工程07 読者の印象に残る要素を決める

⚫︎概要

キャラクターのトレードマークとなるようなものを決める。

外見的要素、口癖、持ち物など。



⚫︎工程の趣旨

どんなに魅力的なキャラクターでも、読者の記憶に残らなければ意味がなく、

また他人に「こんな魅力的なキャラがいた!」と紹介できなければ、

口コミも期待できない。つまりキャラのファンが増えにくい。


ゆえに読者の記憶に残すための要素を決める工程。


決めるものは外見的特徴でも、持ち物でも、口癖でも、性格でも、行動や態度でも構わない。特徴的であることが重要。

この部分がキャラクターの「売り」にもなる重要な部分。



⚫︎コツ

読者が「憧れる要素」ないし「応援したくなる要素」を体現するもの、つながるものを設定する。


分類としては「外見」「口癖」「行動」の三種がよく使われる。


「外見」を決める際のイメージとしては

「コスプレした時に何のキャラか一発で分かる特徴」

を設定するのが良い。

イラストに起こした際に服装が変わっても誰か分かるような何か。

そういったものを特徴として設定する。

無論、「憧れ」や「応援したくなるもの」を連想させるものが好ましい。

持ち物を持たせるというのは常套手段。能力もこのうちに含まれる。



「口癖」を決める時には、地の文がなくても一発で誰か分かるものが好ましい。

それは特徴的な語尾であったり、逆に語り始める時の言葉かもしれない。

「こんな格言を知ってる?」

と言うセリフが、女子高生ハートフルタンクストーリーで登場すれば、

「ああ、あの格言botの人か」

と一発で分かるようなもの(馬鹿にする意図はないです、すみません)。

当然、キャラクター性に基づいた設定をするべき。



「行動」を決める際には、キャラの目的や行動指針を表現するように心がける。

行動は、登場人物の思考の結果として生まれてくるものなので、文章中で一言で表すことはできない。できても可能な限り避けるべきだと思う。

繰り返し、キャラクターに同じ行動を取らせることで、結果として印象に残すしかない。

つまり、繰り返し取らせる予定の行動を思い出すと良いだろう。



どれにしても、これまでの工程を考慮すれば、ある程度思いつくはず。

そしてひとつ重要なのは、


「どれかひとつだけが、読者の印象に残る」

ということ。


読者は読みたいものを読むし、覚えたいものを覚える。

印象に残るものは読者によって異なる。

ゆえに「口癖」を覚える人もいれば「持ち物」を覚える人もいるし、

それらは覚えてないのにキャラの行動の細部まで記憶する人もいる。

それは読者の好みによるので、こればっかりはどうしようもない。

作者が「これを覚えて!」と押し付けるのは傲慢でしかないと、僕は考える。



なので、僕としては印象に残る要素を設定する時には、

「複数の要素を用意しながらも、結果として受け取る印象は同じ」

ということを指針としている。

それならば、どんな読者の記憶にもキャラの印象を刻みこめるからだ。


自作の「姉たる千隼と鬼憑きの姉妹」で千隼に設定されている要素は、

外見では「隻脚」と「ポニーテール(を縛る布)」の2点。

口癖は「お姉ちゃんだからな」

行動は「ことあるごとに妹に抱きつく」

これらの由来をストーリー上で描写した結果として、

読者の印象に残るのは「度を超えたシスコン」になるように設定した。

(それが上手くいったかは、別として)



読者の記憶に残す印象はひとつに絞るが、そこへ至る道筋は複数用意することが肝要と思われる。



⚫︎メモ

ぶっちゃけ試行錯誤中の工程です。

ただ、今のところ大きな失敗もないので、概ね間違っていないかと。

何かアドバイスがあれば教えてください。



⚫︎参考

不明

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