閑話:工程00 物語と登場人物に世界観を組み込む

※整理中の内容ですので、読まなくても結構です。

もし提案やアドバイスなどがありましたら、コメントで頂けると助かります。




⚫︎概要

作者が読者へ与えたい「世界観」を言語化。

その内容をストーリー展開とキャラ配置に反映する。



⚫︎工程の趣旨

与えたい世界観を作者の側が理解し、その上でストーリーとキャラへ影響を与える。

読者に与える世界観のイメージは、ストーリーの展開やキャラクターの配置によっても変わる。

ゆえに、前もって読者へ与えたい世界観を決めておく。


……ということが必要ということは分かっているが、方法はまだ確立できていない。

確立できた際には、物語、キャラクターの構築の際の指針として使えるはず。



⚫︎コツ

組み込むものは、「物語構成」と「キャラクター配置」の方式。

「神話的世界観を組み込む」というのは映画ではよくあるので、それを参考にできる。

主に、三幕構成上の内容を決める際に、神話でよくあるパターンに類似する展開を組み込む。

キャラクター配置に関しても、神話などに登場しやすい「役割」というものがあるので、

その原型を利用して、物語上でどう機能するかを決めていく。

物語コンセプト工程の「サブプロットとメインプロットを組み合わせる」際や、

キャラコンセプト工程の「キャラの役割を決める」部分で、利用できる。

(また、展開やキャラ配置の原型は、シェイクスピアが全て描ききっているなんて話もあるので、

かの天才の作品から流用するのも良いかも)


例:ストーリー展開「英雄神話」

(ハリウッドリライティングバイブルを参考にしています)

基本的には「行って、戻ってくる」構成。

1、英雄の平凡な日常。英雄は平凡な日常から脱したいと考えている。

2、英雄の身に降りかかる事件。危機を伴い、英雄を非日常へと導く。

3、しかし英雄は非日常へと旅立つことに抵抗を覚える。

  そこへ英雄を非日常へと誘う声があり、その他にも心情的に旅立つ準備が整う。

4、そして英雄を助ける者が現れる。

  彼らに助けられて(助言や技術の伝授)英雄は、旅立つための能力を得る。

5、旅立つ準備が整った英雄が、旅立つキッカケとなる目的(試練)を得る。

6、旅立った英雄はさらに試練や困難を乗り越えて、目的へと邁進する。

7、英雄は最大の危機を迎えて一度、死(もしくは類する状況)を迎える。

  そして死を乗り越えた英雄は、一気に目的達成へと近づく。

8、英雄は目的を達成する。

  そして英雄は、元の日常へと戻る過程へと動きはじめる。

9、英雄が日常へと戻ろうとするが、目的へたどり着く過程で解決しなかった問題が立ちはだかる。

  英雄はそれを切り抜けて、最後の対決へと臨む。

10、最後の対決を乗り越えた英雄は日常へと回帰する。

  冒険を経て、英雄はなんらかの成長(変化)をし、報酬を得る。


例;キャラクター原型

(※ハリウッドリライティングバイブルを参考にしています)

・ヘルパー

主人公へアドバイスをしたり、助力をするような存在。

英雄を助ける魔法使い、伝説の武術を授ける老師などがこの立ち位置になる。

円卓の騎士伝説のマーリンなどが典型例。


・シャドー

某ペルソナゲームに出てくる「シャドー」に近い。

主人公と正反対の性質をもった存在で、

主人公と敵対したり、むしろ手助けしたりする。

正反対の性質を持つ、ということが重要。


・アニマル

街を襲う邪竜、または魔法少女を助けるマスコットキャラ。

そういった人間以外の「災害」や「現象」に近い存在。

某QBは、物語が展開することでこの立ち位置が反転する面白い存在。


・トリックスター

目的のために、平和や秩序を乱してしまう存在。

明晰な頭脳や狡猾な手段によって事件に混乱を引き起こす。

これが一人いるだけで、物語を複雑にして展開を予想できなくできる。

無論、作者自身の脳内にも混乱を引き起こすので利用には注意が必要。




⚫︎メモ

工程の構築に至れない理由は、

資料として所持しているのが「神話的世界観の組み込み方」のみであること。

また、そもそも自分が考える世界観を組み込む必要があるのか?

短い人生で構築した陳腐な世界観に頼るよりも、歴史あるものを組み込んだ方が良いのではないか?

そういった疑問がある。

この疑問を解決し、組み込む際のコツをつかむまでは工程として体系化できない。


また、現状の資料を利用すると、神話的なものを組み込むことしかできない。

無論、凡才である僕としては、組み込めるだけマシなので、

ひとまずはそれを利用することになる。


もし工程として組み込むなら、かなり初期の段階になる。



⚫︎参考

リンダ・シガー「ハリウッドリライティングバイブル」

島田雅彦「小説作法ABC」

冲方丁「冲方式 ストーリー創作塾」

HJ文庫編集部「五代ゆう榊一郎の小説指南」

誉田龍一「小説を書きたい人の本」

アーサー・コッテル「世界神話事典」

ほか多数

(※敬称略)

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