概要
患者に寄り添い、家族を支え、その人たちの人生に関わっていく、精神科にいる何でも屋さんの物語。
皆さんに知ってほしい。偏見にまみれた世界が、こんな場所だということを――。
そんな場所で、患者や家族に向き合い、本人のために今日も働く心強い存在がいるということを――。
※病名により章を分けています。短編感覚でも読めますが、最初から読んで頂くとより楽しんで頂けるかと思います。
※この物語はフィクションです。登場する人物、病院、団体は実在するものではありません。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!涙なしには語れない、優しさ溢れる心模様!!
精神科というと、一般的にはまだ敷居が高いと感じる方も多いかと思います。
その理由には、プライベートな問題が多分に含まれていることや、実態がよくわからないことからくる偏見があるからではないかと思います。
私もこちらの作品を読むまでは、その一人でした。しかし、読み終えた時にはイメージがガラリと変わっていました。
本作の構成は、各症状ごとの短編形式になっています。注目すべきポイントは、詳細な現場のリアリティです。決して難しい専門用語のオンパレードではなく、むしろ現場の息づかいが聞こえるような近さで患者さまたちを描かれており、そのため、決して他人事ではすまされないといった感情の揺さぶりをかけ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!実は、最高にかっこいいお仕事!
治療するのではない。
導くのでもない。
人に寄り添い、人の可能性を信じ、守り、広げていく。
それが、精神保健福祉士。
正直読む前は、資格としては知ってはいたものの、その職務内容は?でした。
実は、最高にかっこいいお仕事でした。
それが読了後の素直な感想です。
精神医療の世界は、とてもヘビーです。
なんといっても、患者の人生が詰まっています。
その中で決して感情的にならなず、静かに心の炎を燃やし、患者と、あるいは患者を取り巻く人々と向き合う精神保健福祉士の姿は、とてもエモーショナルです。
視点を固定せずに、主人公を変えていく手法も嵌っていて、広い視点で精神医療の現場を知ることができるように…続きを読む - ★★★ Excellent!!!一生懸命生きてる働くヒトからヒトへのメッセージ
本編読了しましたので、レビューさせていただきます。
お話に隠された命題を......。
ヒトのためのヒトの心からのヒトへの精神保健福祉士からの愛のメッセージでした.°(ಗдಗ。)°.
一生懸命生きている。
一生懸命生きているヒトを一生懸命支えているヒトたちがいた
一生懸命支えられて一生懸命生きようとするヒトたちがいる。
最後患者だったヒトたちの笑顔が見えるようでした。
この世界にそんな働くヒトたちがいるのならきっと明日も頑張れる。
オムニバスのケースワーカーの短編連作でしたが、様々な人生が見えました。
あの時辛かったなんて言葉も出ないほど【彼ら】は一生懸命生きています。
みなさんに…続きを読む - ★★★ Excellent!!!精神疾患とは何か、改めて考えさせられる作品
精神疾患というテーマは繊細で一筋縄ではいかず
とても難しいと思います。
自分にないモノがその人にあるとき、
ヒトはその人に対し恐れと偏見を抱き誤解します。
この作品はその恐れや偏見と闘い、受け入れ、そして包み込む。
精神保健福祉士と医療従事者の視点で描いた作品です。
決して、他人ごとではない。
いつか同じ境遇に巡り会った時に
精神疾患とは何か?そして自分はどう向き合ったらいいのか?
家族として、当事者として、いろんな立場で考えさせられました。
ぜひこの作品を通じて、精神疾患に対する誤解や偏見が緩和し
優しい地域社会になるように。
おススメしたい作品です。