涙なしには語れない、優しさ溢れる心模様!!

精神科というと、一般的にはまだ敷居が高いと感じる方も多いかと思います。

その理由には、プライベートな問題が多分に含まれていることや、実態がよくわからないことからくる偏見があるからではないかと思います。

私もこちらの作品を読むまでは、その一人でした。しかし、読み終えた時にはイメージがガラリと変わっていました。

本作の構成は、各症状ごとの短編形式になっています。注目すべきポイントは、詳細な現場のリアリティです。決して難しい専門用語のオンパレードではなく、むしろ現場の息づかいが聞こえるような近さで患者さまたちを描かれており、そのため、決して他人事ではすまされないといった感情の揺さぶりをかけられます。

しかし、そんな生々しい現場の世界で、一貫して人の温もりを感じることができます。あえて内容は伏せますが、人に寄り添うことの大切さを教えてくれた彼らの活躍を、ぜひみなさまも感じていただけたらと思います。

ラストの結果には、おそらく涙する方が多いと思います。なかなかお目にかかることはない世界を、感動の物語に仕上げられた良作です。

ぜひたくさんの方に読んでいただきたい作品です。とてもオススメですよ!

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