあったスマフォが見える時とか」
「あ~それならしゃあないか・・・・・・」
「ニヤニヤしながら学校でスマフォを忙しく指動かすのは止めといた方がいいわよ。正直エロイ奴みたいで気色悪かったし」
「そ、そうだったのか・・・・・・」
手毬の毒舌は今回は控えめだ。
と言うか淡々と可哀想な口調で事実を突き付けてくる感じなので普通の慣れ親しんだ毒舌よりキツイ物があった。
「で? 評価どうだったの?」
「あれ? その辺り何か毒舌来るかと思ったんだけど」
「私も鬼じゃないわよ。これでも勉強したんだから。ネットのWEB連載は運の要素とかもあるんだし、第三者の評価とかはアテには出来ないわよ」
「そ、そうか?」
手毬にしては優しい一言だ。
「最近のWEB小説からアニメになった奴見たけど酷い物だったわね。一話で切ったわ。他にもそう言う経緯のアニメとかあるけど、どうしてここまでそこまで差が出るのかってぐらい面白さに差が出てたし」
「あ~何の作品かは聞かないようにしよう」
「異世界への転生とか憑依とか悪く言うつもりはないけど、基礎となるストーリー展開とか題材とか失敗した挙げ句、作者のハーレム願望を考えなしにぶちまけるとああなっちゃうのね。恋愛した事ないのかしら。だからラノベをキモオタ小説とか言う奴が出て来るのよ」
「もうやめてやれ」
何か軽くラノベ自体もディスッてるぞこの女。
だけど言ってる事は強ち間違ってはないので厄介なのだ。
「ついでに言うとアンタの小説もそんな感じだったわね」
「やっぱ読んでんじゃねーか!? てか黒歴史として封印――」
「残念だったわね。ファイルに保存してあるわ」
「消せ!?」
なんつー女だ。
人の黒歴史を保存すると言う、こんな無慈悲な真似をするなんて。
きっと、言う事聞かなかったら黒歴史小説プリントアウトして「木里が書きました」とか言ってクラスにばらまくのだろう。
この女ならそれぐらいはやりかねない。
「大丈夫。あんな中学生の欲望タダ漏れしてるような小説をばら蒔く様な真似はしないわ。見てるこっちが痛々しいわよ。私と付き合い深い奴があんなの書いてると知られたらこっちの身まで危ないわ」
「頼むからこの話題止めてくれ! このまま抉られ続けたら気がおかしくなる!」
こいつ絶対全部読んでやがるな!?
俺の黒歴史小説!!
てかマジで止めてくれ、その「こいつはこう言う奴だから仕方ない」みたいな態度!
「しかし今更だけどあんなの書いといてよくあんだけ牛島さんにあんな偉そうに講釈垂れたわね・・・・・・出来が悪かったわ牛島さんに晒すわよ?」
「いやだぁあああああああああああああ!?」
駄目だこいつ、何だかんで俺を殺しに来てやがる。
どうして俺がこんな目にぃいいいいいいいい!?
そりゃち自業自得かもしんないけどさぁ!?
こうして俺は短編に力を上げて執筆する事になった。
「ちなみに締め切り明日の放課後までだから」
(この人鬼だああああああああ!?)
どうなる俺の運命!?
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