ときには傘に。あるときは靴に。

太陽 てら

0.はじめに

 精神科・心療内科。

 今やどの地域にも存在する、いわば心の病を治療する場所。

 内科や外科などと違い、目に見えない病気と闘う患者さんが集まってくる。


 精神科には、精神科医はもちろんのこと、看護師、臨床心理士、薬剤師、作業療法士などたくさんの専門職が集まり、日々患者のために死力を尽くしている。


 そんな中、あまり聞き慣れない資格があるのをご存知だろうか?


 精神保健福祉士――


 彼らは1997年12月12日に国家資格化され、今やその数をどんどん伸ばしている、国も認める精神保健福祉の分野のスペシャリスト。


 地域や病院によって呼び方も異なる。

 ケースワーカー、ソーシャルワーカー、相談員、PSWピーエスダブリューなど。


 患者に寄り添い、患者の人生を考え、様々な制度やサービスを提供し、その人がその人らしい生活が出来るように携わる。環境を見直し、マネジメントする。


 臨床心理士が、心の中でぐちゃぐちゃに絡まった糸を解くのが仕事なら、精神保健福祉士は、その絡まった糸はそのままで、その人が出来ることを一緒に探し、サポートするのがお仕事。


 仕事の範囲なんて、そんなものはない。

 患者やその家族のためなら、出来る限りのことはする。与えられた枠なんて、この人たちはいとも簡単に飛び越える。


 そんな精神科になくてはならない存在。


 それが、精神科の何でも屋さん――精神保健福祉士なのだ。

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