シーズン1

第1話「手毬 サエと言う女の子」

 Side 木里 翔太郎


 ブラウンの長いロングヘアー。

 凛々しく整った顔立ち。

 切れ長の大人びた瞳。

 ホッソリとした華奢な体付きと四肢。

 まるで童話に出て来る妖精のような童女の女子高生である。

 

 とラノベの美少女風に手毬 サエの容姿を言ってみるとこんな感じだ。

 最後辺り余計な気もするが間違っては無い。

 メチャクチャ小さいからな。

 小学生の頃の水着まだ着れるんじゃないのか?

 

 だがそれでも美少女の部類に入るのは確かだ。

 ロリコン認定待ったなしだが。

 

 しかしながらそう言うのが好きな男子が多いのは確かだ。

 そして俺と手毬が通うのは共学校。

 彼女に勇気を持って告白する奴は一人か二人はいそうなもんだ。


 高校生と言う生物にとって恋人がいるかどうかは大切な青春のページを飾る要素であり、そして一種のステータスだそうだから。

 これを世に言う「恋に恋している」と言う状態だ。情報ソースはラノベとかだから間違いない。


「思春期の男女に恋愛するななんて偉そうな事は言わないけど、女の私から言わせてもらえば女をなんだって思ってるのよって感じよ」


 だそうです。何様だお前は。

 今は仲の良い女子生徒と一緒にガールズトークを教室で繰り広げています。

 どうやら話題は恋愛らしいです。


「大体、つきあうって事は究極的に子供作って温かい家庭築くか、その前に別れるか、やり捨てるかの三択になるわけでしょ?」

 

 とか言っちゃってます。


「今の時代、超少子高齢化時代の割に頭の悪い大人が頭の悪い政治家をバンバン当選させるから経済大国から転落して、普通の生活も苦しいのに子供作ったら人生地獄ルートにまっしぐら何だから子供どころか下手に男なんか作れないわよ。よしんば出来たとしても共働きで冷めた生活していくに別れるのが責の山よ」


 周りの女の子ちょっとどん引きしてますよ。

 手毬 サエと言う女の子は普段からこれぐらい毒吐く奴なんです。

 

「それに勉強頑張って良い大学行っても、東大生がブラック企業に就職して過労死する世の中だし、声優とか作家とかで飯食う事を目指すとか、「本当にお前現実見てんの?」とか言う馬鹿の気持ちとかも分からないでもないわね。その変どう思う? 木里?」


「唐突に俺に話題を振るな。俺に対する当て付けか?」


 話の流れからしてまるで俺がラノベ作家か声優目指している、安易に将来を決めている若者みたいじゃねーか。

 

 とにかくまあ、手毬 サエと言う奴はこんな奴なのだ。

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